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キーボードのボイシング⑤:ルートレスボイシングでベースやギターとの共存をはかろう!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、キーボードのルートレスボイシングについて解説していきます。

  • ルートレスボイシングとは?
  • ルートレスボイシングの作り方
  • ギターとの共存方法

ルートレスボイシングは、ベースやギターなどのバンド楽器と共存をはかる上で極めて重要なテクニック。

クリアで明瞭なバンドアレンジに仕上げるために欠かせないものとなっていますので、バッチリマスターしていきましょう!

※こちらの内容は動画でも学習することができます。

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キーボードのボイシング⑤:ルートレスボイシングでベースやギターとの共存をはかろう!

キーボードのボイシング⑤:ルートレスボイシングでベースやギターとの共存をはかろう!

ルートレスボイシングとは?

ルートレスボイシングとは、その名の通り各コードのルートを省略したボイシングのこと。

エレキベースを始めとしたベース楽器とのアンサンブルで用いられるテクニックで、両者の役割を切り分けることで明瞭なアレンジ&サウンドに仕上げることができます。

 

まずは、ルートを含む通常のボイシングをベースと組み合わせて聴いてみましょう。

ローポジション+ベース

ハイポジション+ベース

ローポジションの方では左手のルートがベースとかぶってしまい、音に濁りが生じています。

この時点で、すでにルートが邪魔になっていることは明らかですね。

一方で、ハイポジションの方は左手のルートとベースの音域が乖離しているため濁りは生じていません。

とはいえ、よりアグレッシブに動くベースラインの場合はバッティングしてしまう可能性も十分に秘めています。

見方を変えれば、キーボードにルートが入っていることでベースラインの自由度を阻害していると考えることもできるわけです。

ならば、いっそのことキーボードからベースを抜くことでサウンドもすっきりしますし、ベーシストも自由に動くことができるようになるんですね。

このように、ベースと共存させる場合はルートレスボイシングを使った方が良い場合も多いことを覚えておきましょう。

ルートレスボイシングの作り方

ここからは、ルートレスボイシングの作り方をご紹介していきます。

以下の手順で進めていきましょう。

  • 手順①:左手に3rdと7thを配置する
  • 手順②:右手に5thを配置する
  • 手順③:右手にテンションを追加する
  • 手順④:必要に応じてさらに右手に音を追加する

手順①:左手に3rdと7thを配置する

まずは、左手に3rdと7thを配置しましょう。

これにより、必然的にテンションが右手に配置されることになるため、すっきりとしたサウンドに仕上がります。

例によって、左手は「C3」を超えないように配置するのがポイントです。

左手に3rdと7thを配置(ベースなし)

左手に3rdと7thを配置(ベース入り)

手順②:右手に5thを追加する

次に、右手に5thを追加してみましょう。

これでルート以外の基本的なコードトーンを網羅することができました。

右手に5thを追加(ベースなし)

右手に5thを追加(ベース入り)

手順③:右手にテンションを追加する

まだまだ右手に余裕があるので、テンションを追加してみましょう。

シンプルに9thを入れるだけでも十分サマになりますし、右手をちょっと動かすだけでオルタードテンションも簡単に入れることができます。

右手にテンション追加(ベースなし)

右手にテンションを追加(ベース入り)

オルタードテンション入り(ベースなし)

オルタードテンション入り(ベース入り)

手順④:必要に応じて右手にさらに音を追加する

ここまでの工程で、左手2音右手2音によるボイシングが完成しました。

この状態でも十分といえば十分なのですが、せっかく右手に余裕ができたので1音追加してより豪華なサウンドにしてみましょう

最もシンプルな方法は、右手に最低音のオクターヴ上を追加する方法です。

これにより、厚みのあるサウンドを作ることができます。

右手にさらに音を追加(ベースなし)

右手にさらに音を追加(ベース入り)

オルタードテンション入り(ベースなし)

オルタードテンション入り(ベースあり)

ギターとの共存方法

次に、ギターとの共存についてみていきましょう。

結論からいうと、ルートレスボイシングを採用した時点でギターとの共存も十分に果たせるようになります。

以前、「アレンジにおけるキーボードの役割と音域設定」の記事でもお伝えした通り、キーボードとギターの音域を住み分けることでバランスの良い配分が可能になります。

ルートレスボイシングを用いるということは、キーボードは必然的にハイコードゾーンにまたがる比較的高い音域でコードを演奏することになります。

であれば、ギターがローコードゾーンに入ってきてもバッティングせずにうまくまとまるという寸法です。

試しにギターを入れた音源を聴いてみましょう。

エレキアルペジオ入り

エレキアルペジオ&アコギストローク入り

全く違和感ありませんよね。

では、試しにキーボードをローポジションにすげかえてみたらどうなるでしょう?

ピアノローポジション版

キーボードの音域とギターの音域がまるかぶりしてしまい、不明瞭なサウンドになっていることがおわかりいただけると思います。

このような問題も、ルートレスボイシングを使うことで一気に解決します。

ベースやギターとの共存をはかるための有効なテクニックとなりますので、ぜひ覚えておいてくださいね!

まとめ

というわけで、ルートレスボイシングとそれによるベースやギターとの共存方法について解説しました。

とくにバンド編成のアレンジにおいては必須のテクニックとなるルートレスボイシング。

今日の記事を参考に、ぜひその理解を深めていただければ幸いです!

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