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基本ビートの打込み②:グルーヴを意識したクオンタイズテクニック!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、基本ビートの打込みにおけるクオンタイズのコツについて解説していきます。

  • スイングの活用
  • グルーヴクオンタイズの活用
  • ノート単位のプッシュ&レイドバック

クオンタイズは、不揃いなノートをグリッドに揃える機能

とはいえ、単に「機械的に揃える」だけでは、イキイキとしたグルーヴは作れません。

そこで今日は、クオンタイズの各種機能を応用して、グルーヴィーでノリの良いドラムトラックを打込むためのクオンタイズテクニックをご紹介していきます。

奥深いクオンタイズの世界を、ぜひご堪能ください!

※こちらの内容は動画でも学習することができます。

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ドラムの打ち込みにおける「クオンタイズ」の活用法

スウィングの活用

スウィング機能は、シャッフルビートを作るためだけのものにあらず!

生身の人間の演奏は、仮にストレートなリズムを刻んでいるときもちょっとだけスウィングしているものなのです。

その特性をドラムにプラスしてあげるために、スウィング機能は多いに役立ちます。

具体的なテクニックをご紹介していきましょう。

スウィングの活用:基本編

まず、スウィングのもっとも基本的な使い方をご紹介します。

人間の演奏には、以下のような特性があります。

8分ウラ、16分ウラ、3連ウラなど、ウラ拍は若干遅めに演奏される

8ビートならば8分ウラが、16ビートなら16分ウラが、4ビートや2ビートならば3連ウラが、それぞれジャストタイミングより遅めに演奏されるというわけです。

この現象を再現するために、スウィングを活用していけば良いわけですね。

各種ビートを、グリッドジャストのものと、軽くスウィングさせたものとで順番に聞いていきましょう。

8ビート

■ 8分ストレート

■ 8分ウラを軽くスウィング

16ビート

■ 16分ストレート

■ 16分ウラを軽くスウィング

4ビート

■ 3連ジャスト

■ 3連ウラをより強くスウィング

明らかに自然なグルーヴになっていることがお分かりいただけると思います。

スウィングの活用:応用編

ドラム全体を一括でスウィングさせるよりも、パーツごとに値を変更して適用する方がより効果的です。

多くの場合、キックやスネアよりも、ハイハット&ライドシンバルの方が強めにスウィングしながら演奏されます。

ですから、

  • ハイハット&ライドのスウィング値は高め
  • キック&スネアのスウィング値は低め

に設定してあげるとより自然な演奏になります。

グリッドジャスト

ドラム全体に20%のスウィングを適用

ハイハット30%、キック&スネア15%のスウィング

グルーヴクオンタイズの活用

ほしいグルーヴがあらかじめ決まっているのであれば、グルーヴクオンタイズを使用するのもひとつの手です。

グルーヴクオンタイズの活用:基本編

DAWにあらかじめ用意されているグルーヴテンプレートを使用するのがもっとも簡単な方法です。

テンプレートを選択して適用するだけなので、数クリックで作業が完了します。

ただし、あくまでテンプレの中から選ぶだけですから、必ずしもほしいグルーヴに出会えるとは限りません。

その場合は、クオンタイズ適用後に各ノートを微調整する必要があるでしょう。

グルーヴテンプレート適用前

グルーヴテンプレート適用後

グルーヴクオンタイズの活用:応用編

グルーヴテンプレートは、自分で作ることもできます。

MIDI素材やリズムループなどのオーディオ素材を分析することで、その素材がもつグルーヴ感を抽出、グルーヴテンプレートとして保存することができるという寸法です。

これは少し高度なテクニックですので、中級以上の方にのみオススメします。

※グルーヴテンプレートの抽出方法は、各DAWのマニュアルをご覧ください。

元となるオーディオ素材

グルーヴテンプレート適用後

ノート単位のプッシュ・レイドバック

トラックディレイの解説記事でご紹介した「プッシュ」「レイドバック」も、グルーヴを司る大事な要素です。

  • プッシュ = グリッドに対してやや早めに演奏
  • レイドバック = グリッドに対してやや遅めに演奏

この考え方は、スウィング同様に、ドラムの各パーツごとに適用するのも有効です。

例えば、2拍目&4拍目で演奏されるスネアをプッシュさせた場合とレイドバックさせた場合を聴き比べてみましょう。

スネアをプッシュ

スネアをレイドバック

前者はより勢いのある印象、後者はゆったりとした印象を受けると思います。

このように、特定のパートのみをプッシュ&レイドバックさせることも、グルーヴコントロールの常套手段です。

いくつか例をご紹介しましょう。

例1:ロックドラムの場合

ロックドラムのような勢いのあるビートを作りたい場合は、一部のノートをプッシュさせると効果的。

とくにスネアのプッシュ感はドラムトラック全体に勢いを与えてくれます。

スネア全体をプッシュさせるのもアリですが、4拍目のスネアだけをプッシュさせるという限定的な使い方もあります。

スネアすべてをプッシュ

4拍目のみプッシュ

例2:ジャズドラムの場合

シンバルレガートに含まれる3連ウラの刻みは、楽曲のテンポによってプッシュしたりレイドバックしたりします。

テンポの遅い曲ではレイドバック気味に、テンポが早くなるほどプッシュ気味になっていき、ストレートな8分音符に近くなっていきます。

テンポの遅いシンバルレガート

テンポの速いシンバルレガート

 

まとめ

というわけで、基本ビートにおけるクオンタイズ設定のコツをご紹介しました!

クオンタイズを活用するだけでも、じつに多様なグルーヴを作り出せることがお分かり頂けたと思います。

掘れば掘るほど新たな発見があると思いますので、ぜひ様々な楽曲のグルーヴを研究しながら、気持ちの良いビートを作り上げていきましょう!

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