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エフェクターの基礎知識⑤:リバーブの基礎を理解しよう!

こんにちは、OTOxNOMA認定講師の鎧都万雄大(@Yudai_Yoroi) です。

今日は、リバーブの基礎知識について解説していきます。

  • リバーブとは?
  • リバーブの種類
  • リバーブの使用例
  • 各種パラメータの解説

音に残響を付加することのできるリバーブ。

効果もわかりやすく、初心者の方でも1度は使ったことのあるエフェクターではないでしょうか?

その一方で、思い通りの残響を作り出すためには高度な知識が必要となる奥深いエフェクターでもあります。

基本的な使い方やパラメータに対する理解を深めることでコントロールの自由度もアップしますので、しっかり学んでいきましょう!

 

エフェクターの基礎知識⑤:リバーブ の基礎を理解しよう!

エフェクターの基礎知識⑤:リバーブ の基礎を理解しよう!

リバーブとは?

リバーブは音に残響を付加するエフェクターです。

残響とは、発せられた音が物体や部屋の中を1回もしくは複数回反射して聴こえる音です。

正確には、物体や部屋の中を1回だけ反射して届く音を「初期反射音」と呼び、2回以上反射して届く音を「後期残響音」と呼びます。

ちなみに、どこにも反射せず直接聞こえる音は「直接音」と呼びます。


反射する回数が増えれば増えるほど原音から遅れて聴こえるので、

「直接音」→ 少し遅れて「初期反射音」→ その後に「後期残響音」

という順番で耳に届くことになります。

一聴すると全く残響がないように聴こえる音(普段の会話など)でも、少なからず何かしらの残響音が付与されているものです。

その残響こそが自然なサウンドを実現するために一役買ってくれており、オーケストラをはじめとした管弦楽器主体の伝統的なジャンルではとくに重要な要素となりますので覚えておきましょう。

複数のトラックに同じ残響を付加することで、あたかも同一の空間で演奏しているような空気感を演出するといった使い方が一般的ですが、使い方によっては音の距離感をもコントロールすることも可能。

目的によって、さまざまな効果を作り出すことができるエフェクターとなっています。

リバーブの種類

リバーブには残響の種類(=タイプ)が選べるものもあり、たくさんの種類が用意されています。

残響を作り出すためのいろいろな方式があり、その違いによって残響の特徴(=キャラクター)も変わります。

リバーブというエフェクターが作られる前は「エコーチェンバー」と呼ばれる残響を得るためだけの小さな部屋を用意し、その中にスピーカーをセットして、再生した音をもう一度マイクで収録するということが行われていました。

エコーチェンバーを再現したWaves社のAbbey Road Chambers

そのほかにも、ホールや教会、部屋やガレージで演奏した音を残響込みで収録することも盛んに行われており、とても大掛かりな方法で残響を作り出していたことがわかります。(現在でも同様の手法がとられることもありますね。)

それからしばらくして、金属板やバネを使って残響を作るメカニカルな方式が主流となり、エコーチェンバーよりも手軽に残響を作れるようになりました。

さらに最近では、物理的な仕組みを用いずともプログラムによって残響を作ることができるリバーブが誕生し、コンピュータの性能向上に伴ってソフトウェアリバーブもたくさん作られるようになりました。

このように様々な方法で残響を生み出してきた経緯から、昨今のリバーブでは必要に応じてリバーブタイプが切り替えられるようになっています。

今回は、その中でもメジャーな6種類について詳しく解説していきます。

  • ホール(Hall)
  • ルーム(Room)
  • プレート(Plate)
  • スプリング(Spring)
  • アルゴリズム(Algorithm)
  • コンボリューション(Convolution)

■ ホール(Hall)

コンサートホールのように、音響特性が整った大規模な空間の残響を付加することができます。

空間が大きいほど音が反射して戻ってくるまでに時間がかかるため、残響の立ち上がりは遅く余韻も長いことが特徴です。

ホールリバーブ

■ ルーム(Room)

