一流と超一流を分けるもの。トップミュージシャンは何にこだわるのか!?
こんにちは、作曲家・稲毛謙介(@Ken_Inage)です。
今日は、ぼくが中学生のころに顧問の先生から教わった「一流と超一流の違い」についてお話しようと思います。
一流の音楽家と超一流の音楽家、どちらも素晴らしい音楽家であることには変わりありません。
しかし、両者の間には大きな壁があることをご存知でしょうか?
演奏はもちろんのこと、作編曲やサウンドクリエイトにおいても非常に重要な考え方となります。
クオリティの高い作品を作るために、どこにこだわるべきなのか?
そのひとつの答えをお届けしていきますので、ぜひ参考にしてみてください!
一流と超一流を分けるもの。トップミュージシャンは何にこだわるのか!?
一流は技術で魅せる。超一流は音色で魅せる。
ぼくが中学生の頃の話です。
地元米沢に、「ブラッセリーベルリン」という、ベルリン4大オーケストラの首席奏者だけをあつめた贅沢すぎる金管アンサンブルグループがやってきました。
市の計らいで、ぼくら学生はそのコンサートを無償で聞かせてもらえるという幸運に恵まれたわけですが、そのコンサート終了後、吹奏楽の顧問の先生がぼくに教えてくれたことがあります。
それは、
「一流は技術で魅せる。超一流は音色で魅せる。」
ということでした。
詳しく説明すると以下の通りです。
精巧な技術だけなら、死ぬほど練習すればだれだって身につけることができる。だけどそれだけじゃ超えられない壁がある。超一流は音色がズバ抜けて美しく、音色だけで人を感動させることができる。だから、決して技巧的ではない曲にこそ一流と超一流の差があらわれるものだ。
当時のぼくのレベルではこの意味を完全に理解することはできなかったんですが、プロになってからようやくその真意を体感として理解できるようになったんですね。
サウンドクリエイトも全く一緒
超一流は音色で魅せる。
これは楽器の演奏だけでなく、作曲やサウンドクリエイトにもいえることだと思います。
あなたも国内外のトップクリエイターたちが作ったトラックを聞いたことがあるかと思いますが、彼らが作るトラックは極端に音数が少ない。
下手すると、ヴォーカルとベースとキックしか鳴っていないなんてこともザラにありますからね!
Britney Spears『Hold It Against Me』
これってウラを返せば、それだけでも十分すぎるほど充実したサウンドに仕上がっているってこと。
一発一発の音にものすごい説得力とエネルギーがあるからこそ為せる芸当です。
また、超一流の奏でる音には、技術だけではない「スピリット」が宿っていると思います。
音に対する常軌を逸したこだわりをもち、寝ても覚めてもそのことを追求し、理想とする究極の音色を追い求め続けた結果として生まれる圧倒的サウンド。
そんな音色には、作り手の魂が色濃く反映されてると思うし、説得力も段違い。
だからこそ音色だけで人を感動させられるんですよね。
音色もアレンジの一環である
DAWでの作曲が主流となった現代においては、音色選び&音色作りもアレンジの一環であると考えることができます。
どんな音を選ぶか?どんな音を作るか?
これによって、アレンジそのものがガラリと変わってしまうことも少なくありません。
ショボい音でならせばそれだけ聴き映えもショボくなり、余計な音を足してごまかさないといけなくなってしまうわけです。
DAWを使えば、いくらでもトラックを増やすことができるし、音数も増やすことができます。
ですが、音数が増えれば増えるほどまとまりのないアレンジになってしまうし、きれいにミックスすることも難しくなる。
一方、1つ1つの音色が充実したものになっていれば、そこまで音数は必要ない。
極端な話、バッハの無伴奏チェロ組曲のように、楽器1本で素晴らしいアレンジをすることだってできるわけです。
音数が少なければ、それだけ個々の音がすっきりと聞こえるアレンジにすることができるし、ミックスだって格段にやりやすくなります。
結果として、アレンジ面でもサウンド面でもクオリティの高い作品に仕上がることはいうまでもありませんね。
ぼくは、楽曲をアレンジする際に以下のことにこだわっています。
- 極力音数の少ないアレンジを心がけること
- 1つ1つの音選び&音作りに徹底的にこだわること
1つ1つの音色にこだわり、極力少ない音数でアレンジする。
当然技術が問われる分野であり、ぼくもまだまだ自分の理想には程遠い状態ではありますが、日々研究を続けながら理想のサウンドを追求し続けています。
まとめ
今日日、DAWでの打ち込みやサウンドクリエイトは当たり前。
我々プロ作曲家のお仕事も、楽譜上の表現だけでなく出音そのものにまで及んでいます。
いくらいい曲が書けても、立派なアレンジができても、音がショボけりゃ人は感動させられません。
どうせ作品を作るなら、徹底的に磨き上げた最高の音をリスナーさんに届ける。
ぜひあなたも、音色にとことんこだわってみてはいかがでしょうか??
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