ベースのサウンドメイク基礎知識②:ピックアップとダイレクトボックス(DI)について理解しよう!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、ベースのピックアップとダイレクトボックス(DI)について解説していきます。
- ベースのピックアップ
- アクティブベース固有の機能
- ダイレクトボックス(DI)について
いずれも、ベースの音作りや録音を行う上で欠かすことのできない知識。
ベースならではの特徴や用法も含めて解説していきますので、ぜひお役だていただければ幸いです。
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
ベースのサウンドメイク基礎知識②:ピックアップとダイレクトボックス(DI)について理解しよう!
ベースのピックアップ
エレキギター同様、エレキベースもピックアップを使って弦の振動を電気信号に変換します。
エレキベースで仕様するピックアップも以下の2種類に大別することができます。
- シングルコイル
- ハムバッカー
シングルコイルのサウンドは明るく明瞭で、ラインがよく見えやすい音色です。
一方ハムバッカーのサウンドは太くたくましい音色になっています。
シングルコイルのサウンド(指弾き・アンプなし)
ハムバッカーのサウンド(指弾き・アンプなし)
一般的に、ジャズベースではシングルコイル2機、プレシジョンベースはハムバッカーが1機が搭載されます。
とはいえ、実際のところはハムバッカーを2機搭載したものや、シングルコイルとハムバッカーをそれぞれ1機ずつ搭載したものなどベースの個体ごとにさまざまだったりするので、参考程度に覚えておいてください。
ピックアップによるサウンドの違い
ピックアップを2機搭載したベースでは、それぞれのピックアップのボリュームをコントロールすることでサウンドのカラーを調整することができます。
また、弦を弾く指の位置によってもサウンドの変化が得られることから、ピックアップが1機しか搭載されていないベースであってもある程度の音色の調整は可能です。
ピックアップごとのサウンドの特徴は以下の通りです。
- フロント:太くて甘い音
- リア:明るくてタイトな音
- センター:その中間(ノイズ抑制効果もあり)
フロントのサウンド(指弾き・アンプなし)
リアのサウンド(指弾き・アンプなし)
センターのサウンド(指弾き・アンプなし)
ブリッジに近いリアほど弦の振動が抑えられよりタイトな音に、そこからフロントに近づくほどほど良く振動し、太くて甘い音へと変化する点は弦楽器全般にいえることですね。(アップライトベースでも同様です。)
また、センターポジションでは2つのピックアップを連動させてハムバッカーのようにノイズを軽減させることができます。
単体のハムバッカーよりはノイズ抑制効果は落ちますが、それでも一定の効果が得られるので好んで使用するベーシストも多いです。
なお、ベースではギターのようにピックアップセレクターがついていない個体も多く存在します。
そのようなベースでは、それぞれのピックアップのボリュームを調整しながらサウンドを作り上げていきます。(両者をブレンドして作ることも多いです。)
どのような配分にするかはプレイヤーの好みによりけりですので、音の特性をよく理解した上で、ジャンルや曲調によって色々試してみましょう。
アクティブベース特有の機能
以前お話した通り、アクティブベースではベース本体に電池駆動の内蔵プリアンプが搭載されています。
このプリアンプは、ベースアンプに搭載されているプリアンプと同様の機能を持つもので、音を増幅させる効果に加えてイコライザーも搭載されています。
これにより、アンプに頼らずともベーシストの手元で簡単にサウンドをコントロールすることができます。
イコライザーはベースアンプ同様3バンド構成か、ミドルを抜いた2バンド構成が一般的です。。
【3バンド構成】
- ベース:低域
- ミドル:中域
- トレブル:高域
【2バンド構成】
- ベース:低域
- トレブル:高域
ダイレクトボックス(DI)について
ダイレクトボックスは、エレキベースやエレキギターなどの楽器を直接ミキサーやインターフェイスに接続する際に使うインピーダンス変換器です。
別名「DI(ディーアイ)」ともいいます。

Rupert Neve Designs「RNDI」
インピーダンスとは「抵抗」のこと。
エレキギターやエレキベースなどから出力される信号は「ハイインピーダンス信号」といって、電気抵抗の多い信号になります。
これを直接ミキサーやインターフェイスに入力すると、ノイズの発生や高域成分の低減など音質面で悪影響が出てしまいます。
それを解消するための装置がダイレクトボックスです。
ダイレクトボックスを使うことでローインピーダンス信号に変換することができ、楽器本来のサウンドを保持したままミキサーやオーディオインターフェイスに接続することができます。
また、ギターやベースからの出力は「アンバランス信号」となっていますが、ダイレクトボックスが「バランス信号」へと変換、長いケーブルの引き回しでもノイズが乗りにくい信号へ変換することもできます。(とくにライブでは重要な要素。)
ベースをライン録りする際には必須のアイテムとなっていますが、オーディオインターフェイスやマイクプリアンプにこれと同じ機能が搭載されている機種も少なくありません。
お持ちの機器に以下のいずれかの入力端子がある場合には、ベースを直接繋いで録音することもできますので覚えておきましょう。
- Inst(楽器入力用端子の意)
- Hi-Z(ハイインピーダンス用入力端子の意)
ダイレクトボックスのタイプ
ダイレクトボックスには、パッシブタイプとアクティブタイプの二種類があります。
それぞれ以下のような特徴があります。
パッシブタイプ | アクティブタイプ | |
電源 | 不要 | 9V電池またはファンタム電源が必要 |
入力インピーダンス | 中 | 高 |
特徴 | 手軽だが不安定 | 電源が必要な分安定して動作 |
パッシブタイプは電源が不要なため手軽に使えますが、高すぎるインピーダンスを受け切れず一部の楽器を繋いだ場合には十分に機能しないこともあります。
一方アクティブタイプは別途電源が必要になりますが、その分高いインピーダンスでも受け付けることができるため安定した効果が得られます。
現在はアクティブタイプのダイレクトボックスが主流ですので覚えておきましょう。
まとめ
というわけで、ベースのピックアップとダイレクトボックスについて詳しく解説しました。
打込みでの音作りはもちろん、ベースを生録音する際にも役立つ知識となりますので、しっかりと理解して制作に役立てていただければ幸いです。
ここまで読んだあなたへ

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