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キーボードのボイシング①:ボイシングの基礎を理解しよう!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日からは、キーボードのボイシングについて解説していきます。

まずは、ボイシングの基礎知識について学んでいきましょう。

  • ボイシングの種類
  • コードボイシングに最適な音域
  • ボイシング時の注意点

ボイシングとは、コードの構成音をどのように配置するか?ということ。

簡単にいうと「コードの押さえ方」といっても良いかもしれませんね。

キーボードでの演奏をより美しくまとめるために欠かせない知識となっていますので、バッチリマスターしていきましょう!

※こちらの内容は動画でも学習することができます。

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キーボードのボイシング①:ボイシングの基礎を理解しよう!

キーボードのボイシング①:ボイシングの基礎を理解しよう!

ボイシングの種類

まずは、ボイシングの種類について解説していきます。

ポピュラー音楽で用いられるボイシングは、以下の2種類に大別されます。

  • クローズドボイシング:構成音すべてが1オクターヴ以内に収まるボイシング
  • オープンボイシング:構成音が1オクターブ以上にまたがるボイシング

クローズドボイシング

オープンボイシング

クローズドボイシングはギュッと中身の詰まった印象。

逆にオープンボイシングは開放感のある印象ですね。

3種類のオープンボイシング

オープンボイシングにはいくつかの種類があり、それぞれ以下のような形になります。

  • ドロップ2:上から2番目の構成音を1オクターヴ下げたボイシング
  • ドロップ3:上から3番目の構成音を1オクターヴ下げたボイシング
  • ドロップ2&4:上から2番目と4番目の構成音を1オクターヴ下げたボイシング

クローズドボイシング

ドロップ2

ドロップ3

ドロップ2&4

キーボードのボイシングではとくに「ドロップ2」が採用されるケースが多くなります。

具体的な用法については今後の記事で詳しく解説していきますが、まずはそれぞれの仕組みを理解しておいてください。

コードボイシングに最適な音域

幅広い音域を演奏することが可能なキーボード。

とはいえ、その全ての音域をコードの演奏に使えるわけではありません。

コードを演奏する際には、原則として低音域または中音域を使用します。

ここからは、それぞれを「ローポジション」「ハイポジション」と呼ぶことにしましょう。

  • ローポジション:低音域を使ったボイシング
  • ハイポジション:中音域を使ったボイシング

ローポジション

ハイポジション

ローポジションとハイポジションには明確な境界線があるわけではありませんが、以下の音域を目安に考えると良いでしょう。

左手右手
ローポジションC1〜C2周辺C2〜C4周辺
ハイポジションC2〜C3周辺C3〜C5周辺

なお、キーボードの独奏、またはキーボード単体での伴奏を行う場合はこれより広い音域を使うこともあります。

しかし、バンドアレンジにおけるキーボードのコードはおおよそ上図の範囲に収まると覚えておけばOKです。

ボイシング時の注意点

キーボードでコードボイシングを行う際には、以下の2点に気をつけましょう。

  • 左手と右手のインターバルが開きすぎないこと
  • ローインターバルリミットに抵触しないこと

左手と右手のインターバルが開きすぎないこと

左手と右手の間に大きなインターバル(スキマ)ができてしまうと、中身のないスカスカなサウンドになってしまいます。

したがって、左右の手は離れすぎないよう注意しましょう。

厳密には、左手で演奏している最高音と右手で演奏している最低音が離れすぎないようにするということです。

両者があまりにも離れていると和音の一体感が損なわれてしまうので注意しましょう。

目安としては、左手がベースを演奏している場合と、コードトーンを演奏している場合で多少異なります。

左手の状態両手のインターバルの目安
ベース12度(1oct+完全5度)以内が理想
コードトーン1オクターヴ以内が理想

前項でご紹介した各ポジションの音域を順守している分にはそこまで大きく離れることはないと思いますが、どうしても離れてしまう場合には以下のような対処を考えます。

  • 左手の最高音を付け足す
  • 右手の最低音を付け足す
  • あるいはその両方

左右の手が離れすぎた例

音を追加してスキマを埋めた例

ローインターバルリミットに抵触しないこと

ローインターバルリミットとは、低い音で演奏可能な音程の限界のことです。

和音というのは音程が低くなるほど音が濁って聴こえるものですが、それを避けるためのルールということですね。

おもにローポジションにおける左手のボイシングで意識する必要があります。

ローインターバルリミットは、使用する音程によってその限界値が異なります

オクターヴや完全5度など協和度の高い音程では、低い音域で演奏してもそこまで音は濁りませんが、2度や7度など協和度の低い音程では油断するとすぐ音が濁ってしまうからです。

試しに聴き比べてみましょう。

完全5度(C1+G1)

短3度(E1+G1)

短7度(A0+G1)

いずれもトップノートは同じ「G1」の音ですが、完全5度はクリアに聞こえるのに対して、その他の和音は濁って聴こえるのがおわかりいただけたかと思います。

一見すると協和度の高そうな短3度ですらここまで濁ってしまうんですね。

ですから、それぞれの音程のローインターバルリミットをしっかりと把握しておくことが重要です。

各音程ごとのローインターバルリミットは以下のとおりです。

これを下回る音程は使わないよう注意しましょう。

短2度

長2度

短3度

長3度

完全4度

増4度・減5度

完全5度

短6度

長6度

短7度

長7度

まとめ

というわけで、ボイシングの基本についてお伝えしました。

美しいボイシングを行う上で絶対に欠かすことのできない重要な知識。

以後の学習を進める前に、完全に理解できるよう繰り返し学習しておいてくださいね!

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