アンプシミュレーターの使い方①:アンプシミュレーターの仕組みや構造を理解しよう!
こんにちは、OTOxNOMA認定講師、作曲家の青山シゲルです。
今日は、アンプシミュレーターを使いこなす上でおさえておきたい基礎知識について解説していきます。
- アンプシミュレーターとは?
- アンプシミュレーターのメリット&デメリット
現代のギター&ベースのサウンドメイクには欠かせないものとなったアンプシミュレーター。
そんなアンプシミュレーターについて、その特徴や構造、実機と比較したメリット&デメリットについて詳しく解説していきます。
本カリキュラムを深く理解する上でも欠かすことのできない知識となりますので、楽しく学んでいきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
アンプシミュレーターの使い方①:アンプシミュレーターの仕組みや構造を理解しよう!
アンプシミュレーターとは?
アンプシミュレーターとは、その名の通りアンプの構造や挙動をシミュレートした機材またはソフトウェアのこと。
元来エレクトリックギターを録音する際には、キャビネットの前にマイクを立てて録音するという方法が取られてきました。
しかし、2000年代初頭にLINE6社が発売した「POD」というハードウェア型のアンプシミュレーターの登場によって、ギター録音は新たなステージへと突入していきます。
「POD」は、小型のボディながらもアンプをマイク録りしたようなサウンドが簡単に得られる画期的な製品で、多くのギタリストから注目を集めます。
現在は、ハードウェア型・ソフトウェア型ともにさまざまなメーカーからアンプシミュレーターが発売されており、ハードウェア型ではKemper社の「Profiling Amplifier」やLine6社の「Helix」、ソフトウェア型ではNative Instruments社の「Guitar Rig」やPositive Grid社の「BIAS AMP」などが有名です。
Native Instruments「Guitar Rig 5」
Positive Grid「BIAS AMP」
アンプシミュレーターのメリットとデメリット
アンプがない環境でも簡単にギターサウンドを録音できるアンプシミュレーターは非常に便利なシロモノ。
通常のアンプと比べてどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか?
それぞれ解説していきます。
アンプシミュレーターのメリット
アンプシミュレーターのメリットは以下の5点です。
- 簡単に音作り&録音できる
- プリセットを即座に呼び出せる
- 実機のアンプでは不可能な組み合わせも試せる
- サウンドが劣化しない
- 財布に優しい
■ 簡単に音作り&録音できる
アンプにマイクを立てて録音する場合は、アンプそのもののセッティングはもちろん、マイクのチョイスや位置によってもサウンドに違いが生まれるため、そのセッティングになかなか手間がかかります。
また、ある程度の音量を出さないと録音できませんので、住環境に左右されるというデメリットもありますね。
その点、アンプシミュレーターは即座に音作りや録音を始められるので、作業が非常にラクです。
■ プリセットを即座に呼び出せる
気に入ったセッティングが完成したら、プリセットとして保存しておくことでいつでも瞬時に呼び出して再現することができます。
これもアンプシミュレーターならではのメリットといえるでしょう。
■ 実機のアンプでは不可能な組み合わせも試せる
Marshallのヘッドに、Fender(しかもコンボタイプ)のキャビネットを組み合わせるといった、物理的に不可能な組み合わせを試せることもアンプシミュレーターの魅力です。
これにより、組み合わせ次第で無限のサウンドを作り出せますね!
■ 何個でもエフェクターを繋げられる
実機の場合はエフェクターを多く繋ぎすぎると音が劣化してノイズも増えます。
一方、アンプシミュレーターならばどれだけ繋いでも音が劣化しません。
■ 財布に優しい
実機のアンプやエフェクターをあれこれ試すには、当然その実機を持っていなければ難しいですよね。
これではお金がいくらあってもたりません(笑)。
アンプシミュレーターならば、様々なアンプやエフェクターがパッケージになっていますので、お財布にも優しく経済的です。
アンプシミュレーターのデメリット
良いことばかり書き連ねましたが、やはりデメリットもありますので覚えておきましょう。
アンプシミュレータのデメリットは以下の4点です。
- 音の線が細い、デジタル臭い
- ピッキングニュアンスが出しにくい
- ボリューム操作を反映しにくい
- レイテンシーがある
シミュレーターはとても手軽ではありますが、残念ながら上記の点で実機にはかないません。
とはいえ、技術は年々進歩しており、昔では考えられないくらいリアルなサウンドを出す機種も登場しています。
これらデメリットを理解した上で上手に使いこなして貰えれば幸いです。
■ 音の線が細い、デジタル臭い
アンプシミュレーターに限らずあらゆる機材にいえることですが、実機に比べてシミュレーターは音の線が細く、デジタル特有の硬く淡白なサウンドになりがち。
実機ならではの太さや温かみは、シミュレーターには出しにくいことを覚えておきましょう。
■ ピッキングニュアンスが出しにくい
実機のアンプの場合は、ピッキングの強弱による音色の変化がつけやすいという特徴があります。
アンプシミュレーターはその辺りの再現度が低く、ギタリストの演奏を100%アウトプットするのが難しい側面があります。
■ ボリューム操作を反映しにくい
実機のアンプでは、ボリューム操作で歪み量や音色をコントロールしやすいもの。
アンプシミュレーターでも同様の調整は可能ですが、実機に比べてサウンドの変化が反映させにくくなっています。
■ レイテンシーがある
こちらもアンプシミュレーターに限らずあらゆるソフトウェアプラグインで共通する問題ですが、実際の演奏よりも若干音が遅れて聞こえてしまうため演奏しにくいというデメリットがあります。
まとめ
というわけで、アンプシミュレーターの基礎知識をお届けしました。
現代におけるギター&ベースのサウンドメイクにおいて欠かせない存在となったアンプシミュレーター。
複雑で難解な一面もありますが、今日ご紹介したことを参考に使いこなせるようになっていただければ幸いです。
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