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MIDIの基礎知識⑤:ピッチベンドとコントロールチェンジを理解しよう!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、MIDIによる演奏に様々なニュアンスをプラスするための「ピッチベンド」と「コントロールチェンジ」について解説していきます。

  • ピッチベンドとコントロールチェンジとは?
  • ピッチベンドとコントロールチェンジの入力方法
  • ピッチベンドの具体的な用法
  • コントロールチェンジの具体的な用法

ともすると単調で機械的になってしまうMIDI演奏ですが、今日ご紹介するパラメータを活用することで、より音楽的な演奏表現が可能になります。

とくに、打込みで生楽器をシミュレートする際には欠かせないパラメータとなっていますので、その仕組みと効能をしっかりと理解していきましょう!

 

MIDIの基礎知識⑤:ピッチベンドとコントロールチェンジを理解しよう!

ピッチベンドとコントロールチェンジとは?

ピッチベンド&コントロールチェンジとは、MIDI音源の演奏を細かくコントロールするためのパラメータです。

それぞれどのようなものなのか、まずはその概要を理解していきましょう!

■ ピッチベンド

ピッチベンドは、その名の通りノートのピッチ(音程)をコントロールするためのパラメータです。

MIDIキーボードやシンセサイザーには、筐体左側に2つのホイールが搭載されているものが一般的です。

このうち片方がピッチベンドホイールとなっており、これを操作することでノートのピッチを変更することができます。

ピッチベンドデータは「-8191〜+8191」までの数値情報となっており、以下のような仕様で動作します。

  • ピッチベンドの値が±0の場合:ピッチの変更なし
  • ピッチベンドの値が+の場合(>0):ピッチが上がる
  • ピッチベンドの値が-の場合(<0):ピッチが下がる

また、ピッチベンドの値をMax(-8191または+8191)に振り切った場合にどの程度ピッチが上下するかを任意に決めることができます。

これを「ベンド幅」といって、通常は半音2個分(=全音分)のベンド幅が設定されています。

もしMax1オクターブ分ピッチを変えたければ、ベンド幅を半音12個分(1オクターブ)に設定すればOKです。

■ コントロールチェンジ(CC)

コントロールチェンジは、MIDI音源やMIDIトラックのボリューム、パン、その他演奏情報をコントロールするためのパラメータです。

略して「CC」と記載することもあります。

使用するコントロールチェンジによってコントロールできるパラメータが異なり、以下のものが代表的です。

  • CC#1:モジュレーションホイール
  • CC#7:MIDIボリューム
  • CC#10:MIDIパン
  • CC#11:エクスプレッション
  • CC#64:サスティンペダル

