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キーボードの基礎知識②:アコースティックピアノの種類とその構造を理解しよう!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、アコースティックピアノの種類と構造について解説していきます。

  • アコースティックピアノとは?
  • アコースティックピアノの種類
  • アコースティックピアノの構造

我々日本人にとって最も身近な楽器ともいえるアコースティックピアノ。

しかしながら、その詳細を熟知している人はそう多くはないのではないでしょうか?

アコースティックピアノにはどんな種類があり、どのような構造で発音しているのか?

詳しく解説していきますので、バッチリ学んでいきましょう!

※こちらの内容は動画でも学習することができます。

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キーボードの基礎知識②:アコースティックピアノの種類とその構造を理解しよう!

キーボードの基礎知識②:アコースティックピアノの種類とその構造を理解しよう!

アコースティックピアノとは?

アコースティックピアノとは、その名の通り電気的な回路を持たない(アコースティックな)ピアノのことです。

簡単にいうと、我々がよく知るあの「ピアノ」のことですね。

楽器内部に張られた弦をハンマーで叩くことで発音、それを響板やボディで共鳴させることによって増幅・放出します。

(詳しい構造については後述します。)

我々日本人にとって最も身近な楽器のひとつであり、習い事として広く定着していることから、演奏経験のある方も少なくないのではないでしょうか?

正式名称は「ピアノフォルテ」

ちなみに「ピアノ」という名称は、じつは本来の呼び名ではありません。

正式には「ピアノフォルテ」といって、その名の通り「弱い音(ピアノ)」と「強い音(フォルテ)」を自在に表現できる楽器として誕生しました。

(このことから、ピアノの略記は「Pf.」となります。)

なぜこのような名前になったかというと、ピアノの前身ともいえる「チェンバロ(ハープシコード)」では強弱の表現ができなかったからです。

常に一定の音量でしか演奏できないチェンバロに対し、自在に強弱をつけられる楽器として誕生したのが「ピアノフォルテ」。

現在では当たり前となっている強弱表現にも、開発者たちの涙ぐましい努力があったと思うと感慨深いものがありますね。

アコースティックピアノの種類

アコースティックピアノは、以下の2種類にわけることができます。

  • グランドピアノ
  • アップライトピアノ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

■ グランドピアノ

ピアノといったらやっぱりこれですね!

数ある楽器の中でもとくに大きなボディを持つ、ピアノの王様。

じつはグランドピアノにもいくつかの種類があり、ボディの大きさによって以下の4種類に分類されます。

  • ベビーグランドピアノ(全長約140〜180cm程度のもの)
  • サロン(パーラー)グランドピアノ(全長約180〜210cm程度のもの)
  • セミコンサートグランドピアノ(全長約210〜240cm程度のもの)
  • フルコンサートグランドピアノ(全長約240〜308cm)

シンプルに、ボディが大きいほど楽器の鳴りが良くなり演奏のニュアンスもつけやすくなります。

(その分お値段も2000万〜3000万円とお高いです・・・。)

よって、コンサートホールやレコーディングスタジオでは「フルコンサートグランド」が置かれるのが一般的です。

(もちろん設置場所や予算の都合がつかない場合は別ですが。)

また、我々が使用するピアノ音源の多くは「フルコンサートグランドピアノ」を収録したものとなります。

安価に最上級のサウンドが得られる現代は本当に恵まれていますね。

フルコンサートグランドピアノの演奏



■ アップライトピアノ

家庭用のピアノとして広く流通しているアップライトピアノ。

アップライト(Upright)とは「まっすぐな・垂直な」という意味で、ピアノにおいても垂直に立てて設置できるよう設計した楽器のことを指します。

アップライトベースと同じ意味ですね!)

グランドピアノと比べて非常にコンパクトなため設置場所を選ばないというメリットがある一方、音色的にはやはり見劣りしてしまいます。

グランドピアノ特有のクリアできらびやかなサウンドは薄れ、中域が強めのくぐもった印象のサウンドです。

とはいえ、その特徴的なサウンドが楽曲にマッチすることもあると思いますので、目的に合わせて適宜選択するとよいでしょう。

アップライトピアノの演奏



ホンキートンクピアノ

ホンキートンクピアノとは「チューニングの狂ったアップライトピアノ」のことです。

ピアノは定期的に調律しないとどんどん音程が狂っていくものですが、それを放置したまま演奏しつづけたアメリカ南部の酒場が発祥です。

どこかおどけたような味のあるサウンドは、今日においても愛され続けています。

とくにラグタイムやカントリーなどのジャンルではホンキートンクピアノを取り入れることで一気に雰囲気が増しますのでぜひチャレンジしてみてください!

