ミキシングで使用するエクスパンダー&ディエッサーの基本テクニック
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、ミキシングにおけるエクスパンダーとディエッサーの基本的な用法を解説していきます。
- エクスパンダー&ディエッサーの基本
- エクスパンダーの用法
- ディエッサーの用法
エクスパンダーやディエッサーは、サウンドがもつ様々な問題を解決するのに役立つエフェクター。
とくにヴォーカルやドラムの処理では重宝するものばかりです。
EQやコンプ同様、Mixには欠かせないテクニックとなりますのでしっかり学んでいきましょう!
ミキシングで使用するエクスーパンダー&ディエッサーの基本テクニック
エクスパンダー&ディエッサーの基本
Mix時にはEQやコンプの処理のほか、必要に応じて以下の作業を行うことがあります。
- エクスパンダーによる不要な音成分の除去
- ディエッサーによる高域成分のリダクション
それぞれ以下の通りです。
エクスパンダーによる不要な音成分の除去
エクスパンダーは、コンプレッサー同様サウンドのダイナミクス(音量)をコントロールするエフェクトですが、その作用は真逆のものとなります。
ダイナミックレンジを狭めるコンプレッサーに対し、エクスパンダーはダイナミックレンジを広げるエフェクター。
スレッショルドを下回る小さな音をさらに小さくすることで、微細なノイズや不必要な余韻などを除去する目的で使います。
ディエッサーによる高域成分のリダクション
ディエッサーは、指定した周波数以上の成分にのみ限定的に作用するコンプレッサーです。
ヴォーカルの歯擦音(サシスセソなどの鋭い子音)や楽器パートの高域成分など、耳につく高周波数帯域を抑え聞きやすいサウンドにする目的で使用します。
エクスパンダーの用法
Mixにおけるエクスパンダーの具体的な用法は以下の3種類です。
- 不必要なノイズを除去する
ドラムのカブリを抑える- ドラムの余韻を抑えタイトな音に仕上げる
不必要なノイズを除去する
ヴォーカルのリップノイズ、ギターのハムノイズ、エアコンなどのルームノイズなど、不必要なノイズを除去することができます。
たとえばヴォーカルパートならば、歌が入っていない休符部分でルームノイズやリップノイズが目立ってしまうことがありますよね。
その場合、ノイズ成分がスレッショルドを下回るようにセッティングすることで、ノイズ成分のみを圧縮、目立たなくすることができます。
昨今ではiZotope社のRXシリーズのようなノイズリダクションプラグインも充実しているので使用する頻度は減っていますが、覚えておいて損はないテクニックです。
不要なノイズをカットした例
加工前(あえてノイズ成分を強めにしています。)
加工後
ドラムのカブリを抑える
マルチマイクで収録したドラムには、必ずカブリ(ブリーディング)が発生します。
例えばスネアを狙ったマイクであっても、同時に演奏しているキックやシンバルの音も紛れ込んでしまうわけですね。
一概に「カブリ=悪」ということはできませんが、目指すサウンドによってはカブリを極力抑えたいこともあるかと思います。
そんなときはエクスパンダーの出番。
カブリ部分の音量がスレッショルドを下回るように設定することで、カブリの音量を抑えることができます。
ドラムのカブリを抑えた例
加工前
加工後
ドラムの余韻を抑えタイトな音に仕上げる
ドラムの余韻部分をエクスパンダーで抑えることで、タイトなサウンドに仕上げることができます。
余韻部分にのみエクスパンダーが作動するようスレッショルドを調整し、余韻の音量をさらに下げることでテールの短いドラムサウンドを作ることができます。
スネアの余韻を抑えタイトな音色にした例
加工前
加工後
ディエッサーの用法
次にディエッサーの用法を解説します。
Mixにおけるディエッサーの具体的な用法は以下の2種類です。
- ヴォーカルの歯擦音を抑える
- その他楽器の耳障りな高音を抑える
ヴォーカルの歯擦音を抑える
ディエッサー(=DeEsser)に含まれる「Ess」という言葉は歯擦音(しさつおん)という意味で、これを消すためのエフェクターこそがディエッサーです。
子音「s」「z」「ch」「j」「sh」などが目立ちすぎる場合、ディエッサーを使うことで軽減または除去することができます。
使い方はいたって簡単。
該当する子音だけが反応するよう周波数を調整しリダクションすればOKです。
歯擦音をディエッサーでリダクションした例
加工前
加工後
その他楽器の耳障りな高音を抑える
ディエッサーは、ヴォーカルだけでなく楽器の高音を抑える目的で使用することもあります。
例えば、シンバルの高域成分やアコギのピッキング音など、高音が悪目立ちしてしまうことがあります。
このような問題に直面した場合には、ディエッサーを使って高域成分をリダクションすることで解決していきます。
気になる成分がリダクションされるよう周波数を調整しコンプレッションすればOK!
ピッキングノイズをディエッサーで除去した例
加工前
加工後
まとめ
というわけで、エクスパンダー&ディエッサーの基本テクニックについて解説しました。
イコライザーやコンプレッサーほど使用頻度の高いエフェクターではありませんが、サウンドが何かしらの問題を抱えている場合の対処法として覚えておくと便利です。
今日の記事を参考にしっかりマスターしておきましょう!
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