このほかにもたくさんのコントロールチェンジがありますが、ソフトウェア音源全盛の現代においてはその役割が厳密に定義されたものは少なくなりました。

よって、基本的には上記5点さえ覚えておけばほぼ困ることはないでしょう。

尚、これ以外のコントロールチェンジについては、Wikipediaに詳しくまとめられていますのでご参照ください。

ピッチベンドとコントロールの入力方法

DAW上では、MIDIトラック下部にピッチベンドやコントロールチェンジを表示することができます。

ここにグラフを書き込むことで、任意の効果を得ることができます。

また、前述のピッチベンドのほかに、モジュレーションホイール、サスティンペダルなど、特定のハードウェアを使って入力できる場合もあります。

ピッチベンドの具体的な用法

ピッチを変更したいトラックにピッチベンド情報を書き込むことで、音程を任意に変更することができます。

とくにエレキギターの打込みで用いられることが多く、主に以下のような用法が考えられます。

  • チョーキングやビブラート
  • ハンマリングオン&プリングオフ
  • スライド

それぞれ解説していきます。

■ チョーキングやビブラート

ギターやベースでは、弦を押し上げる(下げる)ことによって張力を上げ、ピッチの変更を行うことがあります。

この原理を用いた奏法が「チョーキング」「ビブラート」です。

いずれも、元の音よりピッチを上げることで実現できる奏法ですので、ピッチベンドを用いてこれを再現します。

チョーキングとビブラート

■ ハンマリングオン&プリングオフ

ギターやベースでは、まれにピックや指による撥弦を行わず、指板上の指の動きのみで音程を変化させることがあります。

これを「ハンマリングオン」「プリングオフ」といって、撥弦によるアタック感を伴わない滑らかな音程変化を得ることができます。

これらの奏法を打込む際にも、ピッチベンドを用いて音程を変更します。

また、高速で「ハンマリングオン」「プリングオフ」を繰り返すことで「トリル」を実現することもできます。

ハンパリングオン&プリングオフ

■ スライド

スライドとは、指板の上で指を滑らせながら音程を変更する奏法

ギターやベースの指板にはフレットがついているため、指を滑らせた際に段階的に音程が変化するようになっています。

それを再現するには、以下のようにピッチベンドを階段上に入力することで実現できます。

ギターやベースのフレットは半音単位で刻まれていますので、ピッチベンドでスライドを再現する際にも半音刻みで入力しましょう。

スライド

コントロールチェンジの具体的な用法

先ほどご紹介した5つのコントロールチェンジのうち、最もよく使用する以下の3つの用法をご紹介します。

  • CC#1:モジュレーションホイールの用法
  • CC#11:エクスプレッションの用法
  • CC#64:サスティンペダルの用法

CC#7「MIDIボリューム」および、CC#10「MIDIパン」については、ソフトウェア音源のみを用いて音楽制作を行うことも多い現代においてあまり活用するシーンがないため、割愛します。

■ CC#1:モジュレーションホイールの用法

モジュレーションホイールは、その名の通り音にモジュレーション(変調)をかけるためのコントローラです。

ピッチベンドと同様に、MIDIキーボード左側に搭載されているので馴染みが深いコントロールチェンジですね。

どのようなモジュレーションが割り当てられているかによって得られる効能も様々ですが、以下の2つが一般的です。

  • ビブラートをかける
  • 抑揚をつける
■ ビブラートをかける

一般的なシンセサイザーでは、モジュレーションホイールを用いることでビブラートをかけることができるようになっています。

モジュレーションホイールを使ってビブラートをかけた例

■ 抑揚をつける

音源によってはビブラート以外のパラメータがアサインされていることもあります。

例えば、ストリングスをはじめとしたオーケストラ音源では、モジュレーションを使って音量と音色を同時にコントロールすることが可能となっています。

これをモジュレーションクロスフェードといって、昨今のハイエンドなオーケストラ音源では必ずといってよいほど搭載されている機能です。

音量の変化に伴う自然な音色変化が得られるため、リアルな打込みには欠かせない機能となっています。

モジュレーションクロスフェードで音量と音色の滑らかな変化を実現した例

■ CC#11:エクスプレッションの用法

エクスプレッションは、その名の通りフレーズに抑揚をつけたい場合に用いるコントロールチェンジです。

演奏に伴う自然な強弱表現を実現することができ、とくにストリングスをはじめとしたオーケストラ楽器のモックアップには欠かすことのできないパラメータとなっています。

抑揚といえば、先ほどご紹介したモジュレーションクロスフェードと共通する部分がありますが、あちらは「音量」と「音色」の双方が同時に変わるのに対して、エクスプレッションは「音量」のみが変わる設定になっていることがほとんどです。

また、モジュレーションクロスフェードは比較的グレードの高い音源にのみ搭載されていることが多いのに対して、エクスプレッションはあらゆる音源で使うことができます。

ご自身の環境に合わせて上手に使い分けるとよいでしょう。

エクスプレッションで抑揚をつけた例

エクスプレッションに関しては、以下の記事でも詳しく解説していますのでぜひ合わせてご活用ください。

■ CC#64:サスティンペダルの用法

サスティンペダルは、別名「ダンパーペダル」とも呼ばれ、ピアノについているペダルと同じく音を引き伸ばす効能があります。

サスティンペダルがオンになっている間はノートオフ後も音が持続するようになり、ピアノの打込みなどには欠かせないパラメータとなっています。

サスティンペダルのパラメータは「ON(=0)」と「OFF(=127)」の2つしかなく、その間の値を入力しても効果は得られません。

サスティンペダルの効能

まとめ

というわけで、MIDIによる演奏に様々なニュアンスを追加するための「ピッチベンド」と「コントロールチェンジ」について解説しました。

これらのパラメータは、より音楽的でリアルな演奏表現に欠かせないものとなっています。

積極的に活用して、クオリティの高いサウンドを打ち込めるようトレーニングしていきましょう!

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