1. HOME
  2. ブログ
  3. Audiostock定額制プランでクリエイターは稼げるのか!?検証結果と見えてきた課題。

Audiostock定額制プランでクリエイターは稼げるのか!?検証結果と見えてきた課題。

こんにちは、作曲家・稲毛謙介(@Ken_Inage)です。

今日は、Audiostockの定額制プランについて深掘りしていきたいとおもいます。

楽曲を使用する側にとっては非常におトクなこのサービスですが、我々クリエイターにとってはどうなのか?本当に稼げるのか?気になる点をいろいろ検証してみました。

 

定額制プランってなに?

定額制プランってなに?

まずはじめに、Audiostockの定額制プランについて少しご説明しておきましょう。

定額制プランというのは、いわゆるサブスクDLし放題サービスです。毎月一定の料金を支払うことで、Audiostockに登録されている多くの楽曲を使い放題になるということですね。

現在定額制プランは以下の2種類が用意されています。

◾️プロプラン
・月額2万円(税抜)で50万点以上の素材が使い放題
・放送、CM、映画、ゲーム・アプリなどあらゆるシーンで使用可能
・主に企業向けのプラン

◾️個人プラン
・月額1980円(税抜)で15万点以上の素材が使い放題
・YouTube、SNS、オンライン、Web広告、イベントで使用可能
・放送、CM、映画、ゲーム、アプリでの使用は不可
・法人は利用不可

Audiostockからたくさんの楽曲をDLして使いたい人は、上記いずれかの定額制プランに加入することでおトクに楽曲を利用できるという仕組みです。

 

定額制プランでクリエイターは儲かるのか?

定額制プランでクリエイターは儲かるのか?

定額制プランは、楽曲を使用したい企業や個人ユーザーさんから見れば非常におトクなサービスです。

また、Audiostockを運営するクレオフーガさんにとっても、権利収入型サブスクリプションサービスを運営することは、経営の安定化、継続的な売上拡大を図るうえで欠かせないビジネスモデルでしょう。

では、肝心のクリエイターはどうなんでしょう?定額制プランでちゃんと儲かるんでしょうか?

クリエイターへの分配はどうなってるの?

現在Audiostockで公開されている、定額制プランのクリエイターへの分配方法は以下のとおりです。

a × ( b / c ) × d
a … 当月の該当する定額制プランの対価として当社(=クレオフーガさん)が受領する金額
b … 当月の該当する定額制プランにおけるあなたの各作品のダウンロード数 × 単品販売単価の合計
c … 当月の該当する定額制プランにおける全クリエイターの各作品のダウンロード数 × 単品販売単価の合計
d … あなたの報酬パーセンテージ割合

簡単に表すと、

定額制プランの総売上 ×(自作品の売上 / 全クリエイターの売上)× 報酬パーセテージ割合

という形になります。もっと簡略化すると・・・

定額制プランの総売上 ×(全DL数に占める自作曲の割合)× 報酬パーセテージ割合

となりますね。

要は、分配の原資となる「a(=定額制プランの総売上)」を、楽曲が売れた人みんなで、売れた分ずつ分配した上で、自分の報酬パーセンテージ(原則40%)をかけたものがあなたの取り分ということです。

つまり、クリエイターの収益は増えるの?減るの?

前述の計算式において、クリエイターが収入を増やす方法は

1)定額制プランの総売上(a)を増やす
2)自作品の売上(b)を増やす
3)全クリエイターの売上(c)を減らす
4)報酬パーセンテージ(d)を上げる

の4つになるわけですが、このうち自分でコントロール可能な領域は2)と4)に限られます。且つ、4)に関しては、公式にアナウンスされている限りでは最大53%が上限のようです。

つまり、今後定額制プランの利用者が増えても、全DL数に占める自作品の割合を上げない限りはほとんど収入は増えないということになります。

また、最近は安価な「個人プラン」が登場したばかり。今後どんどんユーザーが増えていくことが予想されます。

安価な「個人プラン」ユーザーが増えると、「全クリエイターの売上(c)」の増加比率に対して、原資となる「定額制プランの総売上(a)」の増加比率は小さくなる可能性が高いので、このままいくと1クリエイターあたりの取り分はますます小さくなるような懸念もあります。

