アヴェイラブルテンションとアヴォイドノートを理解しよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、昨日ご紹介した7種類のテンションノートをより自然に取り入れるために欠かせない「アヴェイラブルテンション」という考え方についてお伝えします。
- アヴェイラブルテンションとは?
- アヴォイドノートについて
- アヴェイラブルテンションを見分ける法則
- メジャーダイアトニックコードのアヴェイラブルテンション一覧
ともするとややこしく感じがちなテンションの取り扱いですが、カンタンな法則を知るだけでみるみる理解できるようになっていきます。
ひとつずつ確実にマスターしていきましょう!
アヴェイラブルテンションとアヴォイドノート
まずは、今日ご紹介する2つの用語、「アヴェイラブルテンション」と「アヴォイドノート」について解説していきます。
アヴェイラブルテンションとは?
テンションノートには、以下の7つの種類が存在することは前回の記事でお伝えしたとおりです。
「b9th」「9th」「#9th」「11th」「#11th」「b13th」「13th」
しかしながら、上記7種のテンションを全てのコードに対して追加できるわけではありません。
コードの種類や機能、ダイアトニック上での位置付けによって、使えるテンションとそうでないテンションがあるということなんですね。
このうち、使えるテンションのことを「アヴェイラブルテンション」といいます。
テンションノートを組み込む際には、この「アヴェイラブルテンション」を正しく見極めて使う必要があります。
アヴォイドノートとは?
アヴェイラブルテンションとは逆に、使えないテンション(正確には”使用を避けるべきテンション”)のことを「アヴォイドノート」といいます。
アヴォイドノートは、その和音の響きを濁したり、コードの機能を疎外したりと取り扱いが難しいテンション。
絶対に使ってはいけない!というほどではありませんが、とくに意図をもって使う場合を除いては、使用をさけた方が無難です。
※アヴォイド(avoid)=「避ける」の意味
アヴェイラブルテンションを見分ける法則
アヴォイドノートを避けて、アヴェイラブルテンションを見分けるためには、以下の2つの法則を適用します。
- 【条件①】ダイアトニックスケール上の音である
- 【条件②】元となるトライアドの構成音と長九度関係の音である
実際にはいくつかの例外が存在しますが、今回はシンプルに上記2つの条件だけを考えてもらえればOK!
例外については、次回以降の記事でまた詳しく解説していきますのでご安心ください。
例①:CメジャーキーにおけるImaj7の場合
CメジャーキーにおけるImaj7(=Cmaj7)のコードを例に考えてみましょう。
Cmaj7上に成り立つテンションは以下の7つです。
- Db = b9th
- D = 9th
- D# = #9th
- F = 11th
- F# = #11th
- Ab = b13th
- A = 13th
まずは条件①をみていきましょう。
上記7つの音のうち、ダイアトニックスケールである「Cメジャースケール」に存在する音は、「D(9th)」「F(11th)」「A(13th)」の3つだけです。
それ以外の4つの音は、この時点で除外されます。
つぎに条件②をみてみましょう。
無事条件①をパスした3つのノートのうち、9thである「D」と、13thである「A」は、それぞれコード「Cmaj7」の構成音である「C」と「G」に対して長九度の関係にありますから、めでたくアヴェイラブルテンションとして採用です!
一方、11thである「F」はどうでしょう?
残念ながら、「Cmaj7」を構成する「E」の音に対して、短九度の関係になってしまっています。
トライアドと短九度を形成するテンションは、コードの響きを濁してしまい、ときとしてコードの機能を疎外してしまいます。
よって、アヴォイドノートとしてみなされ、使用は避けるべきということになります。
【補足:使用するモードを変更すれば「#11」も使える】
Cmaj7に対する#11である「F#」は、Cメジャースケール上にはありませんが、使用するモードをCリディアンスケールに変更すれば使用することができます。ただし、ルート「C」と#11th「F#」の間に発生する増四度音程が、リディアン独特の浮遊感を持った響きを作りますので、Cメジャーキーとして安定感のあるサウンドを求めるなら、#11thは使用しない方が無難です。
例②:CメジャーキーにおけるIVmaj7の場合
同様に、CメジャーキーにおけるIVmaj7(Fmaj7)のコードについて考えてみましょう。
Fmaj7上に成り立つテンションは以下の3つです。
- Gb = b9th
- G = 9th
- G# = #9th
- Bb = 11th
- B = #11th
- Db = b13th
- D = 13th
まずは条件①から見ていきます。
上記7つの音のうち、ダイアトニックスケール上に存在する音は「G(9th)」「B(#11th)」「D(13th)」の3つです。
それ以外の音は除外されます。
次に条件②も見ていきます。
条件①をパスした3つのテンションのうち、「G」「B」「D」すべてが、元となるトライアド「F」「A」「C」と長九度関係になっています。
したがって、Fmaj7では、9th、#11th、13thがアヴェイラブルテンションとして使用することができます。
メジャーダイアトニックコードのアヴェイラブルテンション一覧
上記の法則にしたがって、メジャーダイアトニックコード上で使用することができるアヴェイラブルテンションをまとめた図が以下のとおりです。
これらのテンションは、調性内で最も自然に聞こえるテンション。
積極的に活用することで、楽曲がより華やぐこと間違いなしです。
何度の和音かによって使用できるテンションが変わってきますが、すべてを丸暗記する必要はありません。
先ほどご紹介した2つの条件さえ理解しておけば、すぐに見分けることができるでしょう!
まとめ
というわけで、アヴェイラブルテンションとその見分け方について詳しくお伝えしました。
今日ご紹介したテクニックは、アヴェイラブルテンションを見極める上でもっとも基本的なものとなります。
実際には、さらに多くのテンションを使えるコードも存在しますので、そちらについてはまた次回お届けしようと思います!
ぜひお楽しみに!
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