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ギターのサウンドメイク基礎②:歪み系エフェクターを理解しよう!

こんにちは、OTOxNOMA認定講師、作曲家の青山シゲルです。

今日から3回にわたって、エレキギターで使用するエフェクターについて解説していきます。

初回は、エレキギターに欠かすことのできない「歪み系」エフェクターについて。

  • エフェクターとその種類
  • 3種の歪み系エフェクター
  • 各種歪み系エフェクターの特徴

ギター用エフェクターの中でも最も重要な「歪み系」エフェクター。

その名のとおり音を歪ませることが目的のエフェクターですが、その種類によって使用法も得られるサウンドも異なります。

正しく理解することでギターサウンドを自在に操ることができるようになりますので、バッチリマスターしていきましょう!

なお、ギター用に限らずあらゆるエフェクターに関する知識を包括的に学びたい方は以下のカリキュラムも合わせてご活用いただければ幸いです。

 

ギターのサウンドメイク基礎②:歪み系エフェクターを理解しよう!

エフェクターとその種類

サウンドに何かしらの音響効果を与えて変化させる機器のことを「エフェクター」といいます。

エレキギターでは、これらエフェクターによる音作りも非常に重要な要素。

アンプだけでは作ることのできない、さまざまな特徴を持つサウンドを作り出すことができます。

ギター用のエフェクターは大きく分けて以下の4種に分類することができます。

  • 歪み系:音を歪ませるエフェクター
  • モジュレーション系:音にうねりを与えるエフェクター
  • 空間系:音に残響や広がりを与えるエフェクター
  • その他:それ以外のエフェクター

今日はこの中から「歪み系」エフェクターについて解説していきます。

■ エフェクトペダル・ストンプボックス

ギターは両手で演奏する楽器ですから、演奏中は手を使ってエフェクトを操作することができません。

したがって、ギター用のエフェクターは足下に置いて操作するペダル状のものが大半です。

これを「エフェクトペダル」「ストンプボックス」といいます。

足で踏むことでエフェクトのオン/オフを操作したり、ワウペダルやボリュームペダルなどべダルの操作によって特定のパラメーターを変化させるものもあります。

エフェクトペダルを接続する際には、以下の順番で接続します。

「ギター本体」→「エフェクター」→「アンプ」

また、アンプによってはセンド/リターン端子がついているものもあり、空間系エフェクトを用いる場合はアンプのセンド端子から繋ぐこともあります。

3種の歪み系エフェクター

エレキギターといえば歪んだパワフルなサウンドも魅力のひとつ。

そのようなサウンドを作りたい場合、アンプのゲイン(プリアンプのボリューム)を上げることで実現可能なことは前回の記事でお伝えした通りです。

その現象を単体のエフェクターとして実現したのが「歪み系」エフェクター。

歪みの度合いや質感から、以下の3種に分類されます。

  • オーバードライブ
  • ディストーション
  • ファズ

「オーバードライブ」「ディストーション」については、以下の記事でその原理や活用法をご紹介しておりますので、そちらも合わせてご活用ください。

歪み系エフェクターを使うメリット

そもそもアンプで歪ませることができるのに、なぜ歪み系エフェクターを使う必要があるのでしょうか?

その理由として以下の3つが挙げられます。

  1. 曲中でクリーンと歪みを使い分けたい
  2. 色んなタイプの歪みを使いたい
  3. アンプの歪みを補強したい

それぞれ順に解説していきます。

■ 1. 曲中でクリーンと歪みを使い分けたい

1曲の中で、美しいクリーンサウンドを使いたい場面と歪ませたい場面の両方が登場するといった状況は少なくありません。

そのような場合、エフェクターをオンオフすることでクリーンと歪みを使い分けるという手段が用いられます。

じつのところ、ギター本体のボリュームを絞ることでプリアンプの歪みを抑えることもできるため、アンプ自体は歪むセッティングにしておき、ギター本体のボリュームを絞って2つの音色を使い分けることもできたりします。

(ロック系のギタリストにはこの方法を使う人もよくいます。)

しかし、ボリュームを絞りすぎると音量も下がりますし、アンプを強く歪ませている場合には完全なクリーンにすることは難しいもの。

そんな時は、アンプを「クリーン」〜「軽めのクランチ」程度に設定しておき、歪みは足元のエフェクターで賄うという方法を使うとよいでしょう。

■ 2. 色んなタイプの歪みを使いたい

ひとくちに「歪み」といっても、そのキャラクターはさまざま。

曲の中でそれらを使い分けたいシーンも出てきます。

たとえば、Aメロは軽めのクランチ、サビではストレートなドライブサウンド、間奏のソロでは激しく歪んだハイゲインといった具合に、複数の歪みを混在させたい場合などですね。

