シンセサイザーの代表的な音色とその種類、定番のアレンジ構造を解説!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、シンセアレンジの学習に必要な前提知識として、
- シンセサイザーの代表的な音色
- シンセアレンジの構造
- シンセアレンジにおける各パートの関係性
について解説していきます。
シンセアレンジを構成する音色、各パートの関係性、適切な配置について理解することで、まとまりのある充実したアレンジを実現することができるようになりますので、しっかりと学んでいきましょう!
基本的なシンセアレンジテクニックを使ったプログレッシブハウスのDEMO
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
シンセサイザーの代表的な音色とその種類
まずは、シンセアレンジに欠かせない代表的な音色とその種類について学習していきましょう。
シンセサイザーの主要な音色は以下の5つです。
- シンセベース
- シンセリード
- プラック
- パッド
- シーケンシャル
シンセベース(Synth Bass)
もはや説明不要かと思いますが、シンセアレンジにおいてベースパートを担当する音色です。
バンド編成でのエレキベース同様、最低音で全体のアレンジを支える役割を担っています。
エレキベースのように積極的に動きを出していくアレンジ方法もありますが、最近のトレンドとしてはルートをリズミカルに刻むだけのシンプルなアレンジが多いですね。
音色的には、フィルターエンベロープのきいた減衰系の音色が一般的ですが、シンセリードのような持続音系のパワフルなものや、ワブルベースのようなトリッキーな音色まで実に多様なサウンドが存在します。
シンセベースの音
シンセリード(Synth Lead)
シンセリードとは、主にメロディ、またはそれに準ずる旋律的な要素を担当する音色です。
リードギターやリードボーカルといった、主役をとる楽器と同じ意味ですね。
音色的には、
という特徴があり、広義ではシンセブラスなどもリード系の音色の一種としてカテゴライズすることができます。
シンセリードの音
プラック(Pluck)
プラックとは、主に和音の演奏を担当する音色です。
プラック(Pluck)という単語には「弦楽器をかき鳴らす」という意味があり、ギターやハープなどのような撥弦楽器(指で弦を弾いて音を出す楽器)に似た音色をもつのが特徴です。
具体的には、
という二つの特徴があり、広義ではピアノやキーボードなどの鍵盤楽器などもプラックの一種として解釈することができます。
プラックの音
パッド(Pad)
パッドとは、サウンドの広がり感や空気感を付与するために用いられる、柔らかく広大な音色です。
パッド(Pad)という単語には「詰め物をする」という意味があり、シンセアレンジにおいては、サウンドの空間や帯域のスキマを埋めるような、詰め物としての役割を持ちます。
音色的には、
という特徴があり、広義ではシンセストリングスもこのカテゴリに分類されます。
パッドの音
シーケンシャル
シーケンシャルとは、その名のとおりシーケンス(予めプログラムされたパターン)を演奏する音色のことです。
アルペジエイターを使った自動アルペジオ演奏が一般的ですが、昨今のシンセは非常に複雑なシーケンスを組むことができるようになっているため、単なるアルペジオはもちろん、リフレインやリズムループのようなさまざまな音色が存在します。
シーケンシャルの役割は、簡単にいうと「賑やかし」です。
ファッションでいうならばアクセサリーのようなものですので、必ずしも必要なパートではないものの、シーケンシャルが入ることで楽曲全体が華やぎます。
シーケンシャルの音
シンセサイザーアレンジの構造
シンセの主要な音色カテゴリーが理解できたところで、それぞれがどのように組み合わされているかを確認してみましょう。
上図では、縦軸を「周波数(音程)」、横軸を「定位(パンニング)」として、曲中での各パートの位置どりを表したものです。
主要3パート(ベース、リード、プラック)
まずは、主要な役割を果たす3パートの配置を見てみましょう。
- ベース(ベース担当) = センター低域
- リード(メロディ担当) = センター中高域
- プラック(コード担当) = 左右に広がり(ステレオ感)を持たせて中域
といった具合に配置します。
一般的なバンドサウンドにおける、ヴォーカル、エレキベース、ギターやキーボードの3点と同じような配置と考えて差し支えないでしょう。
この3パートは、いわばシンセアレンジの根幹をなす部分。
上記3点だけでアレンジが成立していないとスカスカのサウンドになってしまいますので、念入りに作り込んでいきましょう。
オプションとなるパート(パッド、シーケンシャル)
次に、シンセ特有のパートである、パッドとシーケンシャルについても見ていきます。
- パッド = 全パートの中で最も奥まった場所、各パートの帯域の隙間を埋めるように
- シーケンシャル = プラックやリードなど、主要パートの邪魔にならない位置
こちらの2パートは、曲中必ず必要となるわけではありません。
とくにシーケンシャルは、前述の通り「賑やかし」としての役割を持つものですから、その位置どりも慎重に決める必要があります。
主要3パートの邪魔をしないよう、以下の考え方で配置していきましょう。
- 音域がリードやプラックとバッティングしない場合は、センター付近へ配置してもOK
- 音域がリードやプラックと近い場合は、定位を左右に振ることでバッティングを回避
このような基準で配置すれば、他のパートの邪魔になることなく上手にシーケンシャルを配置することができます。
まとめ
というわけで、シンセアレンジの学習に先駆けて、「主要な音色カテゴリ」と「シンセアレンジの構造」について解説しました。
今後の学習を進めるうえで非常に大事な前提知識となりますので、しっかり理解しておいてくださいね!
次回の記事からは、各パートの具体的なアレンジ方法についてより詳細に解説していきますので、そちらもお楽しみに!
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