ギターの基礎知識④:ギターの主な奏法とアーティキュレーションを理解しよう!
こんにちは、OTOxNOMA認定講師、作曲家の青山シゲルです。
今日は、ギターの奏法・アーティキュレーションについて解説していきます。
- ピック弾き
- 指弾き
- アーティキュレーション
- チョーキング
- その他の奏法
ギターにはじつにさまざまな奏法があり、これらを理解することでギターらしい表現が可能になります。
打込みでリアルなギターサウンドを実現する際にも役立ちますので、しっかり学習していきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
ギターの基礎知識④:ギターの主な奏法とアーティキュレーションを理解しよう!
ピック弾き
右手で弦を弾くことを「ピッキング」といいます。
その際、三角形の「フラットピック」と呼ばれる道具を用いてピッキングすることを「ピック弾き」あるいは「ピック奏法」と呼びます。
フォークギターでは主にコードストロークやメロディの演奏に、エレクトリックギターではほぼ全般でピック弾きが用いられます。
後述する「指弾き」に比べ、アタックのハッキリした明るい音色が特徴です。
アコギ ピック弾きサウンド
エレキ ピック弾きサウンド
ピック弾きには以下の3種類の方法があります。
- ダウンピッキング
- アップピッキング
- オルタネイトピッキング
ダウンピッキング
上から下に向けてピッキングすることを「ダウンピッキング」と呼びます。
多くのリズムでは表拍をダウンピッキングで演奏します。
アップピッキング
下から上に向けてピッキングすることを「アップピッキング」と呼びます。
多くのリズムでは裏拍をアップピッキングで演奏します。
オルタネイトピッキング
ダウン・アップを交互に繰り返してピッキングすることを「オルタネイトピッキング」と呼びます。
さまざまなリズムでのバッキングやカッティング、メロディを奏でるリードなど、あらゆる場面でこのテクニックが用いられます。
オルタネイトピッキング
指弾き
フラットピックを用いず指で直接ピッキングすることを「フィンガーピッキング」といいます。
日本語では、フィンガーピッキングのことを「指弾き」と呼ぶことが多いですね。
クラシックギター ではほぼ全般で、フォークギターでは主にアルペジオなどで、エレクトリックギターではジャズやカントリーなどアコースティック寄りの楽曲の一部で指弾きが用いられます。
ピック弾きに比べ、アタックの柔らかい丸みのある音色が特徴です。
ただし、この音色をクリアにするために、フィンガーピックと呼ばれる指に直接はめるタイプのピックを使って演奏することもあり、その場合はピック弾き同様明るくハッキリした音が出せます。
ラグタイムやアコースティックブルースなど、軽快なサウンドが求められる楽曲においてはフィンガーピックを使うことも多いです。
アコギ 指弾き サウンド
アコギ 指弾き(フィンガーピック)サウンド
エレキ 指弾き サウンド
ギターのアーティキュレーション
ギターにはさまざまなアーティキュレーションがあります。
中でも基本となるアーティキュレーションは以下の6つです。
- ハンマリング・オン
- プリング・オフ
- トリル
- スライド
- グリッサンド
- ビブラート
表情豊かな演奏には不可欠ですので是非覚えておきましょう!
主なアーティキュレーション
1. ハンマリングオン
左手でハンマー(金槌)を叩くように素早く弦を押さえて音を出すことを「ハンマリング・オン」といいます。
(略して「ハンマリング」ともいいます。)
ピッキングで弾くよりもより滑らかな音が出せます。
2. プリングオフ
ハンマリングとは逆に、既に押さえている左手の指を弦に引っ掛けて(=PULL)音を出すことを「プリング・オフ」といいます。
(略して「プリング」ともいいます。)
ピッキングで弾くよりもより滑らかな音が出せます。
3. トリル
ハンマリングとプリングを交互に繰り返すことで、音を持続させる演奏法を「トリル」といいます。
半音差や1音差、1音半差などで使います。
また、開放弦からの「トリル」もよく使います。
独特の緊張感のある持続音を表現できます。
4. スライド
ある音からある音へ素早く指を移動することで音程変化を表現することを「スライド」といいます。
低い音から高い音へ上昇する「スライドアップ」、逆に高い音から低い音へ加工する「スライドダウン」があります。
ピッキングで弾くよりもより滑らかな音が出せます。
5. グリッサンド
開始音や到達音が決まっている「スライド」に対し、それらが明確に決まっていない場合を「グリッサンド」といいます。
スライドがメロディ内で使われること多いのに対し、グリッサンドはより効果音的に使われることが多くなります。
6. ビブラート
一般的なビブラート同様、音程を揺らすテクニックです。
後述のチョーキングとチョークダウンを繰り返す方法と、左手の指を左右に揺らして音程変化させる方法があります。
前者はロックやポップスで、後者はクラシックやジャズで比較的よく使われます。
また、後述するチョーキングで音程アップした状態を維持しながらビブラートをかける事を「チョーキングビブラート」と言います。
チョーキング
チョーキングとは、左指で弦を押し上げる(または引き下げる)ことで弦の張力を上げ音程の変化を得る奏法です。
別名「ベンディング」ともいって、とくにエレキギターの演奏には必須テクニック。
変化させる音程や求める効果によって様々な種類があります。
