キーボードのボイシング③:ローポジションのボイシングテクニックをマスターしよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、キーボードにおけるローポジションのボイシングテクニックについて解説していきます。
- ローポジションのフォーム
- 3和音のボイシング
- 4和音のボイシング
- テンションコードのボイシング
低い音域を使用するローポジションは、どっしりとした安定感のあるサウンドが特徴。
バラードのAメロなど、落ち着いたシーンでとくに活躍する型となっています。
そんなローポジションのボイシングテクニックを詳しく解説していきますので、ぜひご活用ください!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
キーボードのボイシング③:ローポジションのボイシングテクニックをマスターしよう!
ローポジションのフォーム
ローポジションでは、原則として「フォーム1(左手ベース+右手コード)」を使用します。
低い音域を使うローポジションでは、左手にコードトーンを組み込むとローインターバルリミットに抵触してしまう恐れがあるからです。
ただし、特定の条件下においては「フォーム2(両手でコード)」を使うこともできます。
そちらについては、本記事最後に紹介するテンションコードのボイシングでご説明します。
3和音のボイシング
ローポジションにおける3和音のボイシングはいたってシンプル。
コードを構成する3つの音をクローズドボイシングで押さえればOKです。
また、右手を転回させることでさまざまなバリエーションを作ることができます。
このとき、右手と左手の音が離れすぎてしまった場合は、左手をオクターヴで補強するなどして乖離を防ぎましょう。
パターン①
パターン②
パターン③
第一転回形では右手の3rdを省略
ベース音が3rdとなる第一転回形を演奏する場合は、右手から3rdの音を省略するのがオススメ。
3rd(第三音)はコードトーンの中で最も力の弱い音で、これが重複するとややバランスの悪い響きになってしまうからです。
右手3rd入り
右手から3rd省略
4和音のボイシング
4和音以上のコードにおいては、右手の抑え方にも一定のルールがあります。
それは、右手のコードはできる限り「基本形」または「第二転回形」で押さえるということです。
(右手単体で見たとき、右手の最低音がルートであれば「基本形」、5thであれば「第二転回形」という意味です。)
「第一転回形」または「第三転回形」を使うと、右手のトップノートが2度でぶつかる部分が出てきて美しくないからですね。
良い例:右手が基本形
良い例:右手が第二転回形
悪い例:右手が第一転回形
悪い例:右手が第三転回形
このことは、とくにツーファイブやドミナントモーションなど完全4度上(または完全5度下)のコードへ進行する場合に役立ちます。
コード弾きの解説記事でもお伝えした通り、コードチェンジの際には転回形を活用して滑らかに接続するのがポイント。
これをツーファイブやドミナントモーションに適用すると、右手の動きが「基本形」と「第二転回形」を繰り返す形となります。
これにより、トップノートのぶつかりを避けながら滑らかにコードチェンジできますので覚えておいてくださいね!
テンションコードのボイシング
テンションコードではさらに音が増えますので、右手だけですべてのコードトーンを演奏することは不可能です。
したがって、以下のルールに従ってノートを省略する必要があります。
- 5和音の場合:ルートを省略
- 6和音の場合:ルートと5thを省略
9thの入った5和音の場合はルートを除く残りの4音を弾けばOK。
ルートは左手が演奏してくれていますので、右手からは省いてしまって問題ありません。
さらに、11thや13thの入った6音以上におよぶ和音では5thも省略しましょう。
テンションの解決先によっては必ずしも5thが省略できない場合もありますが、基本は5thを省略すると考えていただいてOKです。
5和音(ルート省略)
6和音(ルート&5th省略)
右手は基本形または第二転回形を使う
4和音の項でご説明したものと同じですが、テンションコードの場合は少しややこしくなります。
ここでいう「基本形」「第二転回形」とは、ルートを除いた残りの4音に対して適用します。
例えば、「Dm9」の構成音は
- D(Root)
- F(3rd)
- A(5th)
- C(7th)
- E(9th)
の5つとなりますが、前述の通り右手からはルートを抜いて演奏しますので、実際には以下の4音を演奏することになります。
- F(3rd)
- A(5th)
- C(7th)
- E(9th)
これは、事実上「Fmaj7」のコードを演奏しているのと同じ形ですよね?
そして、この「Fmaj7」の音を「基本形」または「第二転回形」で押さえれば良いということになります。
具体的には以下のような形です。
右手が基本形
右手が第二転回形
ローポジションでオープンボイシングを使いたい場合
特定の条件下ではオープンボイシングを使うことも可能です。
その条件とは、ベース音が「F1」以上の場合。
ベース音が「F1」以上では、ローインターバルリミットによる縛りが緩和され、左手で「7th」や「maj7th」の音を押さえることができるようになります。
これを利用して、フォーム2によるドロップ2を演奏していくわけですね。
具体的には以下のような形になります。
このように、ベース音が「F1」を上回るコードではオープンボイシシングを使った配置も可能になりますので覚えておきましょう。
まとめ
というわけで、ローポジションにおける各和音のボイシングについて解説しました。
覚えることがたくさんあって難しく感じるかもしれませんが、基本的なルールさえ理解してしまえばそこまで大変なものではありません。
今日の記事を繰り返し学習しながら、バッチリマスターしていってくださいね!
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