フューチャーベースのメロディ制作!ヴォーカルチョップの作り方&各種エフェクト処理を解説!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、フューチャーベースのメロディパート制作のテクニックについて解説します。
- ヴォーカルチョップの作り方
- 空間系エフェクトの上手な使い方
を中心に、フューチャーベースにぴったりなメロディパートの作り方&エフェクト処理を解説していきます。
楽曲の顔であるメロディを印象的で美しいサウンドに仕上げるために、どのような処理を行えばよいのか?
そのヒントになるテクニックをお伝えしていきますので、ぜひご活用ください!
※本企画はデータ連動企画となっています。講師イナゲが作った楽曲のパラデータをダウンロードすることができますので、ぜひそちらも合わせてご活用ください!
こちらの楽曲のパラデータをダウンロードできます。
フューチャーベースのメロディパート制作テクニック!
ヴォーカルチョップの加工
まずは、フューチャーベースを象徴する「ヴォーカルチョップ」の作り方について解説していきます。
ヴォーカルチョップは、その名の通りスライスしたヴォーカル素材を使って新たなメロディを作り上げるテクニック。
ここで使用する素材は、
- 録音したヴォーカル素材
- ドラムサンプラーに収録されている声ネタ
- Splice Soundなどの素材サイトからDLした声ネタ
などなど、どれを使ってもOK。
今回は、Native Instruments社のMASCHINEに収録されている声ネタを使いました。
元のサウンドはこちら
こちらにMASCHINEのサンプラー機能で音程を与えると以下のようなサウンドになります。
音階を演奏してみたもの
これを使って、メロディを演奏してあげれば良いわけですね。
リバース(逆再生)を活用する
メロディを作る際、素直に元の素材のままメロディを打ち込んでも良いのですが、場所によっては波形をリバース(逆再生)すると違ったニュアンスが得られるので面白いです。
リバースしたものがこちら。
これを使ってメロディを組み立てたものが以下のもの。
トラック下のオートメーションレーンで、リバースするポイントを指定しています。
完成したメロディ
このように、サンプラーを使うと簡単にヴォーカルチョップの加工ができるのでオススメです!
※今回はサンプラーを使用しましたが、直接オーディオ素材を波形編集してメロディを組み立てるのも全然アリです。お好きな方法でチャレンジしてみてください!
空間系エフェクトでリッチな残響をプラス
フューチャーベースのメロディ、とくに前半のアンビエントな部分では、空間系エフェクトを積極的に使用して幻想的な雰囲気を作ると俄然カッコよくなります。
空間系エフェクトとは、「リバーブ」や「ディレイ」などの残響を付加するエフェクトですね。
メロディパートに対して空間系エフェクトを適用する場合(とくに、あえてリバービーなサウンドを目指す場合)は、トラックに直接インサートしてしまうのが良いでしょう。
そのトラックに合わせて個別のセッティングを作ってしまうため、センドで用意してもあまり意味がないからですね。
まずはディレイのセッティングからみていきましょう。
ディレイのセッティング
ディレイは、サウンドにエコー(山びこ)効果を付加するエフェクトです。
指定した値の分だけ元のサウンドを遅らせて発音させることができ、原音と混ぜることでエコー効果を得られる仕組みです。
今回は、ヴァース〜ビルドアップのピアノ&エレピ、ビルドアップのプラックリードに使用しました。
通常、楽曲の中でディレイを使う場合は「テンポディレイ」を使いましょう。
楽曲のテンポに合わせてディレイタイムを自動設定してくれるのでラクチンですね。
ディレイタイムをどの音価に指定するかはあなたのセンス次第ですが、値を切り替えながら楽曲のイメージにあったディレイタイムを設定していきましょう。
今回は、以下の通りの設定にしてみました。
- ピアノ:2分音符
- チェレスタ&エレピ:付点8分音符
- プラックリード:4分音符
ピアノ
チェレスタ&エレピ
プラックリード
リバーブのセッティング
ディレイの設定が完了したら、次にリバーブのセッティングもしていきましょう。
リバーブは、サウンドに残響を付加するエフェクトですね。
今回の楽曲では、ピアノとヴォーカルチョップにリバーブをインサートすることで積極的に残響を付加しました。
リバーブのセッティングは元の素材によって全く変わってくるので、「こうしたら良い」という正解はありません。
ですので、今回はヴォーカルチョップに適用したリバーブを一例として解説していきます。
今回ヴォーカルチョップに使用したリバーブは、iZotope社の「Neoverb」です。
このリバーブは、
- アーリーリフレクション(初期反射)
- リバーブ1:プレート、ミディアムチャンバー、ルームなど中規模な空間
- リバーブ2:ホール、ラージチャンバーなど大規模な空間
の3種類のリバーブ成分をブレンドして、かなり細かく音作りすることが可能なプラグインとなっています。
それぞれのリバーブ成分に対して細かくパラメータを設定することができ、目的に応じてリバーブのサウンドをコントロールすることができます。
3種類のリバーブ成分をブレンドしている様子
各成分の詳細な設定画面
Neoverbの使い方に関しては、以下の動画で青木さんがめちゃ詳しく解説してくれてますのでご参照ください。
今回リバーブを調整するにあたり、気を付けたポイントは以下の2点です。
- 残響の自然さ&美しさ
- リバーブをかけることによる中域成分のふくらみを除去
リバーブというのは本当に難しいもので、むやみやたらにリバーブをかけても美しい響きは作れません。
元の素材の周波数成分によって、特定の周波数帯だけがやたらと強調されてしまったり、ザラついた残響になってしまったりと、なかなか思うように行かない場合も多いんですね。
そんなときに意識してみていただきたいのが「リバーブのEQ」です。
リバーブには、リバーブ成分の周波数をコントロールするためのイコライザーがついており、それにより不要な周波数帯域を除去することができます。
Neoverbには「Pre EQ(リバーブに入力される前の原音に対するEQ)」と「Reverb EQ(リバーブそのものに対するEQ)」の2種類が搭載されているので、必要な周波数帯をコントロールするのが非常にラクチンです。
今回は、高域のシャリシャリ感を減らすために「Reverb EQ」のHiをシェルフで軽くカット、中域の無用なふくらみを防止するために「Pre EQ」では中域以下をガッツリカットし、「Reverb EQ」の方でもで750Hz付近をカットしています。
Pre EQの設定
Reverb EQの設定
EQをオンオフして、それぞれのサウンドを聴いてみましょう!
EQなし
EQあり
だいぶスッキリ綺麗に響くようになりましたね!
使うリバーブによって得られる効果も全く変わってくるので、ぜひお手持ちのリバーブをあれこれ試してみてください!
まとめ
というわけで、メロディパートの制作方法と作り込みテクニックを解説しました。
とくに、メロディを印象的に聞かせる上で空間系エフェクトはとても重要。
リバーブの設定は多くの試行錯誤が必要になると思いますが、その分掘れば掘るほどおもしろい分野でもあります。
うまくセッティングできた時にはサウンドの聴きバエもグッと向上しますので、ぜひ様々なセッティングを研究して気に入ったサウンドを作り上げてください!
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