ストリングスアレンジ番外編!刻み系アレンジを解説!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、ストリングスアレンジの番外編ということで、「刻み系アレンジ」についてお伝えしようと思います。
- 刻み系アレンジとは?
- 刻み系アレンジの種類
- 刻み系アレンジの応用テクニック
などなど、刻み系型アレンジに関するさまざまなテクニックを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
刻み系ストリングスアレンジはこんな感じです。
【ストリングスアレンジの基本となる5つの型についての解説はコチラ】
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
ストリングスアレンジ番外編:刻み系アレンジ
刻み系アレンジとは?
刻み系アレンジとは、リズム感のあるフレーズやパターンを刻むアレンジスタイルのことです。(そのまんまですね。)
元来メロディを演奏することが得意なストリングスですが、その一方でザクザクとリズムを刻むことにも長けています。
その特徴を最大限に活かし、パーカッシブな刻みを用いたフレーズでリズム感を演出するのもストリングスの醍醐味です。
刻み系ストリングスアレンジの例:プロスペロー『宵越しのランデヴー』より
単純にリズムを刻んでいるだけですが、タイトで歯切れの良い印象が得られることがお分かりいただけたかと思います。
楽譜で見るとこんな感じです。
刻み系アレンジの種類
ストリングスの刻み系アレンジは、大きく分けて2種類に分類できます。
【刻み系ストリングスアレンジの種類】
- リフ型
- コード型
前者は、いわゆるリフ(=リフレイン)を演奏するタイプのアレンジ方法。後者は、コードを刻むだけの伴奏的なアレンジですね。
それぞれ詳しくみていきましょう。
刻み系ストリングスアレンジ①:リフ型
前述の通り、ストリングスで「リフ(=リフレイン)」を演奏するタイプのアレンジパターンです。
「リフ」という言葉に馴染みのない方もいらっしゃるかもしれないので簡単に説明しておくと、「リフ」とは、特定のフレーズを繰り返し演奏することです。
音楽におけるリフ(riff)は、オスティナート、つまり、繰り返されるコード進行、音型、リフレイン、または旋律の音型であり、主にリズムセクションの楽器によって演奏され、楽曲の基礎や伴奏として成立するものを指す。 -Wikipediaより-
なんのこっちゃよくわからない説明ですが、とりあえず同じパターンのフレーズを繰り返し演奏することですね。
エレキギターのバッキングなどでよく使われる手法ですが、これはストリングスでも結構使えます!
リフ型の刻み系アレンジはこんな感じ
トラック全体で聞くと?
このような感じで、特定のフレーズを繰り返し刻んであげることで、印象的なアレンジに仕上げることができます。
刻み系ストリングスアレンジ②:コード型
フレーズを演奏するタイプの「リフ型」と比べて、「コード型」はどちらかというとより伴奏的なアレンジ方法です。
ストリングス全体でコードを形成しながらバッキングのリズムを刻むことで、他の楽器では得られないようなはっきりとしたリズム感を得ることができます。
コード型の刻み系アレンジはこんな感じ
トラック全体で聞くと?
ストリングスで刻むことで、かなりタイトな印象になりますね。
刻み系アレンジ応用テクニック、「リフ型」と「コード型」の合わせ技
「リフ型」はフレーズ、「コード型」は伴奏という位置付けでご説明してきましたが、じつは両者の合わせ技もかなり有効です。
具体的には以下のような方法です
- コードを形成しながらリフを演奏する
- コード型に動きをつけてよりメロディアスに
それぞれ詳しくみていきましょう。
コードを形成しながらリフを演奏する
さきほどはストリングス全体がユニゾンでリフを演奏している例をご紹介しましたが、コードを形成しながらリフを演奏するのもかっこいいです。
コードを形成しながらリフを演奏したパターン
トラック全体で聞くと?
コード型に動きをつけてよりメロディアスに
通常のコード型は単にコードを刻んでいるだけで、いかにも「伴奏」というイメージでしたが、コードを構成する音(とくにトップノート)に動きを出してあげることで、よりメロディアスなコード型の演奏も可能になります。
よりメロディアスなコード型
トラック全体で聞くと?
単純な伴奏よりもドラマチックな演奏になったのがお分りいただけたかと思います。
このように、「リフ要素」と「コード要素」を両方用いてアレンジするのもとっても効果的であることがお分かりいただけたかと思います。
まとめ
というわけで、刻み系ストリングスアレンジについて、詳細な解説をお届けしました。
リフやリズムを刻むだけのシンプルなアレンジテクニックですが、ストリングスの歯切れの良い音色と相まって非常に効果的なサウンドが得られることがお分りいただけたと思います。
とくにリズム感の強い楽曲との相性はバツグンですので、上手に活用してみてください!
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