こんなに違う!ストリングスの人数による音色の違いを検証
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
同じストリングスでも、演奏するプレイヤーの数が変わればそれだけ音色も変わってきます。
求めるサウンドやジャンルによって最も適した人数も変わってきますので、目的に応じて適宜人数を選定することはとても重要です。
この記事では、ストリングスの人数によるサウンドの違いを、実際のサウンドを聴きながら解説していきます。
ジャンルごとの適切な人数感や、音源選びの具体例についても述べているので、ぜひ参考にしてみてください。
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
ストリングスの人数による音色の違い
ひとくちにストリングスといっても、同時に演奏する人数によって全く音色が変わってきます。
ソロなのか、4型なのか、8型なのか、12型なのか、はたまたそれ以上なのか。
まずはそのサウンドの違いを聞いてみましょう!
【人数ごとの音色の違いを聞き比べてみよう!】
■ソロ
4型(4人編成)
8型(8人編成)
12型(12人編成)
16型(16人編成)
いかがでしょうか?人数によってだいぶ音色が違うことがお分かりいただけたかと思います。
この音色の違いを考慮しておかないと、楽曲の雰囲気に似つかわしくないサウンドになってしまうこともしばしば。十分に注意しておきましょう。
ジャンル別、ストリングスの人数選定基準
一般的に、ストリングスの人数はジャンルによっておおよそ決まると考えてほぼ問題ないかと思います。
ポップスなどのライトな雰囲気の楽曲は比較的少なめの編成、映画音楽などの壮大なオーケストラには大人数編成といった具合に、曲の雰囲気に合わせて選んであげると良いですね。
一般的なソフト音源では、人数が少ないものほどサウンドの厚みは乏しくなりますが、その分音像がはっきりしたサウンドになり、よりタイトな音色になります。
逆に、人数が多いほどサウンドに厚みが増す一方、音像がボケてしまう傾向が多いようです。
人数 | サウンドの厚み | 音像 |
少ない | 薄い | はっきりタイト |
多い | 厚い | 若干ぼやける |
このような特徴を考慮して、欲しいサウンドにマッチした人数の音源を選定してあげると良いかと思います。
おおよその目安は、以下のような基準で考えるとよいでしょう。
- ポップス → 4〜8型
- 通常の規模のオーケストラ → 12型〜16型
- ハリウッド映画などのエピックサウンド → 20型以上
人数別ストリングス音源選びの具体例(Vienna Symphonic Libraryの場合)
例えば、オーケストラ音源の老舗、Vienna Symphonic Library(通称VSL)ならば、人数ごとに様々な種類のストリングス音源がリリースされています。
欲しいサウンドに合わせて、以下の5種類の中から選んで使うことになります。
ソロ音源「SYNCHRON-ized Solo Strings」
その名のとおり、ストリングスを構成する4つの楽器をそれぞれソロで収録した音源です。
室内楽音源「SYNCHRON-ized Chamber Strings」
こちらは室内楽用の小編成音源になります。Violinが6名、Viola4名、Cello3名、Contrabass2名の音色が収録されています。
ポップスで使いやすいライトな音色ですが、後述するSynchron Strings IやApassionata Stringsと重ね合わせて、壮大ながらも芯のあるサウンドを実現するのにも重宝します。
オーケストラ音源「Synchron Strings I」
こちらは一般的な2管編成のオーケストラの規模で収録された音源です。1st Violinが14名、2nd Violinが10名、Viola8名、Cello8名、Contrabass6名で構成されます。
ストリングス音源の中では最もオーソドックスな形ですので、様々なジャンルで使いやすい音色になっている定番音源です。
大編成音源「SYNCHRON-ized Appassionata Strings」
さらに大規模なオーケストラ用のストリングス音源です。ハリウッド映画のような壮大なエピックサウンドを作る上で役立つ音源ですね。
人数は、Violinが20名、Viola14名、Cello12名、Contrabass10名と、かなり大きな編成になってますね。
人数可変の音源「SYNCHRON-ized Dimension Strings」
こちらは少し変わった音源で、奏者ひとりひとりの音が別個に収録されていて、人数を自由に変更することができる特殊な音源です。
人数はViolinが最大8名、Viola最大6名、Cello最大6名、Doublebass最大4名となっていますが、その範囲内ならばいくらでも人数を変更できます。
音作りの自由度が非常に高く、使いこなせば様々な表現ができる音源ではありますが、その分異常に負荷が高く、並のコンピュータでは全く使い物にならない音源です。正直あんまりオススメはしません。(最新のMacProをお持ちの方ならいいかも?)
※この記事の冒頭でご紹介した人数によるサウンドの違いはこのSYNCHRON-ized Dimension Stringsを使って再現しました。
まとめ
というわけで、ストリングスの人数による音色の違い、ジャンル別の人数選定基準や音源選びについて詳しくお届けしました。
人数による音色の違いを正しく理解して、欲しいサウンドにマッチした音色を適宜使用するようにしましょうね!
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