- チョーキング
- 半音チョーキング
- 1音半チョーキング
- クォーター・チョーキング
- チョーク・アップ/ダウン
- ダブル・チョーキング
- ハーモナイズド・チョーキング
チョーキング
7. チョーキング
音程を全音アップさせるチョーキングです。
エレクトリックギター 、とくにブルース~ロック系で頻繁に使われるテクニックで、太い弦を使うジャズや、フォークギターでは使用頻度が減ります。
8. 半音チョーキング
音程を半音アップさせるチョーキングです。
9. 1音半チョーキング
音程を1音半アップさせるチョーキングです。
10. クォーター・チョーキング
音程を1/4音アップさせるチョーキングです。
11. チョーク・アップ/ダウン
チョーキングで音程が上がった状態でピッキングすることを「チョーク・アップ」、ピッキング後に通常音に戻すことを「チョークダウン」といいます。
12. ダブル・チョーキング
全音分の音程差がある2本の弦を同時にピッキングしたあと、低い方をチョーキングして高い方と同じ音程までアップさせることでユニゾンさせるテクニックです。
別名「ユニゾンチョーキング」ともいい、独特のうねりのあるサウンドを得ることができます。
■ 13. ハーモナイズド・チョーキング
一度に2本の弦をピッキングしながらチョーキングして、和音を演奏しながらチョーキングするテクニックです。
その他の奏法
ここからは、その他の奏法について解説していきます。
- ハーモニクス
- ピッキング・ハーモニクス
- ブリッジ・ミュート
- ライトハンド(タッピング)
- ブラッシング
- アーミング
- ピック・スクラッチ
- トレモロ
それぞれギターらしい特徴的な奏法ですので押さえておきましょう!
■ 14. ハーモニクス
12、7、5フレットなど倍音の出るポイントに指を軽く当ててピッキングすると弦の倍音のみを鳴らすことができます。
これを「ハーモニクス」といい、実音よりかなり高い音程、かつサスティンの長い独特のサウンドが出せます。
■ 15. ピッキング・ハーモニクス
実音をピッキングしながら、右手の親指を弦に軽く触れてハーモニクスを発生させるテクニックを「ピッキングハーモニクス」といいます。
強く歪ませたサウンドの方が倍音を出しやすいため、ロック~ハードロック、メタル系でよく使われます。
■ 16. ブリッジ・ミュート
エレクトリックギターでピッキングする際にブリッジ近くの弦に右手を乗せ、余韻をミュートしながら演奏するテクニックが「ブリッジミュート」です。
右手の乗せる位置によっては弦の振動を止めてしまい、音が鳴らなくなるため注意が必要です。
ロック系のギターリフではブリッジミュートされた音とされてない音を混在させてリズムを刻む奏法がよく使われます。
■ 17. ライトハンド(タッピング)
左手のみではなく右手の指も加えてハンマリングやプリング、トリルを行うテクニックを「ライトハンド」または「タッピング」と呼びます。
左手のみで行うよりも高速で複雑なフレーズが実現可能です。
70年代後半以降にエディ・ヴァン・ヘイレンを筆頭とするハードロック系のテクニカルギタリストの間で大流行しました。
それまでのロックギターでは不可能と思われる高度なフレーズを難なく繰り出すこの奏法はロックギターに革命を起こしたと言えます。
■ 18. ブラッシング
左手で弦をミュート(消音)した状態で弦をピッキングして「ポコッ」とした音程感のない音を鳴らすことを「ブラッシング」と言います。
ブラッシングと実音を組み合わせてリズミカルに演奏するテクニックは「カッティング」と呼ばれ、さまざまなジャンルで多用されています。
ブラッシング音と実音の切り替えは左手のミュートテクニックにかかっていて、右手は常に一定のリズムを刻み続けるのが特徴です。
■ 19. アーミング
アームを用いて音程の変化を得ることを「アーミング」といいます。
Fender社のストラトキャスターなど、アームがついているエレクトリックギターでのみ使用可能なテクニックです。
音を弾いた後にアームバーを操作することでビブラートをかけたり音程を下げたりすることが出来ます。
(セッティングを工夫すれば音程を上げることも可能。)
チョーキングでは不可能な下げ方向の音程変化をつけることが出来ますので、独特のニュアンスを持つ表現が可能です。
■ 20. ピック・スクラッチ
低音弦の巻線に対してピックが垂直になるように当て、弦上を擦ってノイズを出すテクニックを「ピック・スクラッチ」といいます。
とくにロック系の歪ませたサウンドで効果音的に使われます。
■ 21. トレモロ
オルタネイトピッキングを高速で繰り返して持続音を奏でるテクニックを「トレモロ」といいます。
ギターは減衰楽器ですので何もしないと音が消えていきますが「トレモロ」を使うことで音を伸ばすことができます。
マンドリンなどの弦楽器で多用されるテクニックでもあり、民族楽器っぽいアプローチにも使えます。
まとめ
というわけで、ギターの奏法・アーティキュレーションについて詳しく解説しました。
たくさんのテクニックをご紹介しましたが、それぞれのサウンドはお分かりいただけましたか?
ギタリストはこれらのテクニックを用いて演奏に表情をつけたり自身の個性を打ち出したりしています。
ギターらしい演奏を再現するためにも、今日ご紹介したテクニックを理解した上でアレンジに取り入れていただければ幸いです。
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