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マスタリングの実践テクニック⑥:音像の調整方法をマスターしよう!ステレオエンハンサーとM/S処理のテクニック!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、マスタリングにおける音像調整について解説していきます。

  • マスタリングにおける音像調整の基本
  • 各種エフェクトのセッティング
    • ステレオ感の増強
    • M/S処理

今日ご紹介するテクニックは、2Mixの状態からステレオ音像をコントロールしていくもの。

いわばマスタリングならではのテクニックといえます。

必ずしも必要な工程ではありませんが、適切な音像の処理方法を学んでおくことでマスタリングの自由度が格段にアップします。

ぜひ楽しく学んでいきましょう!

 

マスタリングの実践テクニック⑥:音像の調整方法をマスターしよう!ステレオエンハンサーとM/S処理のテクニック!

マスタリングの実践テクニック⑥:音像の調整方法をマスターしよう!ステレオエンハンサーとM/S処理のテクニック!

マスタリングにおける音像調整の基本

マスタリングにおける音像調整とは、主にステレオ空間全体の密度を調整する作業となります。

ミックスダウンが完了した時点で各パートの定位は適切に割り振られてはいるものの、マスタリングに伴う各種処理によって更なる調整が必要になる場合があるためです。

この作業は必ずしも必要というわけではありませんが、必要に応じて以下のような作業が行われます。

  • ステレオエンハンサーによるステレオ感の調整
  • M/S処理によるMidあるいはSide成分の調整

それぞれ詳しく解説していきます。

■ ステレオエンハンサーによるステレオ感の調整

ステレオエンハンサーは、左右の音像を広げる(あるいは狭める)ことで、ステレオ幅を調整するためのエフェクトです。

ステレオイメージャーとも呼ばれ、こちらの名称の方が馴染みがあるかもしれませんね。

ステレオイメージャーの例:WAVES S1 Stereo Imager

音圧を上げていく過程で、元の素材によっては、センター成分の存在感が増し左右の広がりが乏しく感じてしまう場合があります。

そんなときは、ステレオエンハンサーを使って音像を広げながら再調整していくことになります。

とはいえ、過度にかけすぎると位相ズレを起こしてしまい不明瞭なサウンドになってしまうので注意しましょう。

元のサウンド

ステレオエンハンサーで空間を広げた音

ステレオエンハンサーをかけすぎると・・・?

■ M/S処理によるMidあるいはSide成分の調整

次に、M/S処理についてみていきましょう。

M/S処理とは、「Mid(センター定位の成分)」と「Side(左右に振られた成分)」を分離し、それぞれに個別のエフェクト処理を行うことです。

センター成分とLR成分の音量バランスや周波数分布などを調整することができます。

例えば、中央に定位させることの多い「ヴォーカル」「ベース」「スネア」「キック」など、楽曲の主軸となるパートには影響を与えず、サイドにあるパートにだけEQコンプをかけるといったことができるわけです。

Mid成分にはあまりコンプをかけず、Side成分をしっかり目に圧縮するなどして、サウンドの明瞭さを保ったまま迫力のあるサウンドを作ることができます。

「Shadow Hills Mastering Compressor 」に搭載されたM/S処理用のスイッチ

元のサウンド

通常のコンプ適用後

M/S処理によるコンプ適用後

各種エフェクトの設定

ここからは、各種エフェクトの設定をみていきましょう。

今回は、Shadow Hills Mastering CompressorについているステレオエンハンサーとM/S処理機能をつかってサウンドを調整しました。

■ ステレオ感の増強

まずは、Shadow Hills Mastering Compressorの右下にある「STEREO WIDTH」を135%まで上げてステレオ成分を増強しました。

前述のとおり、かけすぎると音像が崩れてしまいますので注意しましょう。

■ M/S処理

次に、下部にあるM/S処理用のスイッチを押して有効にします。

さらに、モードを「Dual Mono」に変更。

これにより、画面左側部分がMid成分に対して、右側部分がSide成分に対してかかるM/Sコンプとして使用することができます。

上段のオプトコンプはMid成分には強く作用しますが、Side成分にはあまり影響がありません。

一方で、下段のディスクリートコンプ(VCAコンプ)はMidとSideそれぞれに影響しますが、今回は右側のSide用コンプを少しだけ強めにかけて全体の密度をアップさせました。

元のサウンド

ステレオエンハンサー適用後

M/S処理後

まとめ

というわけで、マスタリングにおける音像調整のテクニックについて解説しました。

とくにM/S処理は、今日ご紹介した意外にもアイディア次第で無限の可能性を秘めておりますので、ぜひご自身でも研究してみてください!

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