 

定額制プランを疑問視する声も

定額制プランを疑問視する声も

先日Audiostockクリエイターの間で話題になった、田廻音楽事務所のisshyさんによる、以下のNote記事。

【サブスク時代の作曲家生存戦略!Audiostock収益6か月分を大公開】

 

この記事の中で、定額制プランが導入されて以降の売上の変化について、以下のように述べられています。

●単曲販売での曲数が半減、全体収益も40~50%減

●定額プランでの楽曲単価は強烈な廉売。
1月218円、2月79円、3月86円/曲

●3月の定額プランは112回ダウンロード。
もし単曲販売だったら168,000円位の報酬だったのに貰えた報酬は9,563円。

(「サブスク時代の作曲家生存戦略!Audiostock収益6か月分を大公開」より引用)

もともと単曲販売である程度売上が上がっていたクリエイターさんにとっては、定額制プランのサービス開始が売上減少につながってしまっているとのことでした。

定額制プランの場合、ユーザーさんは1度DLした楽曲を登録期間中何度でも使用することができます。しかし、クリエイターに利益が分配されるのは最初にDLされた1回のみ。楽曲が何回使用されても一切報酬が増えないんですね。これは結構イタイ!

月額2万円のプロプランですら売上が大幅に減少してしまう人がいるというのに、月々わずか¥1,980の個人プランでバカスカ曲をDLされてしまうと、一曲あたりの売価がますます下がってしまう可能性があります。

うーん、これはマズイぞ!!

 

定額制プランに求めたい改善案

定額制プランに求めたい改善案

Audiostock側としても、金の卵を産む鶏であるクリエイターが離れてしまっては元も子もないと思いますので、いかにしてクリエイターが潤う設計にするかを検討していただければと思います。(あるいはすでに議論されている最中かもしれませんが!)

というわけで、取り急ぎぼくが定額制プランに求めたい改善案をまとめてみました!

1)DL回数ではなく、使用回数による分配に

DL回数ではなく使用回数による分配にすることができれば、たくさん使われた楽曲ほどたくさんのお金がクリエイターに支払われることになります。

多くの場所・シチュエーションで利用された楽曲ほど著作者への分配額も増えるという点においては、著作権的な考え方からしても本質的かと思います。

2)定額制プランの料金体系を見直す

全ユーザー一律使い放題ではなく、Pixtaさんのように月何点まででいくらという段階的な料金プランに変更してみてはいかがでしょう?

たくさん使う人は高額に、ちょっとしか使わない人はリーズナブルにといった具合に、利用する点数に応じた金額設定にすれば、クリエイターの取り分は自ずとアップします。

3)プロプランのみの許諾を選べるようにしてもらう

料金が安い個人プランでの利用を認めてしまうと、それだけクリエイターへの分配が減ってしまいます。とくに、すでにたくさんの収益を上げている人気クリエイターさんや、クォリティの高い楽曲を作っているクリエイターさんほどその痛手を受けてしまうように感じました。

ですから、定額制プランを許諾する際に、プロプランのみの許諾にするのか、個人プランも含めた許諾にするのかを選択できるようにしてもらえると良いかと思います。

 

まとめ

というわけで、まだ始めて1ヶ月しか経ってないような新参ユーザーが生意気にも意見させていただきましたが!

我々プロとしては「稼げてナンボ」のストックミュージックですから、Audiostockさんには是非とも何かしらの改善案を提示していただきたいところです。

定額制プラン自体まだまだ始まったばかりで手探りなところもあるでしょうから、これからの発展に大いに期待しております!

ぼくのLINE@(公式LINEアカウント)では、イナゲが作った楽曲の「パラデータ」や「楽譜」などを無料配布しております!

そして、現在「コロナに負けるな!キャンペーン」として、2019年秋にリリースした『THEO』に収録されている5曲全てのパラデータ&楽譜を配布しているので、ぜひこの機会に楽しんでください!

プロがどのように楽曲を制作しているのか?そのアイディアや技術をまるごとみることができるので、作曲力・音楽クリエイト力を磨きたい方はぜひゲットしてみてくださいね!

【イナゲのLine@登録はこちら↓】

LINE@登録バナー

関連記事