このような場合にも歪み系エフェクターが役立ちます。

台以上の歪み系エフェクターを用意し、それらを切り替えることで多様な歪みサウンドを得ることができます。

昨今のギタリストの足元を見ると、かなりの割合で複数の歪み系ペダルが入ってたりします。

そのチョイスは様々で、クランチとハイゲインで別々のペダルを使っているケースや、クランチ用のペダルの前段にプースター用のペダルを繋ぐといったケースもみられます。

(ブースターについては、この後の項で解説します。)

■ 3. アンプの歪みを補強したい

アンプによる歪みとエフェクターによる歪みを組み合わせて歪みを増強する方法です。

アンプはほどよいドライブサウンドでセッティング、そこからさらに深く歪ませたいときはエフェクターを踏んで補強するという具合になります。

このような用途で歪み系エフェクターを使用することを「ブースター」と呼び、おおむねナチュラルなオーバードライブ系エフェクターが用いられます。

80年代以降のハードロック系ジャンルでは、ブースターを常時踏んでいるという設定も多く見られました。

各種歪み系エフェクターの特徴

ここからは、3種の歪み系エフェクターの特徴について解説していきます。

具体的な用法・セッティングについてはジャンル別ギターアレンジ記事などで解説していきますが、ここではそれぞれの特徴とサウンドの傾向を掴んでいきましょう。

■ オーバードライブの特徴

アンプにおける「クランチ」~「ナチュラルなドライブサウンド」を模して作られたのが「オーバードライブ」です。

世界初の「オーバードライブ」が登場したのは1977年のこと。

日本のエフェクターメーカーBOSSの名機「OD-1」が記念すべき第1号でした。

真空管アンプを使ったレンジの広い歪みに比べると、中域に寄った狭めのレンジが特徴のサウンドでアンサンブルの中で混ざりやすく、「OD-1」のサウンドは世界中のギタリストから長く愛されることになりました。

もうひとつオーバードライブの名機として有名なのが「Ibaneze TS-9(通称:チューブスクリーマー)」です。

スティーヴィー・レイ・ヴォーンの使用で一躍有名になりましたが、とくにブースターとしての利用で定番となりました。

「Marshall JCM800」などのカラッとした歪みと組み合わせることで中域が強調されほどよく歯切れ良いサウンドが得られ、ギタリストに愛用されました。

ブースターとして使用する場合は、歪ませたアンプの前段に繋ぎ、ドライブを最小~低め(最大でも10時方向程度)、レベルを高め(レベルの値で歪み量をコントロール)に設定します。

この使い方だと、歪み量を上げながらギターの美味しい中域を持ち上げたタイトなサウンドを作ることができますので覚えておきましょう。

BOSS オーバードライブ サウンド

IBANEZ チューブスクリーマー サウンド

IBANEZ チューブスクリーマー(ブースター使用) サウンド

※ 前半はブースターオフ、後半がブースターオンになっています

■ ディストーションの特徴

オーバードライブと比べるとより強くハイゲインよりに歪むのが「ディストーション」です。

ややドンシャリ気味だったり、高域が強めなものが多い傾向です。

弱い歪みから強い歪みまでの幅広いレンジを出せる製品もあり、オーバードライブ的な使い方ができるモデルもあります。

有名なものとしては「BOSS DS-1」MXR Distortion+」「Proco RAT」 などが挙げられます。

中でもRATはジェフベックの使用で有名になりましたが、強く歪ませても音の輪郭が潰れにくく多くのギタリストに愛用されたモデルです。

BOSS DS-1 サウンド

MXR Distortion+ サウンド

Proco RAT サウンド

■ ファズの特徴

エレキギター黎明期、アンプがそれほど強く歪まなかった時代により強い歪みを得るために作られたエフェクターが「ファズ」です。

このような背景から、アンプの歪みに近づけるべく開発されたオーバードライブやディストーションとはそもそも設計思想が違います。

ブーミーで荒々しいそのサウンドは60年代後半のサイケデリックムーブメントの時代に流行し、ジミ・ヘンドリックスやローリング・ストーンズ、ビートルズなど多くのミュージシャンが取り入れました。

オーバードライブやディストーションが台頭してからはあまり使われなくなりましたが、90年代以降のグランジ/オルタナティブのムーブメントの中で若いミュージシャンが使うようになり復権を果たしました。

オーバードライブ/ディストーションと比べてギター側のボリューム操作によって歪み量をコントロールしやすいという特徴があり、これを好むギタリストも多いです。

有名なところではジミ・ヘンドリックスが愛用したARBITER社の「Fuzz Face」Electro Hamonix社の「Big Muff」などが挙げられます。

どちらもいまだに根強い人気を誇るエフェクターです。

Purple Haze / ジミ・ヘンドリックス



ARBITER FuzzFace サウンド

Electro Harmonix Big Muff サウンド

まとめ

というわけで、ギターの歪み系エフェクターについて解説しました。

歪み系エフェクターは、エレクトリックギターのサウンドメイクで最も基本かつ重要な部分となります。

ぜひ、アンプシミュレータなどを使ってさまざまな歪み系エフェクターを試しながら、その特徴に対する理解を深めていただければ幸いです。

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