ギターの基礎知識①:アコースティックギターの種類を理解しよう!
こんにちは、OTOxNOMA認定講師、作曲家の青山シゲルです。
OTOxNOMAでギターアレンジの記事を担当させていただくことになりました。
よろしくお願いします!
ギターカリキュラム最初のセクションでは、ギターアレンジをする上で欠かせない基礎知識をまとめていきます。
今回は、アコースティックギターの「種類」や「特徴」について詳しく解説。
- アコースティイックギターとは?
- アコースティックギターの種類
- クラシックギターの構造、特徴
- フォークギターの構造、特徴
- その他のバリエーション
ギターにはさまざまな種類・呼び方がありますが、正しく理解しておくことで、楽曲をアレンジする際に適切な楽器や音色を迷わず選択することができるようになります。
しっかり学習していきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
ギターの基礎知識①:アコースティックギターの種類を理解しよう!
アコースティックギターとは?
ここでは、そもそもアコースティックギターとはどのような楽器なのかを解説していきます。
基本的な話になりますが、今後の学習のために必要な前提知識となりますのでしっかり理解しておきましょう!
ギターとは?
女性の体を模したくびれたボディと主に6本の弦を持つ弦楽器です。
(7弦以上の多弦の楽器や、2本の弦を1セットとした12弦ギターなどの亜種も存在します。)
今日のポップミュージックでは欠かすことの出来ない楽器ですね。
16世紀初頭のスペインで前身となる4弦の楽器「ビウエラ」から派生したといわれており、現在の6弦の形になったのは18世紀後半といわれています。
大別すると、電気回路を持たない「アコースティックギター」と、電気回路で音を増幅させる「エレクトリックギター」の2種類に分けられます。
アコースティックギター サウンド
エレクトリックギター サウンド
アコースティックギターとは?
アコースティックギターとは、後述する「クラシックギター」「フォークギター」など、電気回路を持たない生のギターの総称です。
ただし、クラシックにおいては電気増幅しないのは当たり前であるため、あえて「アコースティック」という言葉は使いません。
昨今のポピュラー音楽においては、アコースティックギター=鉄弦のフォークギターのことを指して呼ぶことも多いですね。
また、アコースティックなサウンドのまま電気増幅することを可能とした「エレクトリックアコースティックギター(通称「エレアコ」)」と呼ばれる機種も存在します。
アコースティックギターの種類
アコースティックギターは大きく分けて、ナイロン弦を張った「クラシックギター」と鉄弦を張った「フォークギター」の2種類があります。
また、クラシックギターと似た構造ながらフラメンコの演奏に特化したフラメンコギターなども存在します。
クラシックギターとは
名前の通り主にクラシック音楽で使われていたギターです。
しかしながら、現代のポップミュージックにおいてもギターサウンドのバリエーションとして多く使われています。
特にボサノヴァやラテンミュージックではむしろ欠かせない存在ともいえるでしょう。
元はガット(羊の腸)を弦に用いていましたが(そのため「ガットギター」とも呼ばれる)、現在では主にナイロンを主とした化学素材の弦が張られています。
鉄弦より柔らかく甘い音が特徴です。
またフォークギターに比べ平坦な指板、幅広いネックを持っています。
弦が柔らかいためフォークギターより押さえるのが楽な反面、ネックの幅が広いため指の開きが要求されます。
クラシックギター
フォークギターとは
フォークギターは、カントリーやフォークソング~ポップミュージック等で幅広く使われるギターです。
スペイン起源のクラシックギターがアメリカに渡った際、既存のバンジョーの影響を受け鉄弦に変遷していったと言われています。
音質は金属的な明るい響きを持ち、ほとんど指で演奏されるクラシックギターと違いピックを使うことも多く、より硬質な音を奏でます。
クラシックギターよりネック幅が狭いため、コード演奏(6本の弦を同時に押さえ和音で演奏する)に適しています。
