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ギターの基礎知識③:ギターのチューニング(調弦)を理解しよう!各種変則チューニングも徹底解説!

こんにちは、OTOxNOMA認定講師、作曲家の青山シゲルです。

今日は、ギターのチューニング(調弦)について解説していきます。

  • レギュラーチューニング
  • 変則チューニング
  • 7弦ギターの変則チューニング
  • アコースティックギターの変則チューニング
  • カポタストの使用

弦楽器では各弦に決まった音程が定められており、その音程に合わせることを「チューニング (調弦)」と言います。

ギターのチューニングにはじつに様々な方法があり、それぞれ音域や音の雰囲気も大きく変わるもの。

これらを理解することでギターアレンジの可能性も大きく広がりますので、しっかり学んでいきましょう!

なお、本記事では音名を英語表記いたします。音名に関する詳細は以下の記事の「音名・階名」の項を参考にしてください。

※こちらの内容は動画でも学習することができます。

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ギターの基礎知識③:ギターのチューニング(調弦)を理解しよう!各種変則チューニングも徹底解説!

レギュラーチューニング

まずは、最も基本となる「レギュラーチューニング」について解説していきます。

ギターという楽器で和音~メロディまでを最も効率的に演奏しやすいのがこの「レギュラーチューニング」。

基本的には、どんなジャンルにおいてもこのチューニングで演奏されるのが一般的です。

レギュラーチューニングでは、低い弦(6弦)から順に以下のようにチューニングします。

  • 6弦:E
  • 5弦:A
  • 4弦:D
  • 3弦:G
  • 2弦:B
  • 1弦:E 

弦と2弦の間だけ長3度音程、それ以外はすべて完全4度間隔でチューニングされます。

変則チューニング

ここからは、変則チューニングについて解説していきます。

読んで字のごとく、レギュラーチューニング以外の音程に合わせることを「変則チューニング」といいます。

変則チューニングにはさまざまなものがありますが、代表的な以下の4つについて解説していきます。

  • 半音下げ
  • オープンG
  • ドロップD
  • ドロップC

半音下げ

全ての弦を半音下げてチューニングするのが「半音下げ」チューニングです。

低い弦(6弦)から順に以下の配列になります。

  • 6弦:Eb
  • 5弦:Ab
  • 4弦:Db
  • 3弦:Gb
  • 2弦:Bb
  • 1弦:Eb

レギュラーチューニングと比べるとやや重た目のサウンドになり、そのようなサウンドが求められるロック~ハードロック系で用いられたり、ボーカリストの高音での歌唱による負担を減らすために使われたりします。

半音下げチューニングの例:『You Really Got Me』Van Halen



オープンG

レギュラーチューニングでは全ての弦を開放で鳴らしても調和の取れた和音を演奏することはできません。

これを、開放の状態で何かしらの和音になるようチューニングしたものを「オープンチューニング」と呼びます。

その最も代表的なものが「オープンGです。

低い弦(6弦)から順に以下の配列になります。

  • 6弦:D
  • 5弦:G
  • 4弦:D
  • 3弦:G
  • 2弦:B
  • 1弦:D

オープンGでは、開放弦を鳴らすだけですでにGのコードを演奏することができ、人差し指一本ですべての弦の同じフレットを押さえることで他のコードを鳴らすことも出来ます。

例えば5フレットを全て押さえると完全4度上のC、7フレットを全て抑えると完全5度上のDとなります。

複雑なコード進行を演奏する場合には不向きですが、ブルースやロックなど3コードを主体とした楽曲にはマッチします。

ローリング・ストーンズのギタリスト、キース・リチャーズはオープンGの曲では5弦のルートより低い音を出さないよう6弦を外してしまい、5弦で演奏しています。

オープンGの例:『Honkey Tonk Woman』The Rolling Stones



ドロップD

レギュラーチューニングから6弦のみを1音下げて「D」にしたものが「ドロップD」です。

低い弦(6弦)から順に以下の配列になります。 

  • 6弦:D
  • 5弦:A
  • 4弦:D
  • 3弦:G
  • 2弦:B
  • 1弦:E

最低音が1音下がることから、とくにリフを弾く際に重量感のあるサウンドが出せます。

このことから、80年台以降のハードロック~メタル系のバンドが好んで使いました。

また、6弦(D)と5弦(A)のインターバルが完全5度となるため、パワーコード(低音弦をルートと5度の2音のみで弾く演奏法)を指一本で押さえられます。

これにより、パワーコードを素早く動かすリフが弾きやすいのも特徴です。

ドロップDの例:『Lay It Down』RATT



ドロップC

ドロップDから全ての弦を1音下げたものが「ドロップCです。

(半音だけ下げた「ドロップC#」もよく使われます。)

低い弦(6弦)から順に以下の配列となります。

  • 6弦:C
  • 5弦:G
  • 4弦:C
  • 3弦:F
  • 2弦:A
  • 1弦:D

音の配列はドロップDと同じなので弾き方や特徴は共通しますが、ドロップDより更に1音下がっているためかなりヘヴィーなサウンドになります。

通常の弦だとテンション(=弦のハリ)が弱すぎるため太めの弦を張ることになりますが、ドロップC特有のだるんとしたサウンドも特徴の一つといっても良いでしょう。

弦ギターと近い音域になりますが(7弦ギターは最低音「B」)、弦の多い7弦ギターでは演奏感、押さえ方が異なるため、6弦でのドロップチューニングを好むギタリストも多いです。

ドロップCの例:『In Due Time』Killswitch Engage



7弦ギターのチューニング

ここからは、7弦ギターのチューニングについて見ていきましょう。

7弦ギターにも「レギュラーチューニング」と「変速チューニング」があります。

ヘヴィー系のジャンルをアレンジする場合には重宝しますので、しっかり抑えておきましょう!

