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金管楽器の楽器法②:トランペットの構造、音域、特徴を理解しよう!

こんにちは、OTOxNOMA認定講師・作曲家の吉岡竜汰です。

今日は、金管セクションの高音パートを担当するトランペットについて解説していきます。

  • トランペットの概要
  • 楽器の構造と発音の仕組み
  • 音域と音色
  • 得意なフレーズ、苦手なフレーズ

トランペットは、華やかかつパワフルなサウンドでオーケストラを盛り上げてくれる存在。

一方、歌心ある繊細な演奏も可能な表現力バツグンの楽器でもあります。

今日の記事を参考に、その特徴をしっかりと理解していきましょう!

 

金管楽器の楽器法②:トランペットの構造、音域、特徴を理解しよう!

トランペットの概要

トランペットは金管を代表する楽器といっても過言ではないパートです。

輝かしく力強いサウンドは金管の花形と呼ぶにふさわしいものと言えます。

比較的小柄な楽器ながらも、その見た目とは裏腹に凄まじいパワーを秘めています。

その秘密は管の形にあります。

前回ご紹介したホルンは、管の入口から出口にかけて徐々に管の直径が太くなっており、円錐状の形をしています。

一方トランペットは、入り口からベルの直前までほぼ太さが変わりません

試験管のような円筒状の形状をしており、この形が鋭さを生み出す一因になっているのです。

トランペットの音色を聞いてみよう

楽器の構造と発音の仕組み

次に、トランペットの構造と発音の仕組みについて見ていきましょう。

トランペットの構造

サイズや形は違えど、根本的な構造や仕組みはホルンに似ています。

マウスピースを差し込む入り口部分から伸ばした管を1周半くらい曲げたその先にベルがあります。

その途中に、管の長さを調整するためのピストンバルブと、それに付随する抜き差し管が取り付けられている形です。

ピストンバルブの用途は、ホルンで用いられていたロータリーと同じ。

つまり、音程を変えるためのものですね。

ピストンを押し込むことで管の回路が変わり(=管の長さが変わり)、音程を変化させることができます。

トランペットにはピストンバルブをもつ「ピストンバルブ式トランペット」と、ロータリーバルブを持つ「ロータリーバルブ式トランペット」との2種類存在します。前者はジャンルを問わず幅広く用いられますが、後者はより重厚な響きがすることからクラシック系プレイヤーに好まれます。

発音の仕組み

発音の仕組み自体はホルンと全く同じ。

マウスピースに唇を当てて振動させ、それを管内で共鳴させて音を出します。

その状態で、ピストンを操作して音程を変えることで演奏するわけです。

音域と音色

次に、トランペットの音域とそれに伴う音色の特徴をご紹介します。

トランペットの音域

やはり中音域が最も自然なサウンドで、柔らかいピアノから強烈なフォルテッシモまで多彩な表現が可能な音域となります。

低音域はややくぐもった輪郭の乏しい音色で、トランペットとしてはあまり出番のない音域です。

トロンボーンの音域と被るのでそちらに任せた方が良いでしょう。

逆に、高音域は非常に鋭く、抜けの良さと輝かしさを持った音色ではあるのですが、相当な音量が出るのであっさり他の楽器をかき消してしまう恐れもあります。

十分注意して使いましょう。

ちなみに、掲載している音域を上回る超ハイトーンも出せますが、それは一種の名人芸のようなもので誰しもが出せるとは限りません。

基本は上図の音域内に止めておく方が無難です。

トランペットの記譜

トランペットは基本的に「in Bb」で記譜される移調楽器です。

しかし、世の中には「C」のキーを持ったトランペットも存在し、そちらは移調なしで記譜されることから、生演奏をお願いする際にはどちらのキーが良いか奏者さんに確認しておきましょう。

ちなみに「Bb管」と「C管」では後者の方が管が短いため、その音色もより鋭くきらびやかな印象になります。

移調楽器については以下の記事をご活用ください。

得意なフレーズ、苦手なフレーズ

最後に、トランペットの得意なフレーズと苦手なフレーズについて見ていきましょう。

得意なフレーズ

トランペットは金管の中でもっとも運動能力の高い楽器で、以下のフレーズをなんでも自由に吹きこなします。

  • レガート(順次進行のもの)
  • テヌート
  • スタッカート
  • 強弱表現

とくに細かいタンギングを伴う歯切れのいいサウンドは金管楽器の中でも群を抜いています。

(ルロイ・アンダーソン作曲『トランペット吹きの休日』などは、まさにそれを体現したフレーズになっていますね。)

一方、強弱表現にも優れており、特に高音域のフォルテッシモのパワーは非常パワフル

派手なオーケストレーションには欠かせない存在といえるでしょう。

ちなみに、ホルンとトランペットそれぞれを同じダイナミクスで演奏させた場合2倍くらいの音量差が出ます。

レガート

テヌート

スタッカート

強弱表現

苦手なフレーズ

続いて、苦手なフレーズを見てみましょう。

ホルン同様、スラーを伴う大きな跳躍は苦手

金管楽器では、跳躍進行の際に目的の音に到達するまでいくつかの倍音を飛び越えなければならないケースがあり、正確に音を当てるのが難しいのです。

ただし、タンギングをして音を区切る場合は難易度はグッと下がります。

 

また、トリルでの演奏は比較的得意ではあるものの、運指の問題で難しい場合もあるので注意しておきましょう。

とくにD3以下の低い音域では注意が必要です。

生演奏を想定したアレンジの際には奏者さんに確認を取るのが間違いないでしょう!

まとめ

というわけで、トランペットについて詳しく解説しました。

この楽器が加わるだけで、いっそう輝かしく華やかなオーケストラサウンドが作れます。

音量バランスなど注意が必要な点も多いですが、そちらは以後の解説記事でしっかり対処法をお伝えしておきますのでご安心くださいね!

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