音楽家のためのマーケティング講座!第6回:企画するときに抑えておきたい4つの視点
こんにちは、作曲家・稲毛謙介(@Ken_Inage)です。
「音楽家のためのマーケティング講座」と題して、ミュージシャンの活動に役立つ実践的なマーケティングメソッドをお届けする本企画。
今日は、マーケティングの10ステップのうち、第3のステップ「企画」についてお話していきます!
企画をするときに考えなければいけない大事な要素を詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください!
【マーケティングの10ステップ概要はこちら↓】
企画とは?
市場のニーズを調査し、ターゲットが決まったらいよいよ企画!あなたの中で生まれた小さなアイディアをふくらませて、ワクワクする企画にしたてあげていきましょう!
企画のとは、商品そのものの内容やスペックを決めることはもちろんですが、他にも
・商品の価格
・販売場所、導線
・プロモーション戦略
などなど、商品をお客さんのもとへ届けるために必要なマーケティング戦略全体の方向性を決めていく行為です。マーケティングに関する取り組みすべての設計図をひくようなものだと思ってください!
マーケティングの「4P」と「4C」
企画を立てるうえでとっても重要なマーケティング上の概念があります。
それは、「4P」「4C」といわれるものです。
それぞれご説明していきましょう!
マーケティングの「4P」
マーケティングの「4P」とは以下のとおりです。
・製品(Product)→どのような製品にするのか?(商品の内容)
・価格(Price)→いくらで販売するのか?(商品の価格)
・場所(Place)→どこで販売するのか?(商品の販売場所、販路)
・プロモーション(Promotion)→どのようなプロモーションを打つのか?(販促活動の内容)
マーケティングの「4C」
一方、マーケティングの「4C」は次の通りとなります。
・価値(Customer Value)→お客さん受けとる価値はなにか?
・コスト(Cost)→その価値を受けとるためにかかるコストはいくらか?
・利便性(Convenience)→商品の入手しやすさ、価値の受け取りやすさは?
・コミュニケーション(Communication)→顧客に価値を伝えるためのコミュニケーション手段は?
じつは「4P」と「4C」は同じもの
もうお気づきかもしれませんが、「4P」と「4C」は視点がちがうだけで、どちらも同じものを取り扱っています。「4P」は売り手目線、「4C」は顧客目線に立って、同じものを表現しているわけですね。
1960年に、エドモンド・ジェローム・マッカーシーによって提唱されたのが「4P」、その後、1993年にロバート・ローターボーンによって提唱されたのが「4C」。ローターボーンは、マッカーシーの「4P」をもとに、「これからはお客さんの目線に立って考えていくのがいいよね!」という観点で「4C」を考案しました。
しかし最近では、「お客さん目線はもちろん大事だけど、売り手と顧客、両方の目線でマーケティングしていくのが一番だよね〜!」という風潮もあり、結局「4P」と「4C」はどちらも重要視されています。
「4P」&「4C」各項目の解説
製品(Product)と価値(Customer Value)
商品やサービスを設計するときに大事なポイントは、お客さんがその商品やサービスにどのくらい価値を感じてくれるのか?という視点で設計すること。お客さんにとって価値の無いものは、どんなに安くても売れないからです。
しかし、いくらお客さんが喜んでくれるといっても、自分が作りたくもない商品を売ったところで全然モチベーションが上がりませんよね…。ぼくだって、いくら儲かるからといって売れ線の音楽ばかり作ってたってさっぱりたのしくありません。
なので、お客さんと自分双方のバランスをとるためにも
1)お客さんが求めていること(売れそうなもの)
2)自分が得意なこと(クォリティを最大化できるもの)
3)自分がやりたいこと(自分のモチベーションが上がるもの)
の3つが交わるちょうどいいポイントを見つけて、そこにマッチする商品を設計していきましょう。
市場調査をする際に、自分が提供したいもので、かつ得意なものに対してのニーズをしっかり調査しておくと進めやすいかと思います!
価格(Price)とコスト(Cost)
売れる商品を作りたいなら、価格の設定もメチャメチャ重要です!前回もお話したとおり、販売価格によってお客さんの層がまるで変わってくるからですね。ですから、値決めをする際には「ペルソナ」をもとにしながらその人の経済力やライフスタイルにマッチした価格を適切に決めていきましょう。
それなりにお金に余裕があるターゲットならば、比較的高額な商品も販売できるでしょうし、そうでないならば手に取りやすい価格の方が売れる可能性は高くなります。
場所(Place)と利便性(Convenience)
商品やサービスを販売する場所によっても売れ行きが全然変わってきます。
「めっちゃ欲しいもの見つけたけど、地球半周してブラジルまでいかないと買えないんだよね…」となったら売れるもんも売れませんから…。
- オフラインなのかオンラインなのか?
- オフラインなら立地はどうするか?
- オンラインなら大手通販サイトを活用するのか?自分のメディアで直接販売するのか?
などなど、販売する場所についてもしっかり吟味していきましょう!
とにかくここで重要なのは、お客さんにとって入手難度を極力下げてあげること、すなわち「利便性」の高い場所で販売するということです。ここでもペルソナとにらめっこしながら、その人が普段よく利用している場所やWebサービスをもとに販売場所を選んであげるのが良いですね。
プロモーション(Promotion)とコミュニケーション(Communication)
商品を販売するうえでは、プロモーション(販促活動)は必要不可欠です。
販促活動というのは、
- お客さんに商品の存在知ってもらい
- 商品に興味を持ってもらい
- 商品を欲しいと思ってもらい
- 実際に購入してもらう
という流れを促すための行動です。
多くのミュージシャンは、プロモーションを展開する際に上記のうち①と④にばかりに着目しがちですがそれでは不十分。仮に商品の存在を知ってもらったところで、興味がなければ欲しいとも思ってもらえませんし、欲しいと思ってもらわなければ買ってもらうことは不可能。(当たり前ですね。)
ですから、①〜④の流れで感情の変化を促すための仕掛けが、プロモーションの上ですこぶる重要です!
まとめ
ひとくちに企画といっても、商品そのものはもちろん、価格や販売場所、プロモーションまで、様々なことについてしっかりと考える必要があることがお分かりいただけたかと思います。
実際の企画では、今日ご紹介したマーケティング的視点に加えて、損益分岐点の計算や販売目標設定など、マネジメント視点での要項も組み込む必要がありますが、長くなるのでそれはまたおいおい記事にします。
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