ビルドアップ、ドロップってなに?EDMの形式を理解しよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、「EDMの形式(=楽曲の構造)」について詳しくお伝えしていこうと思います。
どんなジャンルにも、楽曲を気持ち良く聴かせるための「形式」があります。
ポピュラー音楽ならば「Aメロ」「Bメロ」「サビ」といった構成が一般的ですが、それと同じようにEDMには固有の形式が存在するんですね。
それらを理解することで、よりEDMらしい曲作りが可能になりますので、しっかりとマスターしていきましょう!
※本企画はデータ連動企画となっています。講師イナゲが作った楽曲のパラデータをダウンロードすることができますので、ぜひそちらも合わせてご活用ください!
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ビルドアップ、ドロップってなに?EDMの形式を理解しよう!
EDMの形式
冒頭でもお伝えした通り、一般的なポピュラー音楽には「Aメロ」「Bメロ」「サビ」といった楽曲を構成するセクションがありますよね。
(洋楽の場合は、Aメロ部分を「ヴァース(Verse)」、Bメロを「ブリッジ(Bridge)」サビを「コーラス(Chorus)」と呼んだりします。)
一方、フューチャーベースをはじめとしたEDMには、「Aメロ」「Bメロ」「サビ」に該当する部分に特有の呼び方があります。
- Aメロ部分:「ヴァース(Verse)」
- Bメロ部分:「ビルドアップ(Buildup)」
- サビ部分:「ドロップ(Drop)」
Aメロの「ヴァース」はいいとして、「ビルドアップ 」や「ドロップ」という言葉は初めて聞く方も多いと思います。
それぞれ、通常の「Bメロ」や「サビ」とどう違うのか?
詳しくご説明していこうと思います。
EDMにおける各セクションの役割
EDMにおける、各セクションの役割は以下の通りです。
ヴァース(Verse)
こちらは、一般的なAメロに相当する部分で、その役割は通常のAメロと大きく変わりません。
EDMでは、この「ヴァース」部分にアンビエントで幻想的な雰囲気をあてがった楽曲が多いですね。
ヴァース部分を静かにしっとりと始めることで、後に訪れるハイエナジーなドロップとの対比が際立ちます。
教材曲のヴァース部分
ビルドアップ (Buildup)
一般的なBメロに相当する部分ですが、EDMでは特別に「ビルドアップ」という名前で呼びます。
この「ビルドアップ」は、ドロップに向けて楽曲を盛り上げるという重要な役割を担っており、様々な手法を用いて楽曲のテンションを高めていきます。
教材曲のビルドアップ部分
ビルドアップで使用する具体的なテクニックは以下の3つが代表的です。
- スネアロール
- ライザー&リバースなどのFX(効果音)
- ブレイク
それぞれ詳しくみていきましょう。
スネアロール
楽曲の進行に伴い、スネアやクラップの刻みをだんだん早くしていく手法です。
一般的には、4分音符の刻みから始まり、8分音符、16分音符と徐々に音価を細かくしていくことでテンションを上げていきます。
また、サンプラーのピッチコントロール機能を使って、スネアの音程を徐々に上げていくのも常套手段ですね!
ライザーFX(効果音)
ライザーFXの使用も非常に効果的です。
ライザーとは、その名の通り音が上昇するようなサウンドを持つFX素材。
EDMなどのダンスミュージックはもちろん、最近ではポピュラー音楽全般で幅広く活用されるようになりました。
ブレイク
ただひたすらにテンションを上げまくるだけがテクニックではありません。
一番盛り上げたい部分の直前にあえて空白部分を作ることで、ドロップの盛り上がりがより一層引き立ちます。
EDMでは、ビルドアップ最後の1小節(または2拍程度)をブレイクさせることで、その後のドロップ開始のエネルギーを最大限まで引き立たせるのが王道です。
ドロップ(Drop)
EDM最大の見せ場ともいえる部分がこの「ドロップ」。
一般的なサビとの違いは、多くの場合インストのみで演奏されるという点です。
特にヴォーカル曲の場合、歌はビルドアップいっぱいで完結し、ドロップはインストだけで聴かせるというパターンも珍しくないんですね。
楽曲の一番盛り上がる部分で歌が不在になるというのも、EDMならではの面白い特徴といえるかと思います。
仮に歌要素が入る場合においても、前回の記事でお話しした「ヴォーカルチョップ」を使ったエフェクティブな声ネタが主流です。
教材曲のドロップ部分
まとめ
というわけで、EDMの形式についてお伝えしてきました。
今日お伝えした楽曲の構造は、エレクトロハウスやダブステップなど、あらゆるEDMで使われる手法となっています。
その分応用範囲も広いと思いますので、ぜひ覚えておいてくださいね!
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