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2つの特殊なコードワーク、ペダルポイントとコンスタントストラクチャーを理解しよう!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、これまでご紹介してきたテクニックとは違ったアプローチをもつ「2つの特殊なコードワーク」をご紹介します。

  • ペダルポイント
  • コンスタントストラクチャー

名称こそ聞きなれないかもしれませんが、いずれもコードのテクニックとしてはメジャーなもの。

そのサウンドは、あなたも一度は聞いたことのあるものばかりかと思います。

これまでに学んできたコード理論のテクニックにプラスしてご活用いただければ幸いです!

 

特殊なコードワーク①:ペダルポイント

特殊なコードワーク①:ペダルポイント

ペダルポイントとは?

ペダルポイントとは、コードの遷移にかかわらず定の音程を持続しつづける声部を持つ進行のことを指します。

最もメジャーな用法としては、以下の譜例のようにベース音を保続させるテクニックで「ベースペダル」といいます。

「ペダル」という名称の由来は、オルガンの演奏方法から来てます。

オルガンには、手で演奏する通常の鍵盤のほか、足を使って演奏する低音専用の鍵盤(ペダル)があります。

この「ペダル」を使ったオルガンの演奏スタイルが元となって「ペダルポイント」と呼ばれるようになったわけですね。

【参考】上記の理由から、クラシックでは「オルガンポイント(英)」「オルゲルプンクト(独)」などと呼ぶこともあります。

■インテリアポイントとソプラノポイント

通常のペダルポイントは、前述の通りベース音を保続するのが基本となりますが、

  • 内声を保続する「インテリアポイント」
  • ソプラノを保続する「ソプラノポイント」

という奏法もあります。

必要に応じて取り入れてみると良いでしょう!

インテリアポイント

ソプラノポイント

 

特殊なコードワーク②:コンスタントストラクチャー

特殊なコードワーク②:コンスタントストラクチャー

コンスタントストラクチャーとは?

コンスタントストラクチャーとは、同種のコードを異なるルートで連続させる和声技法のこと。

例として、以下の譜例をご覧ください。

コンスタントストラクチャー

ツーファイブの挟みこみ

上段の譜例ではメジャーセブンスコードを連続させていますが、このような進行をコンスタントストラクチャー(一定の構造)と呼ぶわけです。

また、下段の譜例のようにツーファイブを挟み込むこともできます。

メジャーセブンス以外にも、マイナーセブンスやドミナントセブンスなど、様々なコードでコンスタントストラクチャーを作ることができますので、色々試してみてください。

マルチトニックシステム

コンスタントストラクチャーの中でも、連続するコードのルートが一定のインターバルで推移しながら循環するものを「マルチトニックシステム」と呼びます。

例えば、以下のようなケースです。

マルチトニックシステム

ツーファイブの挟みこみ

上記の例では、メジャーセブンスコードが短三度上行を続けながら、また元のキー(Cmaj7)へと戻ってきます。

このようなマルチトニックシステムでは、一時的に異なるキーに転調するものの、常に一定の周期で元のキーへ戻ってくることから調性感を損ないにくいという特徴があります。

また、通常のコンスタントストラクチャー同様、ツーファイブを付け加えることも可能です。

■5種類のマルチトニックシステム

マルチトニックシステムは、1オクターヴを何度のコンスタントストラクチャーで分割するかによって、いくつかの種類があります。

2トニックシステム

1オクターヴを増四度(減五度)で2等分したマルチトニックシステムです。

3トニックシステム

1オクターヴを長三度で3等分したマルチトニックシステムです。

4トニックシステム

1オクターヴを短三度で4等分したマルチトニックシステムです。

6トニックシステム

1オクターヴを長二度で6等分したマルチトニックシステムです。

12トニックシステム

1オクターヴを短二度で12等分したマルチトニックシステムです。

コンティギュアスモーション

コンティギュアスモーションは、コンスタントストラクチャーのうち、以下の特徴を持つものを指します。

  1. ドミナントセブンスコードの連続である
  2. ルートの動きが「半音上行」「全音上行」「短三度上行」「長三度下行」のいずれかである

ドミナントの連続といえば、エクステンデッドドミナントが連想されますが、あちらは正真正銘「ドミナント」として後続の和音に接続されていたのに対し、コンティギュアスモーションはドミナント正規の進行を無視した連結が特徴です。

以下の譜例をご覧ください。

コンティギュアスモーション

ツーファイブ化

上段の譜例では、V7を起点としながら、ドミナントが全音上行で連続した上で、最終的に別なキーへ転調しています。

このように、コンティギュアスモーションを使用した転調も非常に有効です。

また、当然ながらコンティギュアスモーションもツーファイブ化することができます。

 

まとめ

というわけで、特殊なコードワークとして「ペダルポイント」「コンスタントストラクチャー」の2つをご紹介しました。

今日ご紹介した2つの技法は、そこまで頻繁に使用するものではないかもしれませんが、知っておくだけでコード進行のバリエーションを豊かにしてくれます。

楽曲に効果的に取り入れることで、普段とはひとあじ違ったサウンドを紡ぎ出すことができると思いますので、ぜひご活用ください!

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