マスタリングの実践テクニック①:マスタリングの手順5ステップを理解しよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、マスタリングを実践する上で抑えておきたいマスタリングの手順5ステップについて解説していきます。
- マスタリングの手順に対する正しい理解
- マスタリングの手順5ステップ
- リファレンス曲を聴き込みイメージを明確にする
- リファレンス曲と同じ音量まで音圧をアップさせてみる
- その結果見えてきた問題を分析する
- 解決策を検討し1つずつ処理を行う
- 楽曲が完成したらマスターデータ作成とチェック
マスタリングはどのような流れで行われるのか?
その手順を正しく理解することで、スムーズに作業を進めていくことができるようになります。
適切にマスタリングを行うために必要な”根本的な考え方”をお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてくださいね!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
マスタリングの実践テクニック①:マスタリングの手順5ステップを理解しよう!
マスタリングの手順に対する正しい理解
まず、マスタリングの手順に対する正しい理解を深めましょう。
実際のところ、マスタリングには「この順番で行えばいい!」という明確な正解はありません。
作曲やミキシングなど音楽制作全般に対していえることですが、求める結果に対してとるべき手段が変わるからです。
例えば、特段コンプやEQで処理をしなくても、マキシマイザーで音圧を上げるだけで十分理想的なサウンドが得られるならばそれはそれで構わないわけです。
とくにマスタリングにおいては、余計な処理を行ったばかりにかえって音を悪くしてしまうことも少なくありません。
ですから、常に以下の流れを念頭において作業をするよう心がけましょう。
- 求めるサウンドのイメージを明確にする
- 求めるサウンドと現状の差異を把握する
- その差異を埋めるための手段を検討する
- 実際に処理を行う
- 結果を聞き比べ理想のサウンドに近づいたかどうかを確認する
- うまくいかない場合は1〜5をやり直す
- それでもうまくいかないならミキシングからやり直す
求める結果と現状の差異を把握し、どうすれば理想のサウンドに近づけることができるのかを注意深く観察しながら作業を進めていきましょうね!
マスタリングの手順5ステップ
ここからは、実際にマスタリングを行う際の手順をご紹介していきます。
先ほどもお伝えした通り、具体的な作業内容は状況によって変動するものですから、いかなる状況においても指針となるよう5つのステップにわけて手順をまとめておきます。
以下の通りです。
- リファレンス曲を聴き込みイメージを明確にする
- リファレンス曲と同じ音量まで音圧をアップさせてみる
- その結果見えてきた問題を分析する
- 解決策を検討し1つずつ処理を行う
- 楽曲が完成したらマスターデータ作成とチェック
1. リファレンス曲を聴き込みイメージを明確にする
とにもかくにも、まずはリファレンス曲をよく聴いてイメージを明確にしていきましょう。
求めるサウンドのイメージを明確にするには、実際にそのサウンドを聴くのがイチバンですからね。
この時、以下のポイントに着目して聞いてみると良いでしょう。
- 音圧
- 周波数バランス
- 定位
- 個々の楽器の明瞭さ
リファレンス曲は、音圧はもちろんサウンド全体の質感において明確な指針となるもの。
上記4点に着目して聴いてみることで、どのようなサウンドを目指すべきかがはっきりします。
迷ったらいつでもリファレンスに立ち戻ることが重要です。
2. リファレンス曲と同じ音量まで音圧をアップさせてみる
次に、一度リファレンス曲と同じ音量に聴こえるまで音圧をアップさせてみましょう。
シンプルに、マキシマイザーを使ってググッと音量を上げてみるだけでOKです。
この時、さまざまな問題に遭遇する可能性がありますが、それはこの後解決していくので気にせず上げてみるところから始めましょう。
3. その結果見えてきた問題を分析する
多くの場合、単に音量アップをしただけでは多くの問題にぶつかるはずです。
例えば以下のようなものです。
- 思ったように音圧が上がらない
- バランスが崩れてしまった
- 個々の楽器の音像が不明瞭になってしまった
これらの問題とその原因を1つずつ分析していくわけです。
例えば、音圧が上がらないのであれば、特定の周波数ばかりにエネルギーが集中していたり、各楽器の定位が一箇所に固まっている部分があったりといった問題が考えられます。
原因を特定することでそれに対する解決策も見えてくるので、まずは問題を正しく把握し、その問題がなぜ起きているのかをしっかりと分析していきましょう。
4. 解決策を検討し1つずつ処理を行う
次に、前のステップで分析した問題に対する解決策を検討し、実際に処理を行なっていきます。
例えば、思ったように音圧が上がらない原因として、周波数や定位の偏りがある可能性が考えられますが、その場合はEQによる周波数分布の調整や、場合によってはMS処理と呼ばれる音像の調整を行う必要が出てくるでしょう。
また、音圧を上げることでバランスや音像が崩れてしまう場合も、EQを使ってバランス調整をしたり、不明瞭なパートの補完を行う必要があります。
加えて、過度にリミッティングされないようコンプによるピークの調整を行う必要もあるかもしれません。
もちろん、マスタリングでどうこうするよりも、結局ミックスに戻った方が早いと判断する場合も十分にあると思います。
問題に対する具体的な解決策については以後の記事で詳しく解説しますが、ここでは想定される対処法を十分に検討した上で、最も適切と思しき手段を試していきましょう。
5.楽曲が完成したらマスターデータ作成とチェック
4までのステップを行うことで、リファレンス曲と近しい仕上がりになったらようやくマスターデータ制作となります。
ここからは、実際にマスターファイルを書き出したり、マスタリングソフトでマスターCDやDDPの作成を行うことになります。
曲の入りや余韻、曲間をしっかり調整して、アルバム全体を通して聴いた際に違和感がないように仕上げていきましょう。
もちろん、データを書き出したあとは再度通しで聞いて不具合がないかしっかりチェックしましょうね!
まとめ
というわけで、マスタリングの手順について詳しく解説しました。
今日お伝えした流れを意識しながらマスタリングを行うことで、必要な処理を正しく判断しながら作業を進めていけるはずです。
まずは根本的な考え方とその流れをしっかりと理解し、スムーズに作業が進められるようにしていきましょう!
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