リズムマシンとは?その特徴や種類、おすすめのハード&ソフト音源を解説!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介す。
今日からは、エレクトリック系ビートメイクについて解説していきます。
まずは、エレクトリック系ビートメイクに欠かせない、リズムマシンの基礎知識についてお届け。
- リズムマシンとは?
- 代表的なリズムマシン
- ソフトシンセ型リズムマシン
アコースティックドラムの打込みと違い、エレクトリック系ビートメイクではリズムマシンと呼ばれる専用の音源を使用します。
今日は、そんなリズムマシンについて、往年の名機やソフトシンセのご紹介も交えながら解説していきます。
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
リズムマシンの基礎知識
リズムマシンとは?
リズムマシンとは、その名のとおり「リズムの打込み&演奏をするための専用音源」です。
主にエレクトリック系のドラムの打込みに使用され、とくにハウスやテクノ、トランスなどのダンスミュージックでは欠かせない存在となっています。
内蔵のステップシーケンサーを使ってビートを組むことができ、DAWと同期させることもできます。
リズムマシンは、大きく分けて以下の3つに分類されます。
- ドラムシンセ
- ドラムサンプラー
- ハイブリッド型
リズムマシンを用いたビートメイクの様子(Roland TR-909)
ドラムシンセ
ドラムシンセは、内部にシンセサイザー機能を持つリズムマシン。
通常のシンセサイザー同様、ドラムの音を一から生成して鳴らすことができます。
有名どころは、先ほどもご紹介したRolandさんの「TRシリーズ」ですね。
ドラムサンプラー
内蔵シンセを使って音を生成するドラムシンセに対し、ドラムサンプラーはサンプリング(録音)した音素材を呼び出して使います。
生ドラムの音色はもちろん、往年のドラムシンセのサウンドをサンプリングしたものや、レコードなどから切り出した音素材など、多様なドラムサウンドを用いることができ、加工も自由自在なので非常に重宝します。
有名どころは、AKAIさんの「MPCシリーズ」ですね。
ハイブリッド型
こちらは、ドラムシンセとドラムサンプラー双方の機能をあわせ持つタイプです。
サウンドをシンセサイズすることもサンプリング音を鳴らすことも自由自在ですので、より一層自由度の高いビートメイクが可能です。
Native Instrumentsさんの「MASCHINE」が有名ですね。
代表的なリズムマシン
ここからは、ハードウェア型のリズムマシンの中から代表的なものをご紹介していきます。
Roland TRシリーズ
ドラムシンセといえば誰もが真っ先におもい浮かべる、Rolandさんの「TRシリーズ」。
中でも、「TR-808」「TR-909」の2種類はいまだに愛用者も多く、数多くのドラム音源にもその音色が収録されています。
昨今では、その後継機種である「TR-8S」「TR-6S」などが販売されています。
YAMAHA RXシリーズ
かつてYAMAHAさんから販売されていた「RXシリーズ」。
生ドラムらしいリアルなサウンドを追求したという本機は、サンプリングによるPCM音源が用いられていたようです。
現在は生産完了品となっています。
AKAI Professional MPCシリーズ
現在でも数多くのDJやビートメイカーたちが愛用するドラムサンプラーのド定番、それが「MPCシリーズ」です。
単なるサンプラーとしてだけでなく、ウワモノまで含めた楽曲全体をこれ一台で作ることができたことから「Music Production Center」を略して「MPC」と名付けられました。
現在も、「MPC One」「MPC Live」などの現行機種が販売されています。
KORG electribeシリーズ
KORGさんから販売されているリズムマシン「electribeシリーズ」。
iPad版もリリースされているため、触ったことのある方もいらっしゃるかもしれませんね!
ドラムシンセバージョンとドラムサンプラーバージョンの2種類用意されているのが大きな特徴。
現在も「electribe」「electribe sampler」の最新版が販売されています。
ソフトシンセ型リズムマシン
ここからは、ドラムシンセやドラムサンプラーをソフトシンセ化した、各種プラグインをご紹介していきます。
Native Instruments MASCHINE
専用ハードウェアによる直感的な操作が魅力の定番ビートプロダクションツール。(イナゲも愛用!)
ドラムシンセとサンプラー双方の機能を持ち合わせており、内部に3rd Party製のプラグインも読み込むことも可能。
これ1セットで楽曲を丸々仕上げることが可能なくらい高機能なので、エレクトリック系ビートメイクを髄までしゃぶり尽くしたい方にはオススメの商品です。
Native Instruments Battery
同じくNative Instrumentsの定番ドラムサンプラー。
こちらはシンプルにサンプラーとしてのみの機能が中心となりますので、ソフト音源としてDAWと併用しながら打込みましょう。
以前はアコースティック系の音色も多数収録されていましたが、最新版の「Battery4」からはエレクトリックドラム中心に路線変更した様子です。
Steinberg Groove Agent
こちらはCubaseでおなじみSteinbergさんから販売されているビートプロダクションツール。
ドラムサンプラーとシーケンサーが内蔵されており、MPCに近い構造ですね。
エレクトリック系のサウンドはもちろん、アコースティックドラムも多数収録されているようですから、幅広いジャンルで活躍してくれそうです。
また、Cubaseへデータを書き出し機能など親和性も高いので、Cubaseユーザーの方には重宝すると思います。
UVI BeatBox Anthology
こちらは、人気のハードウェアリズムマシンのサウンドをサンプリングしたドラム音源。
新旧さまざまな実機のサウンドをこれ一台で再現できるため、「あのハードの音が欲しいけど、実機を買うのもちょっと・・・」というケースではかなり重宝してくれると思います。
ステップシーケンサーも内蔵されているので、これ単体でリズムの作り込みが可能です。
まとめ
というわけで、リズムマシンの基礎知識について解説しました。
今日ご紹介したハードウェア&ソフトウェアは、エレクトリック系ビートメイクに必ずしも必要というわけではありませんが、1つ持っておくことで様々なエレクトリック系ジャンルのビートメイクに役立つと思います。
とくに、後半ご紹介したソフトシンセ群は、DAWからの制御も非常に楽チンなのでおすすめ。
機会があれば、ぜひ導入されてみてはいかがでしょうか?
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