リビングルームなど、中規模から小規模空間の残響を付与することができます。

ホールタイプに比べると壁や天井、床までの距離が短く、反射した音が素早く戻ってくるため、残響の立ち上がりは速く余韻も短いことが特徴です。

ルームリバーブ

■ プレート(Plate)

プレートリバーブに特化したWaves社のAbbey Road Reverb Plates

大きな金属板に音を流し、振動させることによって残響を付与する方式です。

ホールやルームのように空間を再現したものではなく、金属板による独特のクセを持ったサウンドを持っています。

立ち上がりがとても早く、滑らかな余韻が特徴です。

プレートリバーブ

■ スプリング(Spring)

金属バネに音を流し、振動させることによって残響を付与する方式です。

プレートよりもさらに残響のクセが強くビョンビョンと独特の残響音を生み出します。

メカニカルな方式ながら小型化も可能なため、今でも一部のギターアンプでは内蔵のリバーブとして使われています。

スプリングリバーブ

■ アルゴリズム(Algorithm)

残響を生み出す仕組み自体をプログラムでシミュレートすることで残響を付与する方式です。

先ほどご説明した、空間(部屋)やメカニカル方式のリバーブをシミュレートしたものはもちろん、現実ではありえないような極端なセッティングにすることもでき、幅広く汎用性が高いことが特徴です。

■ コンボリューション(Convolution)

実在するホールや教会など、任意の場所の残響特性をデータ化し、それを完全再現することによって残響を付与する方式です。

別名「サンプリングリバーブ」「インパルスレスポンスリバーブ」とも呼ばれます。

空間や物体がどのような残響を作っているのかをデータ化した「インパルスレスポンス(IR)」データを使って残響を作ります。

高品質なIRデータを用意すれば、リアルな残響を簡単に得られる点が特徴です。

しかし、処理には莫大な計算が伴うため高いコンピューター性能求められます。

リバーブの使用例

リバーブはどのようなケースで使われるのか一部取り上げて見てみましょう。

■ リバーブを使うケース

  • ケース1: センドリターンで全体に響きを付加する
  • ケース2: インサートで音の距離感を調整する
  • ケース3: 長い余韻を作る
■ ケース1:センドリターンで全体に響きを付加する

リバーブのもっとも基本的な使い方です。

センドリターンでリバーブを用いることで、同じ設定のリバーブを複数トラックに適用することができます。

同じ響きが付加されるので、全体が馴染んで聴こえるようになります。

【補足】センドリターンは、別トラックにエフェクターを立ち上げ、原音とエフェクトのかかった音を混ぜて使う方法です。その逆をインサートと言って、トラックに直接エフェクターを立ち上げることで直接的に音を変化させる方法もあります。

リバーブなし

リバーブあり

■ ケース2:インサートで音の距離感を調整する

音の距離感と残響成分は密接に関係しています。

例えばサウンドを録音する際、音源に近い位置にマイクを立てることで距離感の近い音を収録できます。

これは、残響成分よりも直接音(どこにも反射していない音)の成分が多くなるためです。

逆に、音源からマイクを遠ざけることで、残響成分の比率が高く距離感の遠い音になります。

リバーブを使うことでこのような効果を再現し、距離感を調節することができます。

この場合は、リバーブをトラックに直接インサートした上で、後述の「ミックス」というパラメータを使って調節します。

リバーブなし

リバーブあり(近め)

リバーブあり(遠め)

■ ケース3:長い余韻を作る

設定によっては、現実では再現不可能な長い余韻を作ることも可能です。

これは空間を再現するというよりは、音作りとしての側面が強い使い方になります。

そのため、この場合もインサートでリバーブを使用すると良いでしょう。

リバーブなし

リバーブあり

各種パラメータの解説

リバーブには以下のようなパラメータがあります。

  • アーリーリフレクション(Early Reflection)
  • プリディレイ(Pre Delay)
  • ディケイタイム(Decay Time)
  • サイズ(Size)
  • ディフュージョン(Diffusion)
  • フィルター(Filter)
  • ミックス(Mix)

