スコアにパート譜にマスターリズム譜!レコーディングに使う楽譜ってどんなもの?
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、レコーディング時に使用する楽譜について解説していきます。
- レコーディングで使用する楽譜の種類
- プレイヤーさんに渡す楽譜の選定基準
- マスターリズム譜で演奏してもらう際の注意点
楽譜というのは、作曲家とプレイヤーさんとの意思疎通をはかる上で欠かせない資料。
ぼくら作曲家が、最終的にどのような音楽に仕上げたいと思っているのか?
その意図をプレイヤーさんに正しく理解してもらうためにも、楽譜の存在はとっても重要なんです。
楽譜の出来がレコーディングの成否に大きく関わっていくといっても過言ではありませんので、その概要をしっかり理解していきましょう!
スコアにパート譜にマスターリズム譜!レコーディングに使う楽譜ってどんなもの?
レコーディングで使用する楽譜の種類
ひとくちに楽譜といっても、その用途に応じていろんな種類があります。
- スコア
- パート譜
- マスターリズム譜
ひとつひとつ見ていきましょう!
1)スコア
収録する楽器全て(または楽曲に含まれる全パート)をまとめた楽譜のこと。
別名「総譜」とも呼ばれ、楽曲全体の構造や、各パートの絡みを一度に把握することができます。
作曲家や指揮者、ディレクター、エンジニアさんが見ているのはこの楽譜ですね!
2)パート譜
スコアの中から、特定のパートのみを抜き出した楽譜。
1つのパートの情報だけが書かれているため、シンプルに”見やすい”です。
プレイヤーさんはこの楽譜をみながら演奏することになります。
3)マスターリズム譜
楽曲全体の構成とコードや大事なキメなど、大まかな約束ごとだけを記したシンプルな楽譜。
ほぼ白紙なので、プレイヤーさんが自由にフレーズを書き込むことができます。
主に、ギタリストさんやドラマーさんなど、バンド楽器のプレイヤーさんが好んで使う場合が多いです。
プレイヤーさんに渡す楽譜の選定基準
先ほどご紹介した3種の楽譜のうち、プレイヤーさんが見るのは「パート譜」「マスターリズム譜」のいずれか。
どちらの楽譜を渡すべきかは、収録する楽器や編成、楽曲のスタイルによって大きく変わってきます。
基本的には、以下の考え方で選別すれば問題ないと思います。
- 楽譜通りに演奏してほしい場合 = しっかり書き込んだパート譜
- プレイヤーのセンスに任せたい場合 = 簡易的なパート譜、またはマスターリズム譜
楽譜通りに演奏してほしい場合
楽譜と寸分違わず正確に演奏してほしい場合は、細かいところまでしっかり書き込んだパート譜を渡します。
例えばストリングスのように複数人が同じフレーズを演奏する場合には、音符や表現方法を統一する必要がありますよね。
アンサンブルなのにそれぞれがバラバラに演奏されちゃったらまとまりませんから。
ストリングスやホーンセクションなど、アンサンブルで収録するものはこの形態でお渡しすることになります。
もちろん、単独で演奏する楽器でも、楽譜通り演奏してほしい場合はこちらを使いましょう。
先日の新作アルバムレコーディング、ストリングスのハイライト!
ストリングスってこういうドユニゾンもめちゃかっこいいよね。 pic.twitter.com/STzRKfkUGW
— 作曲家・稲毛謙介(イナゲケンスケ) (@Ken_Inage) January 22, 2020
プレイヤーのセンスに任せたい場合
コードやキメなど最低限の決まりさえ守ってくれれば、その範囲で自由に演奏していいよ!という場合もあります。
バンドなど、個々のプレイヤーが自由に演奏しても問題ない(むしろその方が仕上がりがよくなる)ケースですね。
そんなときは、必要最低限の情報だけを書いた簡易的なパート譜、またはマスターリズム譜を渡しましょう。
このフレーズだけはどうしても守ってほしい!リズムパターンを守ってほしい!など、ある程度フレーズにリクエストがある場合は、それらを書き込んだ簡易的なパート譜を。
逆に、完全にお任せでオッケー!という場合はマスターリズム譜がいいでしょう。
ちなみに、プロスペローの収録ではマスターリズム譜をお渡ししました。
みなさん実力者ばかりだったので、あえてこちらがフレーズを指定するよりもプレイヤーさんのセンスを存分に発揮していただいたほうが仕上がりが良くなると考えてのことです。
案の定、みなさん期待以上の仕事をしてくださって、曲が見違えるようにかっこよくなりました。
マスターリズム譜で演奏してもらう際の注意点
マスターリズム譜は1つの楽譜を全員共通でつかうので、楽譜作成そのものはラクチンです。
その一方で注意しておきたい点があります。
それは、DEMOはしっかり作り込んでおくこと!
マスターリズム譜には、本当に必要最低限の情報しか書いてありません。
なので、これだけをプレイヤーさんに渡したところで、どう演奏したらいいのか伝わるはずもありませんね。
マスターリズム譜で演奏してもらうためには、しっかり作り込んだDEMOを一緒に渡しておく必要があります。
(無論、どんな楽譜を渡す場合でもDEMOを渡しておくに越したことはありませんが。)
プレイヤーさんが、最終的な仕上がりをしっかりとイメージできるよう、完成版の仕様をすべて盛り込んだDEMOを用意して事前に聞いてもらっておく必要があるというわけですね。
マスターリズム譜で演奏を依頼する場合は、必ず完成形がイメージできるDEMOも一緒に渡しておきましょう!
まとめ
というわけで、レコーディングの際に用意すべき楽譜について解説しました。
楽譜はレコーディングを行う上でとっても重要な資料のひとつ。
それぞれの特徴を理解した上で、適切な楽譜を提出できるよう今日の話を頭の片隅に置いておいてくださいね!
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