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「速度」と「強弱」に関する楽語・記号の基礎知識!

こんにちは、OTOxNOMA認定講師の鎧都万雄大です。

今回は、速度と強弱に関する楽語・記号について解説していきます。

  • 楽語・記号とは?
  • 速度に関する楽語・記号
  • 強弱に関する楽語・記号
  • 付加語と接尾語

音符や五線の外に表記される楽語や記号が、一体何を意味しているのか?

これまでなんとなく見ていた方にはもちろん!初めての方にもわかりやすく解説していきます。

楽語や記号が読み取れると、楽譜から得られる情報が格段に増えますのでしっかり身につけていきましょう!

 

楽典:速度と強弱に関する楽語・記号

楽語・記号とは?

楽語や記号とは、楽譜上で使われる短い文字や記号を指します

楽語は、楽譜に書き込まれている文字情報全般、記号は、楽譜に書き込まれている文字以外の情報全般のことを指します。

楽語や記号は、作曲家が演奏家など、楽譜を読む人へ向けて、楽曲の速さや奏法を指示するためのものから、抽象的なイメージを共有するものまで多岐にわたります。

今回はその中でも、楽曲の速度、強弱に関わる楽語・記号について解説していきます。

速度に関する楽語・記号

速度は、楽曲のテンポ(Tempo)のことです。

速度に関する楽語や記号は、主に2つの指定方法に分けられます。

  • 数字で指定する
  • 言葉で指定する

それぞれ、詳しく解説していきます。

■ 数字で指定する

数字で指定する表記は、1分間にどの音符が何回刻まれるかを表しています。

上の図で言えば、1分間に四分音符を120回刻む速さ、という指定になります。

四分音符表記が一般的ですが、拍子や作者の意図で、いろいろなバリエーションがあります。

現代ではこちらの表記が多く、後述の速度を指定する言葉と一緒に表記されることもあります。

■ 言葉で指定する

楽語全般に言えることですが、言葉で指定する表記は、一般的にイタリア語が使われます。

形容詞や副詞などを使い、数値で明確に指示をしないため抽象的な表記になります。

速度を指定する楽語は、4種類に分けることができます。

  • 直接指定する言葉
  • これまでと比較して指定する言葉
  • 次第に変化させる言葉
  • 変化した状態から元に戻す言葉

直接指定する言葉

数字で指定する方法と同じような感覚で使うことができる言葉です。

表記読み方意味目安のBPM
Largoラルゴ幅広く(ゆるやかに)40〜50
Lentoレント遅く50〜56
Adagioアダージョゆっくりと56〜63
Andanteアンダンテ歩くような速さで63〜76
Moderatoモデラート控えめなスピードで76〜110
Allegroアレグロ快速に110〜152
Vivaceヴィヴァーチェ活発に152〜176
Prestoプレスト急いだ速さで174〜192

これ以外にも、後述の接尾語を使うことで、それぞれの言葉の中間の速さを指定することもできます。

これまでと比較して指定する言葉

これまでの速さと比較して指定したい場合に使う言葉です。

表記読み方意味
Più mossoピウ モッソ今までより速く
meno mossoメノ モッソ今までより遅く

曲中に「Più mosso」が出てきた場合、それまでよりも速く演奏するというような、比較して指示する言葉になります。

次第に変化させる言葉

徐々にテンポを速くしたり、逆に遅くしたい場合に使う言葉です。

表記読み方意味
accelerando(accel.)アッチェレランドだんだん速く
stringendoストリンジェンドだんだん急き込むように速く
ritardando(rit.)リタルダンドだんだん遅く
 rallentando(rall.)ラレンタンドだんだんLentoのように遅く

変化した状態から元に戻す言葉

変化させたテンポを元に戻したい場合に使う言葉で、表記の違いはありますがどちらも同じ意味になります。

表記読み方意味
a tempoア テンポ変化する直前の速さで
Tempo I(Tempo primo)テンポ プリモ最初の速さで

「accelerando」や「ritardando」で変化したテンポを元に戻し、これまでと同じテンポで演奏する場合は「a tempo」を、楽曲冒頭のテンポに戻す場合は「Tempo I(Tempo primo)」を使用します。

