MIDIの基礎知識③:揃える!グルーヴさせる!「クオンタイズ」を理解しよう!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介(@Ken_Inage)です。
今日は、DTMに必要なMIDIの基礎知識のうち、ノートの発音タイミングをコントロールする「クオンタイズ」について解説していきます。
- クオンタイズとは?
- クオンタイズのパラメータ
- グルーヴクオンタイズ
クオンタイズを使用することで、不揃いなデータをキレイに整えることができるほか、イキイキとしたノリを楽曲に取り入れることができます。
とくに、リズムトラックの制作には欠かせない機能となっていますので、しっかりとマスターしていきましょう!
MIDIの基礎知識③:クオンタイズ
クオンタイズとは?
クオンタイズとは、不揃いなデータをグリッドへ吸着させる機能。
簡単にいうと「揃える」機能ですね。
リアルタイム入力などでよれてしまったリズムを、簡単に修正することができます。
クオンタイズ前
クオンタイズ後
■ インプットクオンタイズ
インプットクオンタイズとは、リアルタイム入力時にあらかじめクオンタイズをかけた状態でデータ入力することができる機能です。
鍵盤演奏がニガテな方でも正確にデータ入力できるという利点がありますが、同時に「自然な演奏感を残したままノート入力できる」というリアルタイム入力の利点も失ってしまいます。
したがって、クオンタイズされていても問題ないトラック(ノリよりも正確さ重視のトラック)でのみ、使用すると良いでしょう。
クオンタイズのパラメータ
■ クオンタイズグリッド
8分音符、16部分音符など、ノートを吸着させる単位を指定します。
単純音符のほか、付点音符、連符も指定可能です。
■ クオンタイズの強さ
クオンタイズを適用する強度を調整します。
「100%=全ノートがグリッドにぴったり吸着している状態」となり、値を下げることで徐々にゆるめの吸着具合になります。
元のグルーヴを残したまま、軽くリズムを揃えたい場合などに重宝します。
クオンタイズ前
強さ20%
強さ50%
強さ80%
強さ100%
今回の場合は、強さ20%〜50%くらいがちょうどいい感じですね。
それ以上になると機械的な印象に聞こえます。
■ ランダマイズ
元来人間の演奏は不正確なもので、グリッドから全くズレずに演奏できる人などいません。
むしろ、そのような不正確さ&ランダム性こそが、人間による演奏のよいところだったりもするわけです。
そのような不完全さを再現したい場合に重宝するのが、この「ランダマイズ」機能。
音をほどよくバラけさせてくれます。
人間らしさを再現するという意味から、別名「ヒューマナイズ」ともいいます。
「0%=全ノートがグリッドにぴったり吸着している状態」となり、値を上げることで徐々に音がバラけていきます。
ランダマイズ0%
ランダマイズ20%
ランダマイズ50%
ランダマイズ80%
いくら人間らしさを出したいからといって、ランダマイズをかけすぎると「ただヘタクソな演奏」になってしまいます。
ほどよいチューニングがポイントです!
■ スウィング
スウィングとは、ノートの「ハネ(跳ね)」のこと。
ストレートな8分音符を3連符系のリズムへと変化させることで、独特なビート感を生み出します。
別名「シャッフルビート」という名前でも有名ですね。
「100%=完全な3連」となります。
また、ごくごく軽めにスウィングをかけることによって、ストレート感を残したまま、より人間らしいノリの良いグルーヴを与えることもできます。
スウィングなし
スウィング20%
スウィング50%
スウィング80%
スウィング100%
スウィング20%くらいだと、ほぼストレートの雰囲気を残したまま軽ーくグルーヴさせることに成功していますね!
グルーヴクオンタイズ
最後に「グルーヴクオンタイズ」についてご紹介します。
グルーヴクオンタイズとは、データに直接グルーヴ感を与えることができるクオンタイズ機能。
さまざまなリズムから抽出したグルーヴをテンプレートとして用いることで、そのノリをMIDIデータに直接反映させることができます。
グルーヴクオンタイズなし
グルーヴクオンタイズ例:ストレート系①
グルーヴクオンタイズ例:ストレート系②
グルーヴクオンタイズ例:シャッフル系
あらかじめ用意されたテンプレートを用いるほか、実際の楽曲やオーディオファイルからグルーヴを抽出して適用するといった上級テニクニックもあります。
その方法については、各DAWごとに手順が異なるかと思いますので、詳しくはお使いのDAWのマニュアルをご覧ください。
まとめ
というわけで、DTMに必要なMIDI基礎知識のうち「クオンタイズ」について詳しく解説しました。
クオンタイズの真骨頂は、グルーヴのコントロールにあります。
ただ揃えるだけでなく、適切なノリをデータに付与することで、より生き生きとした演奏表現が可能になりますので、ぜひいろいろと試してみてくださいね!
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