基本ビートその①:あらゆるビートの基礎「8ビート」を理解しよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日からはいよいよ、より実践的なリズムパターンについて解説していきます。
まずは基本ビートと呼ばれるベーシックなリズムパターンのうち、もっとも基本となる「8ビート」をご紹介。
- 8ビートとは?
- 8ビートの基本パターン
- 8ビートの2小節パターン
- さまざまな楽器を用いた8ビート
8ビートは、ポップスやロックをはじめ、あらゆるジャンルで使われる基本中の基本。
しっかりとマスターしていきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
基本ビートその①:8ビートの基本
8ビートとは?
8ビートとは、8分音符の刻みを基調とするリズムパターンです。
海外では「8 Feel(エイトフィール)」と呼ばれることも多いですね!
8ビートの特徴は以下の通りです。
それでは早速、8ビートの基本パターンを見ていきましょう!
8ビートの基本パターン
パターン①
強拍(1拍目)と中強拍(3拍目)にキックを配置したシンプルなパターンです。
パターン②
3拍目のキックを8分音符で連打したパターンです。
パターン③
2拍目ウラにキックを配置することでノリをプラスしたパターンです。
パターン④
キックを毎拍鳴らすパターンです。通称「4つ打ち(よつうち)」と呼ばれます。
パターン⑤
1拍目と3拍目のキックをそれぞれ8分音符で連打するパターンです。
パターン⑥
3拍目のキックを3拍目ウラにずらすことで、ノリをプラスしたパターンです。
パターン⑦
2拍目ウラ、3拍目ウラでキックを鳴らし、さらにノリをプラスしたパターンです。
パターン⑧
1拍目であえてキックを踏まず、半拍ずらしてキックを鳴らすことで意表をついたパターンです。
8ビートの応用パターン
先ほどご紹介した基本パターンをベースに、より応用的な8ビートのパターンをご紹介していきます。
8ビートの2小節パターン
基本パターンの組み合わせによる2小節パターン
前述の基本パターンを2つ組み合わせることで、2小節1パターンのリズムを作ることができます。
例えば、譜例上段は「パターン⑥」と「パターン⑦」の組み合わせ、下段は「パターン⑦」と「パターン⑧」の組み合わせでできています。
このように、基本パターンを1小節ずつつなぎ合わせることで、さまざまな2小節パターンを作ることができます。
譜例上段(パターン⑥+⑦)
譜例下段(パターン⑦+⑧)
シンコペーションを用いた2小節パターン
シンコペーションとは、強拍や中強拍に存在するアクセントを前倒しすることで、より勢いのあるグルーヴを生み出すテクニック。
シンコペーション(syncopation、切分法)とは、西洋音楽において、拍節の強拍と弱拍のパターンを変えて独特の効果をもたらすことを言う。主に、弱拍の音符を次の小節の強拍の音符とタイで結ぶ、強拍を休止させる、弱拍にアクセントを置く、の3つの方法がある。俗語として「食う」と表現する場合もある。-Wikipediaより-
譜例上段では、2小節目の1拍目ではなくその半拍前でキックを踏むことでシンコペーションを作り出しています。
同様に、下段では1小節目3拍目と2小節目1拍目のアクセントをそれぞれ半拍前倒しして、シンコペーションが連続するリズムパターンとなっています。
譜例上段(小節をまたぐシンコペーション)
譜例下段(シンコペーションの連続)
さまざまな楽器を用いた8ビート
冒頭でもお伝えした通り、8ビートでは8分音符の刻みをハイハット以外の楽器に担当させることもできます。
ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。
オープンハイハットを用いた8ビート
通常クローズドハイハットで刻んでいる8分音符を、一部(または全て)オープンハイハットに置き換えることも可能です。
単調な8分音符の刻みにくらべてメリハリがつくため、勢いのあるグルーヴを作ることができます。
また、オープンハイハット部分はアクセントを伴って聞こえるため、シンコペーションの強調にも効果的です。
譜例上段(メリハリをプラス)
譜例下段(シンコペーションの強調)
ライドシンバルを用いた8ビート
ハイハットの代わりにライドシンバルを用いるのも常套手段です。
同じリズムパターンでも、ハイハットで刻んだ場合とライドで刻んだ場合では印象がガラッと変わりますので、リズムトラックのマンネリを防ぐのに効果的です。
ちなみに、ハイハットの代わりにライドを用いる場合、フットハイハットを用いて4分音符で刻んであげることで、より明瞭なビートになります。
フロアタムを用いた8ビート
低音楽器に重心が置かれるため、どっしりとした印象になります。
そのため、ロックなどではよく使われるパターンですね!
まとめ
というわけで、あらゆるリズムパターンのうち最も基本となる「8ビート」についてご紹介しました。
市販の楽曲の中では、今日ご紹介したパターン以外にもさまざまな8ビートを聞くことができると思います。
今日お伝えした考え方をもとにたくさんの楽曲を分析しながら、リズムパターンの引き出しを広げていってくださいね!
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