強弱に関する楽語・記号

強弱は、強く演奏するのか、弱く演奏するのかということで、それを指定するための楽語・記号です。

前提として、強弱に関しては、速度以上に感覚的な表現のため絶対的な表記が存在せず、全体的に相対的なものになります。

こちらも指定方法は4種類に分けることができます。

  • 直接指定する表記
  • これまでと比較して指定する表記
  • 次第に変化させる表記
  • アクセント的に変化させる表記

直接指定する表記

どれくらいの強弱で演奏するのかを指定するための表記です。

表記読み方意味
ピアノピアニッシモ
(ピアニッシシモ)
きわめて弱く
ピアニッシモとても弱く
ピアノ弱く
メゾピアノやや弱く
メゾフォルテやや強く
フォルテ強く
フォルティッシモとても強く
フォルテフォルティッシモ
(フォルティッシシモ)
きわめて強く

fやpの数は3個までと決まっているわけではないので、作曲者によって4個以上の表記が使われる場合もあります。

これまでと比較して指定する表記

直接指定する表記と併せて使い、これまでの指定された強弱と比較して指定するための表記です。

表記読み方意味
Più –ピウ(プラス方向で)今までより〜
meno –メノ(マイナス方向で)今までより〜

f(フォルテ)が指定された状態で、その後「meno f」と指定された場合は、「今までのフォルテより弱いフォルテ」という意味になります。

次第に変化させる表記

徐々に強くしたり、逆に弱くしたい場合に使う表記です。

表記読み方意味
crescendo(cresc.)クレッシェンドだんだん強く
クレッシェンドだんだん強く
diminuendo (dim.)ディミヌエンド消えるようにだんだん弱く
decrescendo(decresc.)デクレッシェンドだんだん弱く
デクレッシェンドだんだん弱く

アクセント的に変化させる表記

特定の音をその前後に比べて、局地的に強く(もしくは弱く)演奏させたり、目立たせたい場合に使う表記です。

表記読み方意味
フォルテピアノ強く演奏した直後に弱く
スフォルツァンドその音だけ急に強く
フォルツァンドその音だけ強く
リンスフォルツァンドフレーズに対して強く
アクセントその音を強く目立たせて

付加語と接尾語

楽語の中には、付け加えて記載することでより詳細なニュアンスを表したり、意味を強めたり、逆に弱める言葉もあります。

  • 付加語
  • 接尾語

■ 付加語

付加語は、楽語の前後に付け加えることで、より微細なニュアンスを付け加えることができる言葉です。

付加語読み方意味
moltoモルトきわめて、非常に
assaiアッサイ十分に、非常に
poco(un poco)ポコ(ウン ポコ)少し、ほとんど〜しない
non troppo(non tanto)ノン トロッポ(ノン タント)ほどよく、度を超さずに
maしかし
quasiクアジ〜のように
sempreセンプレ常に、同じように

例えば「molto Lento」の場合は「きわめて遅く」という意味になり、「poco cresc.」の場合は「少しずつだんだん大きく」という意味になります。

■ 接尾語

接尾語は、楽語の語尾に付け加えることで、意味を強めたり、弱めることができる言葉です。

接尾語読み方意味
– issimoイッシモきわめて〜に
– ettoエットやや〜に
– inoイーノやや〜に

例えば「Prestissimo(Presto+issimo)」の場合は「きわめて急いだ速さで」という意味になり、「Andantino(Andante+ino)」の場合は「やや歩くような速さで」という意味になります。

フォルティッシモ(fortissimo)やピアニッシモ(pianissimo)については、すでに接尾語がついているので重複することはありません。

付加語や接尾語は、速度や強弱に限らず、楽語全般に使われ種類もたくさん存在するため、わからない楽語に出会ったら一度検索してみることをオススメします。

まとめ

ということで、速度と強弱に関する楽語・記号について解説しました。

テンポや強弱は、楽曲の印象を大きく左右します。

楽譜から正しく速度や強弱の意図を読み取れるようになるためにも、しっかり覚えていきましょうね!

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