ホンキートンクピアノの演奏



アコースティックピアノの構造

ここからは、アコースティックピアノの構造について解説していきます。

アコースティックピアノは、主に以下のパーツで構成されています。

  1. ボディ
  2. フレーム
  3. 響板
  4. 鍵盤
  5. ハンマー
  6. ダンパー
  7. ペダル

それぞれ順にみていきましょう。

1. ボディ

楽器全体を覆う筐体部分です。

楽器を支える足も含めてすべて「ボディ」といいます。

2. フレーム

弦を張るための金属製のフレームのことです。

ピアノの弦の張力は極めて高いため、フレームの強度がそのままピアノの音域に直結します。

黎明期は金属ではなく木製のフレームが採用されていたため、その強度ももろく高い圧力には耐えられませんでした。

現在は金属フレームを使用することでその強度もアップ、幅広い音域を実現しています。

3. 響板

弦の下、ボディ裏側に設置された共鳴用の板です。

弦から発せられた振動を共鳴させることで、美しく豊かな響きを作り出します。

4. 鍵盤

実際に演奏を行うための鍵盤部分です。

グランドピアノ、アップライトピアノ問わず88鍵が主流です。

鍵盤本体は木製となっていますが、表面部分には樹脂製の素材が使われています。

以前は白鍵部分に象牙が使用されているピアノも多くみられましたが動物愛護の観点から現在は超ハイグレードなオプションとしてのみ採用されています。

5. ハンマー

鍵盤に加えられた力を弦に伝達するための機構です。

「ハンマーアクション」という言葉を聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれませんが、まさにそれこそがこの部分ですね。

アコースティックピアノでは、楽器内部に格納されたハンマーが打鍵によって持ち上がり弦を叩くことで発音します。

このとき、鍵盤に加えた力がそのままハンマーに伝わるため、前述の強弱表現が可能となっているわけですね。

6. ダンパー

弦の真上には「ダンパー」と呼ばれる制振用の器具が取り付けられており弦の振動を抑制しています。(要はミュート状態。)

鍵盤を押さえることでそのキーに対応したダンパーが外れ、その間は音が出るようになります。

逆に、離鍵と共にダンパーは元の位置に戻り、発音が停止します。

7. 弦

アコースティックピアノの弦は、音域によって複数本の弦が貼られています。(複弦といいます。)

  • 中音域〜高音域:1音につき3本の弦
  • 中低域より下:1音につき2本の弦
  • 超低域:1音につき1本の弦

中低域以上は1音につき2〜3本の弦が同時に発音することから、クリアな音を出すためには綿密な調律が必要になります。

(故に専門の調律師がいるわけです。)

逆に、複弦のチューニングが狂うほどうねりのある独特の効果を生むことになり、前述のホンキートンクピアノ特有のサウンドを生み出す要因にもなっています。

8. ペダル

足元にはサウンドをコントロールするための3つのペダルがついています。

3つのペダルはそれぞれ以下のようなものとなっています。

  • 右ペダル:ダンパーペダル
  • 中央ペダル:ソステヌートペダル
  • 左ペダル:シフトペダル
右ペダル:ダンパーペダル

前述のダンパーを持ち上げるためのペダルです。

別名「サスティンペダル」ともいって、こちらの方がDTMerには耳馴染みがありますね。

このペダルを踏んでいる間は全ての弦のダンパーが外れ、離鍵後も音を持続させることができます。

中央ペダル:ソステヌートペダル

個別の鍵盤のみに作用するダンパーペダルのようなものだと思ってください。

ある鍵盤を弾いている最中にこのペダルを踏むと、その音だけを長く持続させることができます。

左ペダル:シフトペダル

柔らかいサウンドを得るためのペダルです。

別名「ソフトペダル」ともいいます。

このペダルを踏むと鍵盤を含む演奏機構全体が右方向にシフトし、その影響でハンマーが弦を叩く位置も右側に動きます。

これにより、ハンマーが接触する弦の本数(または位置)が変わることで、柔らかいサウンドへと変化します。

まとめ

というわけで、アコースティックピアノの種類とその構造について詳しく解説しました。

そのサウンドや構造を十分に理解することで、アレンジ、音選び、打込みの幅もグンと広がるはずです。

実際に楽器を触ってみるのもオススメですので、ぜひチャレンジしてみてください!

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