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オーケストラの楽譜制作③:演奏者に優しいパート譜作りのポイントを理解しよう!

こんにちは、OTOxNOMA認定講師・作曲家の吉岡竜汰です。

長かったオーケストレーションの解説記事も今回でいよいよ最後!

最終回は、各演奏者が個別に見るパート譜制作について解説をしていきます。

  • パート譜の特徴
  • パート譜作りで一番大切なこと
  • レイアウトのポイント3選

パート譜とはどんなものなのか?

パート譜を作る際にどのようなことに気をつければ良いのか?

などなど、奏者さんとの意思疎通をスムーズにし、素晴らしい演奏を引き出すために必要な各種ポイントを解説していきます。

ぜひご活用ください!

 

オーケストラの楽譜制作③:演奏者に優しいパート譜作りのポイントを理解しよう!

オーケストラの楽譜制作③:演奏者に優しいパート譜作りのポイントを理解しよう!

パート譜の特徴

楽曲を構成する全てのパートが記載されたフルスコアに対して、特定の1パートだけを抜き出した楽譜がパート譜です。

個々の奏者が実際に演奏を行う際に使用するもので、よりスムーズな演奏を行うための工夫が施されています。

パート譜の主な特徴は以下の3点です。

  • 原則として1パートにつき1パート譜
  • 2小節以上の休みはまとめて表記(マルチレスト)
  • フルスコアに書かれた速度記号(+発想記号)はパート譜にも書く

※全てのパート譜が必ずこれらの特徴を持っているわけではありませんが、概ね上記のような特徴がありますので覚えておきましょう。

■ 原則として1パートにつき1パート譜

1つのパートにつき1つのパート譜が作られます。

これにより、奏者自身が演奏するパート以外の情報を省き、演奏に集中することができます。

また、フルスコアでは1段にまとめられていた1st&2ndホルン、3rd&4thホルンなども、パート譜にする場合は別個に作成するのが丁寧で良いでしょう。

(まとめたままのパート譜も存在します。)

■ 2小節以上の休みはまとめて表記(マルチレスト)

オーケストラを構成するそれぞれの楽器が、楽曲を通して休みなく演奏し続けることはマレです。

したがって、多くの場合どこかしらに2小節以上の長い休みが挿入されることになります。

このような長い休みをまとめて表記する方法が「マルチレスト」です。

マルチレストを使うことで、何小節休みなのかがわかりやすくなるため非常に重宝します。

なお、マルチレストの最中にリハーサルマークやリピート記号、速度の変更などが発生する場合は、その情報が欠落しないようマルチレストを切り分けて表記するのが鉄則です。

■ フルスコアに書かれた速度記号(+発想記号)はパート譜にも書く

フルスコアでは、楽曲のテンポを表す速度記号や発想記号はスコアの最上段にのみ記載されます。

全段に同じ情報を書いてしまうと情報量が多くなり視認性が悪くなるためですね。

(加えて、ストリングスセクションの最上段にも書かれることもあります。)

パート譜の場合、これらの情報は全パートに転記します。

速度記号や発想記号は演奏するのに欠かすことのできない情報。

奏者さんにその意図が正しく伝わるよう、全てのパート譜に記載しておくのが鉄則です。

パート譜作りで一番大切なこと

パート譜作りにおいて最も大切なことは、とにもかくにも「奏者ファースト」を心がけることです。

美しく読みやすい、快適に演奏できるようなパート譜を作ることこそが最重要ポイントです。

そんな当たり前のことか・・・。

と侮ってはいけません。

楽譜が読みにくいばかりに奏者さんのポテンシャルを引き出せず、演奏会やレコーディングが失敗に終わってしまったということも決して少なくないのです。

1段ごとの小節数、譜めくりを意識した休符の位置など、細かい点に留意しながら作成していきましょう。

ここからご紹介するレイアウトのテクニックについても、全てこのポリシーをベースに解説していきますので、ぜひ念頭においておいてくださいね。

レイアウトのポイント3選

それでは、奏者ファーストの精神を持ってパート譜のレイアウトを考えていきましょう。

レイアウトの際に意識したいポイントは以下の3点です。

  • 各段の小節数は極力統一する
  • 譜めくりを意識して休符の位置を調整する
  • 1段ごとに小節番号を記載する

■ 各段の小節数は極力統一する

譜面各段の小節数は可能な限り統一しましょう。

多くの楽曲は、4小節・8小節・16小節など4の倍数単位で楽曲が構成されているため、1段にまとめる小節数は4小節がオススメです。

これにより、同じリズム感で譜面を読み進めていくことができるため、格段に譜読みが楽になります。

また、1段に収まる小節数として4小節が最もバランスが良く、見た目が美しくなりやすいという側面もあります。

楽曲によっては4小節単位で区切ることが難しい場合もありますが、その際は一時的に3小節や5小節の段を作っても構いません。

小節ごとの音数が多く窮屈に見える場合は1段を2小節でまとめることもあります。

あくまで目的は「美しく読みやすい譜面を作ること」

4小節にこだわりすぎて本来の意味を見失わないよう注意してくださいね。

■ 譜めくりを意識して休符の位置を調整する

パート譜のページ数が3ページ以上にわたる場合、演奏の途中で譜めくりを行う必要が出てきます。

演奏をしながら同時に譜めくりを行うのは至難の技ですから、譜めくりが発生するタイミング(またはその直前)に長めの休符が来るようレイアウトを調整しましょう。

多くの場合、見開きの最後の小節に長めの休みがくるよう調整するとよいでしょう。

アレンジ上どうしても休符が用意できない場合でも、極力譜めくりをしやすい配置になるよう心がけます。

この配慮は、パートごとの奏者が1人ずつしかいない管楽器セクションにおいて必須と考えておきましょう。

弦楽器については、同一プルト(1個の譜面台を共有して演奏する2人のこと)のうち片方の奏者が演奏をやめて譜めくりをすることも可能ですが、可能な限り演奏を止めずに譜めくりできるようなレイアウトを検討するのが親切ですね。

■ 1段ごとに小節番号を記載する

小節番号を1段ごとに記載しておくのも、スムーズな演奏を助けてくれます。

リハーサルマークだけでなく小節番号も明記しておくことで、練習やレコーディングの際の意思疎通が各段にスピードアップします。

そのため、一定区間ごとに小節番号を記載しておくことをオススメします。

場合によっては毎小節ごとに書いてもいいくらいですが、それを邪魔だと感じる人もいますので状況に応じて確認・判断するのがいいでしょう。

まとめ

というわけで、パート譜制作のポイントについて詳しく解説しました。

とにもかくにも、奏者さんが気持ちよく演奏できるような見やすい譜面を作ることが、イメージ通りの演奏をしてもらうためにとても大事なことでしたね。

今日ご紹介したテクニックをしっかり盛り込んで、奏者さんに喜ばれる美しい譜面作りを心がけていきましょう!

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