鉄弦の場合、ナイロン弦よりはるかに強力な力がボディにかかります。
そのため、楽器の強度を上げるための「力木」と呼ばれる補強材が表板裏側に接着されています。
これにより表板の鳴りが抑えられ、クラシックギターに比べるとよりタイトな響き方をします。
また、ピックでの演奏で表板に傷がつくことを保護するため、「ピックガード」というプラスティックやセルロイド製の板が貼られているのも特徴です。
フォークギター
フォークギター サウンド(ピック)
フォークギター サウンド(指)
その他のバリエーション
ここからは、「クラシックギター」や「フォークギター」から派生したバリエーション楽器、および、弦の数が異なるモデルなどを紹介していきます。
今回は、以下の3種のギターをご紹介します。
- フラメンコギター
- リゾネーターギター
- 12弦ギター
フラメンコギター
クラシックギターに非常に近い構造ですが、フラメンコ音楽の演奏に特化した構造のものを呼びます。
アコースティックギターを「クラシック」「フォーク」「フラメンコ」と3分類にしている文献もありますが、構造的に見てクラシックギターのバリエーションと考えて良いでしょう。
主な特徴として、材質の違い、弦長の違いがあります。
重厚な響きのクラシックギターより、より激しく明るいサウンドが求められるフラメンコ音楽に合わせて軽い木材が使われていて楽器自体の質量も軽くなります。
またクラシックギターに比べてコード演奏を多用するため、押弦がしやすいよう弦長が長めになっています。
かき鳴らすような奏法やボディを叩くような奏法も多く用いられることから、表版を保護するため「ゴルぺ版」と呼ばれる板(ピックガードの一種)が貼られています。
フラメンコギター サウンド:『ベサメ・ムーチョ』沖仁
リゾネーターギター
音楽スタイルの変遷のなか、エレクトリックギター登場以前により大きな音を出す目的のため開発されました。
表板に「リゾネーター」と呼ばれる金属製の共鳴板をはめ込んであり、ブルースやブルーグラス、ハワイアンなどでよく使われます。
独特な響きから「スライドギター奏法」が多用されます。
【スライドギター奏法】「ボトルネック」と呼ばれるガラスや金属製の筒を指にはめ、弦上を滑らせて演奏するスタイルのこと。
リゾネーターギター サウンド:『Come on into my kitchen』Sarah Rogo
12弦ギター
アコースティックギター、エレクトリックギターともに、12本の弦を持つ12弦ギターというものが存在します。
いわゆる多弦ギター(7弦以上の弦を持つギター)の一種ではありますが、エレクトリックギターでよく使われている7弦、8弦ギター等とは根本的に構造が異なります。
(7弦、8弦ギターについては、はエレクトリックギターの記事で別途解説します。)
通常のギターは6本の弦を持ちますが、この6本それぞれを主弦と復弦の2本セットとした合計12本の弦が張られているのが12弦ギターです。
通常の6弦と同じ音程の主弦に対し、3~6弦は1オクターブ上の復弦が、1~2弦は同じ音程の復弦が張られています。
押弦は主弦と復弦を同時に押さえますので、基本的に6弦ギターと同じように演奏できますが、いっぺんに2本押さえなければならないため、押弦にはより強い力が求められます。
6弦とくらべて広がりのある独特の美しい響きを出すことができ、その特徴的なサウンドから多くのヒット曲で用いられてきました。
代表的な例としては『Hotel California(EAGLES』『ガンダーラ(ゴダイゴ)』などが挙げられます。
12弦ギター
12弦ギター サウンド①:『Hotel California』EAGLES
12弦ギター サウンド②:『ガンダーラ』ゴダイゴ
まとめ
ギターの種類や分類を中心に、大まかな特徴や構造、サウンドをご紹介しました。
ジャンルや音楽スタイルによってさまざまな種類&スタイルのギターが使われていますので、普段音楽を聴くときにより注意深くギターパートに耳を傾けてみてください。
どんなジャンルの音楽にどんな種類のギターが使われているかを理解して、ご自身のアレンジにも取り入れていただければ幸いです。
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