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木管アンサンブル①:個性豊かな楽器たちをまとめる木管アンサンブルの基本!

こんにちは、OTOxNOMA認定講師・作曲家の吉岡竜汰です。

今日から2回にわたって、木管アンサンブルの実践テクニックを解説していきます。

まずは、アンサンブルの基本と楽器の重ね方について解説。

  • アンサンブルとは?
  • アンサンブルにおける各楽器の特徴
  • 楽器の重ね方3種のテクニック

音色の異なる4種の木管楽器を自然に重ねるにはどうすれば良いのか?

そのために抑えておきたい基礎テクニックをバッチリ解説していきます。

木管のみならず、管楽器全体・オーケストラ全体にも応用できる手法ですのでしっかりとマスターしていきましょう!

 

個性豊かな木管のサウンドをまとめる木管アンサンブルの基本を学ぼう!

木管アンサンブル①:個性豊かな楽器たちをまとめる木管アンサンブルの基本!

アンサンブルとは?

まずは、「アンサンブル」という言葉について理解しておきましょう。

アンサンブルとは2人以上での合奏を指す言葉ですが、特定のシーンにおいては個別の意味合いを持つことがあります。

ことオーケストラにおいては、オーケストラの中の一部分のみで演奏を行うことをアンサンブルと呼ぶことがあります。

例えば、以下のような形です。

【オーケストラにおけるアンサンブルの例】

  • 同じセクションに属する楽器群
  • 同じフレーズを演奏する楽器群
  • 同じリズムを演奏する楽器群

オーケストラの合奏では、「ここのアンサンブルをしっかり合わせよう」などと指示するのに用いられるわけですね。

以後、本カリキュラムでは「アンサンブル」という言葉を上記の意味合いで使用していきますので、頭の片隅に入れておいてください。

アンサンブルにおける各楽器の特徴

ストリングスや金管楽器に比べて、木管楽器は個々の音色に強い個性を持つものが多く、それらをまとめるには慣れが必要です。

それぞれの音色がかけ離れている場合、仮に同じ音量で演奏しても特定のパートが浮いて聞こえてしまったり、逆に埋もれて聞こえてしまったりなど、問題が生じることが多々あるのです。

また、使用する音域によっても音色が変わるため、よほど気をつけておかないとバランスが崩れてしまいます。

そこで、まずは各楽器のアンサンブルにおける特性をを学んでいきましょう。

■ フルート

高音域ではきらびやかなサウンドでヌケ良く聞こえます。

その分、アンサンブルにおいては必要以上に目立ってしまうことも。

また、中音域以下はとても埋もれやすいのが特徴です。

他の楽器の音に隠れて聞こえにくくなる(=マスキングされる)傾向が強いですが、逆にいえば馴染みの良い音でもあります。

■ オーボエ

豊かな倍音を持った楽器で、非常にはっきりとしたサウンド。

したがって、よほど音量差がない限り他のパートに埋もれることはありません。

この特徴はメロディを奏でるには最高なのですが、他のパートとハーモニーを組む場合などは注意が必要

十分に配慮しないとオーボエだけ浮いてしまうことも珍しくありません。

■ クラリネット

バランスのいい音色で木管同士であればどの楽器とも馴染ませやすい楽器です。

クラリネットは奇数倍音が強く出る性質を持っています。

この性質上、低音域の音ほど倍音同士の間隔が広くなり、ややくぐもった、どこか虚ろな印象のサウンドになります。

逆に、倍音の密度が高まる高音域では明るいニュアンスの音色へと変わっていくというわけです。

これが、「シャリュモー」「クラリーノ」といった音色の違いに表れてきます。

■ バスーン

バスーンはその特殊な構造の関係で、音の周波数特性も特殊なものとなっています。

中でも低音域の音は「差音」と呼ばれる特殊な現象を利用して発音しているのですが、これを解説し始めるとかなりマニアックな内容になってきますので、ひとまず現段階では以前もご紹介した音域ごとの特徴を意識しておきましょう。

ベースをはっきりと聴かせたいならば、固くしっかりしたサウンドの低音域を。

他の楽器とよく馴染ませたいのであればまろやかなサウンドの中音域を使うと良いですね。

楽器の重ね方3種のテクニック

ここからは楽器同士の重ね方に関するお作法を学んでいきます。

基本となるのは、以下の3つのテクニックです。

  • 堆積法
  • 交叉法
  • 重複法

それぞれ、その構造とメリット・デメリットについて解説していきます。

■ 堆積法

音域順に楽器を重ねていくだけのシンプルな方法です。

メリット・デメリットは以下の通り。

  • メリット = 楽器それぞれの音色がはっきりと聞こえやすい。
  • デメリット = 楽器同士の音色がなじみにくく浮きやすい。

各楽器が明確にすみ分けられているため、それぞれの音色をはっきりと聞かせたい場合には採用すると良いでしょう。

反面、どうしても馴染みは悪くなってしまうので、ハーモニーなど一体感が欲しい場合は不向きです。

堆積法で和音を演奏した例

■ 交叉法

それぞれの楽器の音色を馴染ませるために、ミルフィーユ状に交互に重ねる手法です。

メリット・デメリットは以下の通りとなります。

  • メリット = 楽器同士の音色が馴染みやすくバランスを取りやすい。
  • デメリット = 音域に無理が生じるパートが出てくることも。

異なる楽器同士を交互に重ねるため、音色の馴染みがとてもよくなります

一方デメリットに関しては、それぞれの楽器の音域に注意を払いながらボイシングすればさして大きな問題にはなりません。

オーケストレーションをする際にもっとも良く使われる常套テクニックですので、ハーモニー形成など一体感が欲しい場合は迷わず採用するくらいでOKです。

交叉法で和音を演奏した例

■ 重複法

一部の音に複数のパートを重ねて強調する手法です。

特定の音やフレーズをよく聴かせたい・輪郭を出したい時などに使われます。

メリット・デメリットは以下の通りとなります。

  • メリット = 目立たせたいラインとそうでないラインを明確にできる。
  • デメリット = イメージを明確に持った上で使わないと期待した効果が得にくい。

基本はメロディラインやベースラインを強調する目的で使用する認識でよいと思います。

重複法で和音を演奏した例

まとめ

というわけで、木管アンサンブル前編としてアンサンブルにおける各楽器の特徴と楽器の重ね方について解説しました。

とくに、音の重ね方についてはどの楽器をどの位置にあてがうかでサウンドも全く変わってきます。

とても面白い分野でもありますので、各楽器の特徴を意識しつつ、さまざまな組み合わせを楽しんでいただければ幸いです。

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