ホーンセクションのエクスプレッションに関する基礎知識と実践テクニックを解説!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です
今日は、ホーンセクションのモックアップテクニックのうち、エクスプレッションの取り扱いについて詳しく解説していきます。
- エクスプレッションの基本
- ホーンにおけるエクスプレッションの活用法
- エクスプレッションによる各種奏法の表現
など、ホーンセクションに自然かつアグレッシブな抑揚をつけるために必要な考え方・テクニックについて学んでいきましょう。
【モックアップに使用する基本的なパラメータの解説はこちら】
エクスプレッションの基礎知識
まずは、エクスプレッションの概念とその挙動について、軽くおさらいしていきましょう!
エクスプレッションの基本
エクスプレッションはとは、MIDI CC(MIDIコントロールチェンジ)の11番に割り当てられたコントローラで、フレーズの抑揚をコントロールするためのパラメータのことでしたね。
下図のように、ピアノロールの下にグラフを入力することによって、グラフとおりに抑揚をつけることができます。
エクスプレッションの効果
エクスプレッションは、各トラックの音量を増減させる作用があります。
これにより、ノート発音中の細かい抑揚をコントロールすることができるわけです。
また、最近はエクスプレッション(CC#11)の代わりにモジュレーションホイール(CC#1)が同等の役割を担っている音源も多くリリースされています。
- エクスプレッション = MIDI CC#11
- モジュレーションホイール = MIDI CC#1
基本的な使用方法はエクスプレッションと同じですので、音源に合わせて適宜選択してください。
エクスプレッションの詳細な定義とその挙動、エクスプレッション取扱時の注意点に関しては、ストリングスのエクスプレッション解説記事で詳しくお話していますので、そちらも合わせてご活用ください。
ホーンセクションでよく使うエクスプレッション活用法
ここからは、ホーンセクションのエクスプレッション入力の際に役立つ実践テクニックをご紹介していきます。
エクスプレッションを使った様々な表現方法をご紹介していきますのでぜひご活用ください!
クレッシェンドとデクレッシェンドの表現
エクスプレッションによる抑揚の表現といえば、やはり「クレッシェンド」と「デクレッシェンド」が基本中の基本。
まずは、キレイなクレッシェンドとデクレッシェンドを表現できるよう、練習していきましょう。
ホーンセクションにおいても、エクスプレッションカーブの形状によるサウンドの違いは顕著に現れます。
以下のような傾向があるので覚えておきましょう。
クレッシェンドの場合
直線
楽譜に記載するべき明らかなクレッシェンド感が得られます。
凸型曲線
楽譜には書かないような、フレージングによる自然な音量の変化に最適です。
凹型曲線
より強烈なクレッシェンドが欲しい場合はへこんだ曲線を使いましょう。
デクレッシェンドの場合
直線
こちらも、楽譜に記載するような明らかなデクレッシェンド感が得られます。
凸型曲線
楽譜には書かないような、フレージングによる自然な音量の変化に最適です。
凹型曲線
より強烈なデクレッシェンド。アクセント感もあります。
フォルテピアノ〜クレッシェンドの表現
ホーンセクションでよく使われる表現のひとつとして、フォルテピアノ〜クレッシェンドというテクニックがあります。
フォルテピアノとは、初めはフォルテで力強く発音したあとに、即座にピアノまで音量を落とす奏法。
フォルテピアノからのクレッシェンドは、ホーンセクションを一層華やかにしてくれますので、ここぞというポイントで効果的に活用しましょう。
楽譜では以下のように記譜します。
実際のサウンドはこんな感じ
エクスプレッションでの抑揚づけに加えて、高めのベロシティでアタック感を出してあげるとより効果的です。
マルカートの表現
マルカートの表現もエクスプレッションの大事な役割です。
マルカートとは1つひとつの音をはっきりと演奏する奏法のこと。
はっきり度の位置付けとしては、テヌート以上、アクセント未満と考えるとわかりやすいでしょう。
「テヌート < マルカート < アクセント」の順に、はっきりした演奏になっていく
実は、マルカートの表現こそがホーンセクションの打ち込みにおける最大のポイント。
歯切れの良い明瞭なフレーズを演奏するためには、このマルカートの表現が欠かせません。
マルカートを表現するには、1つひとつの音をエクスプレッションで明確に区切ってあげることで実現できます。
自然なマルカートを表現するには少々コツがいりますが、繰り返し練習しながらマスターしていきましょう!
アクセントの表現
前述したマルカートの表現方法を応用して、アクセントを表現することもできます。
アクセントとは、いわば「アタック感の強いマルカート」のようなもの。
マルカートの表現に加えて、ベロシティによるアタック感をプラスしてあげるだけで、簡単にアクセントを表現することができます。
テヌートの表現
逆に、エクスプレッションを完全に除去してしまえば、今度はテヌートを表現することができます。
テヌートとは、音の長さを十分に保って演奏することでしたね。
デュレーションの解説記事でもお伝えしたとおり、タンギングによる音のスキマができることを考慮して、1つ1つの音にインターバルを取った状態を作ってあげれば、それだけでテヌートの打ち込みが完成です。
まとめ
というわけで、ホーンセクションにおけるエクスプレッションの取り扱いについて詳しく解説しました。
前述のとおり、とくにマルカートの表現は、イキイキとしたホーンサウンドに欠かせないもの。
今日ご紹介したテクニックを使いこなして、躍動感あふれるホーンの打ち込みができるようトレーニングしてみてください。
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