ジャンル別エレキアレンジ⑧:スカ、レゲエのアレンジと打込みテクニックをマスターしよう!

こんにちは、OTOxNOMA認定講師、作曲家の青山シゲルです。
今日は「スカ、レゲエ」におけるエレクトリックギターのアレンジと打込みテクニックについて解説していきます。
- スカ、レゲエとは?
- スカ、レゲエの特徴
- スカ、レゲエのバッキングパターン
- 各種打込みテクニック
ジャマイカで誕生したこれらの音楽は、ワールドミュージックにとどまらずロックやポップスに大きな影響を与えました。
音楽的にも面白い特徴をもったこれらのジャンル。
バッチリマスターしてアレンジの引き出しを広げていきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
ジャンル別エレキアレンジ⑧:スカ、レゲエのアレンジと打込みテクニックをマスターしよう!
スカ、レゲエとは?
「スカ」は1960年代初頭、独立したばかりのジャマイカでジャズの影響を受けて誕生したといわれています。
初期のスカはビッグバンドスタイルで演奏されていたことから「ジャマイカン・ジャズ」と呼ばれていたりもしました。
60年代に爆発的な人気を博したスカですが、その後60年代後半にはよりテンポのゆったりとした「レゲエ」へと変化。
ボブ・マーリーやジミー・クリフといった後のスターアーティストが人気を博します。
70年代に入り、ジミークリフが主演、主題歌を歌ったジャマイカ初の商業映画『Harder They Come』のヒットや、エリック・クラプトンがボブ・マーリーの『I Shot The Sheriff』をカバーして大ヒットさせたことをきっかけに、レゲエは世界的人気ジャンルになっていきます。
レゲエのブームは、ポップスやロックにも大きな影響を与え、イーグルス『Hotel California』やザ・ポリス『Can’t Stand Losing You』など、レゲエのリズムとロックを融合させた楽曲も登場しました。
日本でも80年代以降、東京スカパラダイスオーケストラ、レピッシュ、ジッタ・リンジンなど多くのバンドがスカなどのリズムを取り入れた楽曲を発表しています。
スカ、レゲエの代表曲から、その影響を受けた楽曲までを何曲かご紹介いたしますので聞いてみてください。
『The Harder they Come』ジミー・クリフ
『One Love』ボブ・マーリー
『I Shot The Sheriff』エリック・クラプトン(ボブ・マーリーのカバー)
『Can’t Stand Losing You』ザ・ポリス
『美しく燃える森』東京スカパラダイスオーケストラ
スカ、レゲエの特徴
ここからは、スカ、レゲエの音楽的特徴を解説していきます。
スカ、レゲエの特徴
とにかくリズムが特徴のジャンルです。
スカは比較的速めのテンポで演奏され、8分ウラのタイミングにアクセントをつけるのが特徴です。
ギターで弾く場合は、8分をオルタネイトで弾きながら、ダウンをミュート(ブラッシング)、アップを実音で演奏する形で「ン・チャ・ン・チャ」と歯切れよくプレイします。
一方レゲエは、スカのテンポを遅くしたジャンル。
スカに比べてかなりゆったりとしたテンポであるため、16分音符も混ぜならウラ拍を2回ピッキングして「ウン・チャカ・ウン・チャカ」と奏でることが多いです。
スカ、レゲエのサウンドメイク
ここではボブ・マーリーのようなオーソドックスなレゲエ向けのギターサウンドを作ってみましょう。
ボブといえばシングルコイルピックアップの乗ったレスポール・スペシャルを抱えている姿が有名ですが、ギターは好みで良いでしょう。
ソロでは歪ませることもありますが、バッキングは極めてナチュラル&クリーンなサウンドです。
GuitarRigの真空管アンプの中でもキレのあるクリーントーンを出せるTweed Delightをチョイス、キャビネットはよりクリアなJAZZ AMPを使用しました。
年代的にも組み合わせ的にも真空管のヘッドに「JC-120」のキャビはあり得ないセッティングですが、シミュレーターなので出音が良ければOKです。
BRIGHT側のボリュームを使い歪まない程度の音量に設定、その分キャビ側のボリュームで音量を稼ぎましょう。
Guitar Rig の設定
サウンド(レスポール ハーフトーン)
スカ、レゲエのアレンジパターン
ここではスカ、レゲエにおけるエレキギターのバッキングパターンを2つほどご紹介します。
パターン①
音源
音源(ギターのみ)
パターンの特徴
オーソドックスなレゲエのパターンです。
今回は1拍目ウラをオルタネイトで2回、2拍目ウラを1回弾くパターンにしています。
両方とも1回、あるいは両方とも2回でも問題なく成立しますので楽曲によって使い分けてみてください。
打込みのポイント
レゲエでは、1音1音をスタッカート気味に短く切る傾向があります。
ギリギリ音程が分かる程度の短いデュレーションで打込むとそれらしく聞こえるのでオススメです。
実際の演奏ではブリッジミュート気味に弾くことも多いのですが、この際カッチリミュートにはせず、実音とミュート音の中間のような曖昧なサウンドを出します。
とはいえ、打込みではそのような表現は難しいため、今回は1、3拍目ウラのダウンのみミュートの音色を使い強いベロシティで打込み、直後のアップは実音を弱めのベロシティで打込みました。
リアルな演奏のシミュレートより、音色変化がつけば良しと考えてOKです。
曲によっては16分ウラがあからさまにシャッフルする場合とそうでない場合がありますが、いずれの場合も16分ウラはジャストでなく、かなり遅めに打込んだ方がレゲエらしさが出るでしょう。
毎度の如くダウンアップによる弦の順番をバラしてますが、レゲエの場合はより大きなバラけ具合を意識するとマッチします。
また、譜面上の休符の場所にはミュート音やブラッシング音を加えてあります。
3拍目ウラのダウンの直前のブラッシングは、実際の演奏においてもリズムをキープするために入れたくなる箇所です。
いずれもオケに混じると聞こえないくらいのさりげない音量がいいでしょう。
パターン②
音源
音源(ギターのみ)
パターンの特徴
こちらはノーマルなスカのパターンです。
譜面には載っていませんが、オモテ拍にはダウンのブラッシングが入ります。
スカでは多くのギタリストがタイミングを取るためにこのようなブラッシングを入れるので覚えておきましょう。
打込みのポイント
パターン①同様、かなり短めのデュレーションで歯切れよく打込みます。
ウラ拍の実音は全てアップで弾いていますので、高音〜低音にかけてタイミングをズラしましょう。
レゲエに比べてテンポが速くなりますので、パターン①よりもさらに多めにズラすと良いですね。
ただし、キレの良さ、スピード感を損なわないよう注意深く聴きながら調整しましょう。
スカの場合はブリッジミュートは用いず、全て実音で演奏します。
その分、デュレーションやベロシティもより人間らしいランダム感をつけると良いでしょう。
とくにアップで先にあたる1弦側の高音がベロシティが強い傾向となります。
まとめ
というわけで、スカ、レゲエのバッキングアレンジと打込みテクニックについて解説しました。
南国の陽気な雰囲気がただようこれらのジャンル。
ギターの演奏にも大きな特徴が見られましたね。
今日の記事を参考に、ぜひ作品作りに活かしていただければ幸いです。
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