それぞれのパラメータでどんな変化が起こるのか解説していきます。

以下の素材にエフェクトをかけてみますので、変化を聴き比べてみましょう。

エフェクトなし

■ アーリーリフレクション(Early Reflection)

初期反射音の音量を調整するパラメータです。

「ER」と頭文字のみ表示してある場合もあります。

一般的にゼロから−(マイナス)方向に設定し、値が低いほど初期反射音が小さくなります。

残響の鳴り始め、ほんの数十msec(1000分の1秒)ほどの部分ですが、リバーブのキャラクターに大きく関わる部分なのでそこを強調したり、逆に弱めたりすることができます。

ERなし

ERあり(Hall)

ERあり(Room)

ERあり(Plate)

■ プリディレイ(Pre Delay)


原音が鳴ってから、残響が鳴り始めるまでの長さを設定するパラメータです。

msec単位で指定することができ、値が大きいほど原音と残響に間ができます。

プリディレイが大きいと原音と残響音のタイムラグが大きくなるためより広い空間を再現できます。

ただし、あまりにも大きすぎると不自然になるので注意しましょう。

逆にプリディレイが小さければ、原音と残響音がほぼ同時に聴こえるため、小さな空間のように聴かせることができます。

プリディレイが0msec

プリディレイが20msec

プリディレイが100msec

■ ディケイタイム(Decay Time)

後部残響音の長さを設定するパラメータです。

「リバーブタイム(Reverb Time)」と表記されているものもあります。

一般的には秒数(sec)で設定でき、値が大きいほど残響が長くなります。

長めに設定するほど豊かな響きが得られますが、長すぎる残響は音を濁らせる原因になりますので注意しましょう。

ディケイタイムが1.0sec

ディケイタイム4.0sec

■ サイズ(Size)

残響から感じる空間の大きさを調節するパラメータです。

値が大きいほど、広い空間の響きをシミュレートするようになります。

サイズが小さいと、ディケイタイムで設定した時間より短い残響になったり、逆に大きいと、ディケイタイムより長い残響になる機種もあります。

サイズが小さい

サイズが大きい

■ ディフュージョン(Diffusion)


後部残響音の拡散度合いを調整するパラメータです。

「シェイプ(Shape)」と表記されているものもあります。

値が大きいほど複雑な残響になります。

たくさんの反射面がある空間ほど様々な方向に音が拡散し、耳に届くタイミングも五月雨となるため、残響の複雑さが増します。

ディフュージョンが小さいとすっきりとした印象の残響になり、逆に大きいと滑らかな印象の残響になりますが、原音によっては金属的な響きになる場合もあります。

ディフュージョンが低い

ディフュージョンが高い

■ フィルター(Filter)

残響の周波数バランスを調整するパラメータです。

基本的に「ハイシェルフフィルター」と「ローシェルフフィルター」が用意されており、さらに「ピークフィルター」など複数用意されている場合もあります。

残響に含まれる特定の帯域が強く出すぎていたり、全体的な明るさや重さをコントロールしたい場合などに使用します。

なお、フィルターの種類や仕組みについては以下の記事で詳しく解説しておりますのでそちらをご参照ください。

フィルターがオフ

フィルターがオン

■ ミックス(Mix)

原音と残響成分のバランスを決めるパラメータです。

「ドライ/ウェット(DRY/WET)」で表示される場合もあります。

ゼロから100までの間で指定することができ、値が大きいほどリバーブが大きく、原音が小さく聴こえるようになります。

インサートで使う場合はミックスの値を適度に調節する必要がありますが、センドリターンで使う場合は100%の状態にしておいて、センド量で調節する形になります。

まとめ

というわけで、リバーブについて詳しく解説しました。

空間の響きを再現したり、音の距離感を調整したり、エフェクティブな余韻を作ったりと、その使い方は多岐に渡ることがお分かりいただけたと思います。

それぞれの用法によって、センドリターンとインサートを使い分けるなど、エフェクトの適用方法も変わってきますので、今日の記事を参考にバッチリマスターしていただければ幸いです!

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