キーボードのボイシング②:キーボード演奏における両手の使い方3選!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、キーボード演奏における両手の使い方について解説していきます。
- キーボード演奏3つのフォーム
- フォーム1:左手ベース+右手コード
- フォーム2:両手でコード
- フォーム3:左手コード+右手メロディ
キーボードでは両手を使って演奏しますが、それぞれどのような役割を担っているのでしょうか?
今回はそれらを3つのフォームに分類して、それぞれの用途や音の配分について解説していきます。
楽しく学んでいきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
キーボードのボイシング②:キーボード演奏における両手の使い方3選!
キーボード演奏3つのフォーム
キーボードを演奏する際、左右の手をどのように使えば良いのでしょうか?
以下の3種のフォームが考えられます。
- フォーム1:左手ベース+右手コード
- フォーム2:両手でコード
- フォーム3:左手コード+右手メロディ
それぞれ詳しくみて行きましょう。
■ フォーム1:左手ベース+右手コード
左手はベースを担当し、右手はコードを押さえるフォームです。
キーボードアレンジにおける最も基本的なスタイルであり、バンドアンサンブルはもちろん、キーボード独奏やキーボード単体での伴奏でも使われる型となっています。
このフォームではベースとコードをまんべんなく演奏する必要があることから、おもにローポジションでの演奏が中心となります。
このとき、左右それぞれの手は以下のような形になります。
左手 | 右手 | |
役割 | ベース音 | コードトーン |
音数 | 1〜2音 | 3〜4音 |
左手はベース音を単音、またはオクターヴによる2音で演奏。
右手はコードトーンを3〜4音押さえる形ですね。
なお、キーボードでは片手で演奏可能な音は最大4音となりますので覚えておきましょう。
単音ベース+コード
オクターヴベース+コード
■ フォーム2:両手でコード
左手にもコードトーンを積極的に配置し、両手全体を使ってコードを演奏するフォームです。
その都合上、ローインターバルリミットに抵触しないハイポジションでの演奏が基本となります。
(もちろん、ローインターバルリミットさえ守っていればローポジションでも演奏可能です。)
このフォームではキーボードはベースを演奏しませんので別途ベースパートが必要となります。
このことから、バンドアンサンブルにおいて最も頻繁に使用される型といっても過言ではないでしょう。
また、オルガンはベース音を足鍵盤で演奏することから、手鍵盤でのコード演奏はこちらが採用されることが多くなります。
このフォームでは、左右それぞれの手を以下のように使います。
左手 | 右手 | |
役割 | コードトーン | コードトーン |
音数 | 2〜4音 | 2〜4音 |
両手合わせて最大8音となっていますが、これらを全て使うことはほとんどありません。
左右それぞれ2〜3音で、以下のような組み合わせが一般的です。
- 左手2音+右手2音=合計4音
- 左手2音+右手3音=合計5音
- 左手3音+右手3音=合計6音
4音のボイシング
5音のボイシング
6音のボイシング
また、ベースパートが他にいることから、ルートを演奏しない「ルートレスボイシング」が用いられることもよくあります。
ルートレスボイシング(ピアノのみ)
ルートレスボイシング(ベース入り)
■ フォーム3:左手コード+右手メロディ
コードの演奏を左手に一任することによって、右手でのメロディ演奏を可能にしたフォームです。
このことから、おもにピアノソロなどで使用されるほか、足鍵盤のあるオルガンでもこの形が用いられます。
こちらも左手でコードを演奏する都合上、ローインターバルリミットに抵触しないハイポジションでの演奏が基本となります。
また、別途ベースパートが必要な点もフォーム2と同じですね。
したがって、いくらメロディを演奏するといっても、ピアノの独奏では使用できない型であることも覚えておいてください。
このフォームでは、左右それぞれの手を以下のように使います。
左手 | 右手 | |
役割 | コードトーン | メロディ |
音数 | 3〜4音 | 1〜4音 |
左手はコードを一手に引き受けますので、3音以上の演奏がデフォルトとなります。
一方右手は、単音でのメロディ演奏はもちろん、オクターヴやハモリによる重音で演奏することもあります。
コード+単音メロディ(ピアノのみ)
コード+単音メロディ(ベース入り)
コード+重音メロディ(ピアノのみ)
コード+重音メロディ(ベース入り)
まとめ
というわけで、キーボードにおける両手の使い方について詳しく解説しました。
世の中にはさまざまな演奏スタイルがありますが、その多くは今日ご紹介した3つのフォームのいずれかに当てはまるはずです。
いろんな楽曲のキーボードパートを聴きながら、どのフォームで演奏しているかを分析するのも勉強になりますので、ぜひチャレンジしてみてください!
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