ダイアトニックコードとは?その成り立ちと構成を徹底解説!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日からはいよいよ、本格的なコード理論の解説に入っていきたいと思います。
初回は、コード理論の根幹を成す「ダイアトニックコード」について解説!
- ダイアトニックスケールについて
- ダイアトニックコードとは?
- ディグリーネーム
- ダイアトニックコードの構成
ダイアトニックコードは、あらゆるコード進行の母艦となる非常に大事なコード群です。
ダイアトニックコードの理解なくしてコード理論の理解はあり得ませんので、しっかり学習していきましょう!
ダイアトニックスケールについて
ダイアトニックコードについてご説明する上で、まずはダイアトニックスケールについて解説する必要があります。
ダイアトニックスケールは別名「全音階」ともよばれるもので、1オクターブを「全音5つ」と「半音2つ」の合計7つの音程で並べたスケールのことを指します。
全音階(ぜんおんかい、英語: diatonic scale)とは、七音音階の一種であり、オクターヴの音程を5つの全音と2つの半音で満たす音階である。 -Wikipediaより-
これだけ聞くと少しむずかしく感じるかもしれませんがご安心を!
ここまで学習を進めてこられたあなたならば、すでにダイアトニックスケールの存在はご存知のはずです。
メジャースケール&マイナースケールはダイアトニックスケール
「音階(スケール)」の解説記事でご紹介した、長音階(メジャースケール)と、短音階(マイナースケール)は、いずれもダイアトニックスケールとなります。
それぞれのスケールを振り返ってみましょう。
長音階(Major Scale)
上図をご覧いただけるとお分かりいただけるかと思いますが、1オクターブをしっかりと「全音5つ」「半音2つ」で7つに分割していますよね。
短音階(マイナースケール)
短音階のうち、最も基本となる自然短音階も、バッチリ「全音5つ」「半音2つ」で構成されていますね。(メジャースケールを短三度平行移動させただけなので当たり前ですが・・・。)
その他の「和声的短音階」「旋律的短音階」についてはここでは割愛させていただきますが、そのうち「旋律的短音階」も全音5つ、半音2つで構成されたダイアトニックコードの一種となります。
ダイアトニックコードとは?
ダイアトニックスケールが理解できたところで、次にダイアトニックコードについて解説していきます。
ダイアトニックコードとは、その名の通り「ダイアトニックスケール」の上に作られる三和音(ないし四和音)のこと。
例えば、Cメジャースケールの上に成り立つダイアトニックコードは、以下のような形になります。
ディグリーネーム
ダイアトニックコードを構成する各和音には、そのコードがスケールの何度の和音なのかを表すために、ローマ数字が振られます。
これを「ディグリーネーム」といいます。
コードネームが実音表記であるのに対して、ディグリーネームは、ダイアトニックコードの中の何番目のコードかを表す相対的な表現ですので、キーが変わっても変わることはありません。
ディグリーネームは、コード理論や和声学を学ぶ上で必ず出てくるものとなりますので、しっかり覚えておきましょう!
ダイアトニックコードの構成
ここからは、ダイアトニックコードがどのような構成になっているかを見ていきましょう。
今日は、最も基本的な「メジャーダイアトニックコード」を例にご紹介していきます。
※マイナーダイアトニックコードについては、その取り扱いが少し難しくなるため、ある程度学習が進んだ段階で改めてご説明することにします。
ダイアトニックトライアド
ダイアトニックコードの上に形成される三和音を「ダイアトニックトライアド」と言います。
その構成は以下の通りです。
上図をご覧いただければわかると思いますが、和音によって「メジャーコード」だったり「マイナーコード」だったり「マイナーフラットフィフス」だったりと様々です。
これは、ダイアトニックコードの構成音がすべてダイアトニックスケール内の音を使用して作られるためで、スケールに沿って三度ずつ積み重ねていくと、自然と上図のような構成になるというわけですね。
メジャーダイアトニックトライアドは、必ず以下のような形になりますので、覚えておきましょう。
- I = メジャーコード
- IIm = マイナーコード
- IIIm = マイナーコード
- IV = メジャーコード
- V = メジャーコード
- VIm = マイナーコード
- VIIm(b5) = マイナーフラットフィフス
ダイアトニックセブンスコード
ダイアトニックコードの上に形成される四和音を「ダイアトニックセブンスコード」と呼びます。
トライアドの上にさらに三度を積み上げると、必ず第七音が追加されるからですね。
構成は以下の通りです。
こちらもダイアトニックトライアド同様に、ダイアトニックスケールの音のみを用いて作られます。
メジャーダイアトニックセブンスコードの構成は以下のような形です。
- Imaj7 = メジャーセブンス
- IIm7 = マイナーセブンス
- IIIm7 = マイナーセブンス
- IVmaj7 = メジャーセブンス
- V7 = セブンス(ドミナントセブンス)
- VIm7 = マイナーセブンス
- VIIm7(b5) = マイナーセブンスフラットフィフス
まとめ
というわけで、ダイアトニックコードについて詳しい解説をお届けしました。
ダイアトニックコードとはダイアトニックスケールの上に成り立つものであること。そして、それぞれの和音は必ず決まった構成になっていること。
この2点をしっかり押さえた上で、ダイアトニックコードがどのように作られているかを理解していただければ幸いです。
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