7弦ギターのレギュラーチューニング

7弦ギターでは、6弦ギターの最低音「E」の完全4度下に「B」の弦が追加されます。

低い弦(7弦)から順に以下の配列となります。

  • 7弦:B
  • 6弦:E
  • 5弦:A
  • 4弦:D
  • 3弦:G
  • 2弦:B
  • 1弦:E

弦と6弦のインターバルは他の低音弦と同じ完全4度音程ですので、響き方は6弦と似た傾向になります。

ただし、大幅に音程が低くなる分相当ヘヴィーなサウンドになることを覚えておきましょう。

90年代後半以降のメタル~メタルコア等のジャンルではそのサウンドをよく聞くことができます。

7弦レギュラーチューニングの例:『ギミチョコ!!』BABYMETAL



ドロップA

弦ギターでも、6弦同様ドロップチューニングを用いることがあります。

その場合は、7弦を1音下げた「ドロップA」が比較的よく使われます。

(更に全弦半音下げの「ドロップA♭」も比較的よく使われます。)

低い弦(7弦)から順に以下の配列となります。

  • 7弦:A
  • 6弦:E
  • 5弦:A
  • 4弦:D
  • 3弦:G
  • 2弦:B
  • 1弦:E

もはやベース並みの低音域でかなり重厚かつ極悪なサウンドといえます。

弦のドロップチューニング同様、パワーコードを高速で動かすリフなどにもぴったりですね。

昨今のメタルコア等では割とよく耳にするサウンドです。

ドロップAの例:『Reincarnate』Motionless In White



アコースティックギターの変則チューニング

ここからは、アコースティックギターでよくみられる変則チューニングの例をいくつか紹介しておきましょう。

いささかニッチな内容ではありますが、一味違う独特な響きを出せるものですので知っておいて損はありません。

ダブルドロップD

ドロップDから更に1弦も1音下げて「D」にしたものが「ダブルドロップDです。

低い弦(6弦)から順に以下の配列となります。

  • 6弦:D
  • 5弦:A
  • 4弦:D
  • 3弦:G
  • 2弦:B
  • 1弦:D

パット・シモンズを始めとするウェストコースト系のアーティストや、ジミー・ペイジらロック系ミュージシャンにも愛用されました。

開放弦をうまく使うことで独特な民族音楽的な響きを出すことができます。

ドロップチューニングにあまり慣れてないギタリストにも比較的扱いやすいチューニングと言えます。

ダブルドロップDの例『Black Water』The Doobie Brothers



DADGAD(ダドガド)

ダブルドロップDからさらに2弦を1音下げた「A」にしたものがDADGAD(通称「ダドガド」)です。

低い弦(6弦)から順に以下の配列となります。

  • 6弦:D
  • 5弦:A
  • 4弦:D
  • 3弦:G
  • 2弦:A
  • 1弦:D

開放弦を鳴らすとDsus4コードとなっていること、多くの弦が同じ音となっていることで、かなり独特の響き方をします。

ダブルドロップDよりさらにに民族的、アイリッシュ的なサウンドを作りやすいのも特徴です。

バート・ヤンシュを始めとする英国トラッドフォークのアーティストや、彼の影響を受けたジミー・ペイジ、ソロギターのパイオニアと謳われるマイケル・ヘッジス、近年では押尾コータローなどが多用しています。

DADGADの例:『SPLASH』押尾コータロー



カポタストの使用

最後に「カポタスト」と呼ばれる特殊な器具について解説していきます。

ギターではキーによってはセーハコード(人差し指で6本すべてを抑えた状態でコードを押さえる型)を多用せざるを得ない難しいキーがありますが、それを解消するために簡単に移調できるようにした器具がカポタストです。

略して「カポ」と呼ばれます。

フレットの左側に装着することでそのフレットが「0フレット(=開放状態)」となり、簡単に移調させることができます。

例えば1フレットの左側に装着するとキーは半音上がります。(6弦から順に「F」「A#」「D#」「G#」「C」「F」)。

ギターで「Db」キーを演奏する場合、レギュラーチューニングだとほとんど全てのコードをセーハコードで押さえる必要があるのですが、1フレットにカポタスト装着することで半音移調され、「C」のキーと同じ押さえ方で演奏することができるようになります。

カポタスト

アレンジ面でのカポタストの使用

カポタストには、演奏をサポートするほかにアレンジ面での使用法もあります。

アコースティックギターを2本用いてアンサンブルを作る場合、2本とも同じキーで演奏するのも良いのですが、うち片方にカポタストを装着して別のキーで演奏することでハモるような形となり、広がりのあるアンサンブルを作ることができます。

例えば1本は「C」のキーで演奏、もう1本は5フレットにカポタストをつけて「G」のキーで演奏するといったこともできます。

最近のギター音源ではカポタストを再現する機能も搭載されているものもありますので、上手に活用してみるとよいでしょう。

まとめ

というわけで、ギターの各種チューニングについて詳しく解説しました。

じつに多様なチューニング方法がありましたが、まずはレギュラーチューニングをしっかりと使いこなせるようになった上で、楽曲に合わせて適宜最適な変則チューニングを選択できるようになるとよいでしょう。

今日の記事を参考に、しっかりとマスターしてくださいね!

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