木管楽器の楽器法①:フルート&ピッコロの構造、音域、特徴を理解しよう!
こんにちは、OTOxNOMA認定講師・作曲家の吉岡竜汰です。
今日からは、オーケストラを構成する楽器の「楽器法」について解説していきます。
まずは、木管セクションの最高音域を担当するフルート・ピッコロから学んでいきましょう!
- フルート・ピッコロの概要
- 楽器の構造と発音の仕組み
- 音域と音色
- 得意なフレーズ、苦手なフレーズ
楽器についての理解をふかめることは、説得力のあるオーケストレーションを行うために欠かせません。
フルート・ピッコロがどのような仕組みで演奏され、どんな特徴を持っているのか?
しっかりと学んでいきましょう!
木管楽器の楽器法①:フルート&ピッコロの構造、音域、特徴を理解しよう!
フルート・ピッコロの概要
フルートはオーケストラの高音域を担当する木管楽器です。
高音域における輝かしい音色、そして低音域~中音域にかけての甘く優しい音色が魅力。
また、ピッコロはフルートの持ち替え楽器としてさらなる高音を担当します。
フルートを小型化したような外見で、音域はフルートのほぼ1オクターブ上となっています。
フルートよりもさらに透明感・輝かしさに満ちたサウンドが特徴です。
可愛い見た目と裏腹に息の消費も多く、意外にも演奏はハードな楽器です。
持ち替え楽器について
持ち替えとは、各パートの同族楽器(構造は似ているが音域が異なる楽器など)に持ち替えて演奏を行うこと。
例えば、フルートの持ち替え楽器はピッコロ、オーボエの持ち替え楽器はイングリッシュホルンになります。
持ち替えは原則として基本的に2ndパートのプレイヤーが担当することが多いです。
楽曲の中でピッコロが必要になった場合は、2ndフルート奏者がピッコロに持ち替えて演奏するという具合ですね。
【持ち替え楽器の例】
- フルート → ピッコロ or アルトフルート
- オーボエ → イングリッシュホルン
- クラリネット → バスクラリネット or ソプラニーノクラリネット
- バスーン → コントラバスーン
フルート&ピッコロの音色を聞いてみよう
フルート
ピッコロ
楽器の構造と発音の仕組み
次に、フルートやピッコロの構造と発音の仕組みをみていきましょう。
フルートの構造
フルートは以下の3つのパーツに分かれており、演奏のたびに組み立てて使います。
- 頭部管:発音のための歌口(うたくち)と呼ばれる孔がある部分
- 胴管:演奏のための無数のキーがある部分
- 足部管:いくつかのキーと空気の出口がある端側の部分
ピッコロの構造
ピッコロはフルートに比べて管が短く、頭部管と胴管の2つのみで構成されます。
フルートにはあった足部管がありませんが、キーはすべて胴管についているためフルートと同じ指遣いで演奏することができます。
発音の仕組み
フルートやピッコロでは「エアリード」と呼ばれる仕組みを使って音を発生させます。
ビール瓶をフーフー吹いた経験のある方もいらっしゃると思いますが、あれと同じ原理です。
頭部管にある歌口に唇をそえて反対のフチ(エッジ)に息をぶつけると気流が生まれます。
それが管内で共鳴して音が鳴るという仕組みです。
音域と音色
次に、フルート・ピッコロの音域、そして音域ごとの音色の特徴をみていきましょう。
フルートとピッコロの音域は以下の図のようになっています。
フルートの音域
フルートの音域は案外広いのですがいくつか注意点があります。
まず、低音域~中音域にかけては倍音が少なく他の楽器に埋もれてしまいやすいという特徴があります。
しかしそのサウンドは素朴で美しく、埋もれないよう留意すれば魅力的な音色を披露してくれることでしょう。
一方高音域は明るさと輝かしさに満ちたサウンドでヌケもよく、オーケストラに煌びやかなサウンドを加えてくれます。
ただし、高音域は小さな音量での演奏が難しいため、その点も考慮してダイナミクスを調整しましょう。
ピッコロの音域
ピッコロは高音域以外は滅多に使いません。
というのも、オーケストラでピッコロが必要になるケースはおおよそフルートでは出せないような超高音域が欲しい場合に限られるからです。
ですから、ピッコロの低~中音域を使うことは稀だと考えてよいでしょう。
高音域は分厚いオケの中でもはっきりと抜けて聞こえるほど鋭く輝かしい音ですから、きらびやかなオーケストラサウンドを作りたい場合には欠かせませんね!
得意なフレーズ、苦手なフレーズ
最後にフルート・ピッコロの得意なフレーズと苦手なフレーズをチェックしてみましょう。
得意なフレーズ
フルート・ピッコロの得意なフレーズは以下の通りです。
- 各種スケール
- 同音連打
- 跳躍
- アルペジオ
スケールのような順次進行はサウンドも非常に明瞭でフルート・ピッコロにぴったりなフレーズです。
また、同音連打や跳躍進行、アルペジオなども卒なくこなし、苦手なフレーズの少ない優秀な楽器です。
スケール
同音連打
跳躍
アルペジオ
苦手なフレーズ
今度は苦手なフレーズを見ていきましょう。
先ほど、順次進行や跳躍進行はいずれも得意とお伝えしましたが、指定する音程によっては運指に無理がでることもあり最悪演奏不可能なケースもあります。
とくに、トリル・トレモロなど特定の2音を行き来するフレーズの場合は注意しましょう。
生演奏を想定したアレンジをする際にはフルート奏者さんに事前に確認しておくと安心ですね。
また、極端な強弱表現は苦手です。
フルートやピッコロでは音域による強弱表現の制約が大きく、低音域では強い音、高音域では弱い音の演奏が非常に困難です。
リコーダーを思い浮かべてみてください。
同じ指使いでも息の強さによって音がひっくり返ったり、思ったより低い音が出てしまったりといった経験をされた方ももいらっしゃると思います。
これと同様に、フルート・ピッコロは吹き込む息の強さで音高をコントロールしているため、低音域や高音域など末端の音域では強弱のメリハリがつけにくいのです。
したがって、低音域を強く演奏すること&高音域を弱く演奏することは難しいことを覚えておきましょう。
できる限り強弱をつけて演奏させたいときは、中音域を中心にアレンジするのが鉄則ですね!
まとめ
というわけで、木管楽器の高音域を受け持つフルート・ピッコロの解説をお届けしました。
何かと覚えることが多く尻込みしてしまった方もいらっしゃるかもしれませんがご安心ください。
無理に暗記する必要はなく、忘れてしまったらこの記事を再確認すれば良いだけですからね!
何度も繰り返し学習していくうちに徐々に覚えていけるようになりますので、焦らずじっくりと学んでいただけたら幸いです!
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