ジャンル別オルガンアレンジ⑤:スカ・レゲエのオルガンアレンジ&打込みテクニック!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、スカ・レゲエのオルガンアレンジ&打込みテクニックについて解説していきます。
- スカ・レゲエにおけるオルガンの特徴
- スカ・レゲエにおけるオルガンのサウンドメイク
- スカ・レゲエのオルガンアレンジ例
ジャマイカ発祥の陽気で明るい雰囲気が魅力のスカ・レゲエ。
そんなスカ・レゲエにはどのようなオルガンアレンジが似合うのでしょうか?
詳しく解説していきますので、バッチリマスターしていきましょう!
ジャンル別オルガンアレンジ⑤:スカ・レゲエのオルガンアレンジ&打込みテクニック!
スカ・レゲエにおけるオルガンの特徴
まずは、スカ・レゲエにおけるオルガンの特徴についてみていきましょう。
スカ・レゲエのオルガンの特徴は以下の通りです。
- 3和音を主体としたシンプルなコード
- ウラ打ちのリズム
とにもかくにも、スカ・レゲエのオルガンはシンプル!
3和音を主体としたコードをウラ打ちで刻むだけで、簡単にそれらしいアレンジが出来ちゃいます。
もちろんそれ以外のスタイルで演奏される楽曲もありますが、基本は上記の特徴を押さえておけば問題ありません。
レゲエのオルガン例
スカ・レゲエにおけるオルガンのサウンドメイク
次に、サウンドメイクについて見ていきましょう。
オルガン本体の設定
オルガン本体の設定は以下のような形になっています。
ドローバー
ドローバーは、「88 8888 888」という潔い設定になっています。
この設定は「フル・オルガン」と呼ばれるセッティングで、全ての倍音を最大音量で鳴らすため非常に明るい音色になっています。
この明るさこそが、スカやレゲエにバッチリマッチしますね。
上鍵盤しか使いませんので下鍵盤の設定は気にする必要はありませんが、今回は「デフォルト・ジャズ」セッティングにしておきました。
ビブラート・コーラス
上図左上のビブラート・コーラスセクションでは、「C-3」のコーラスを上下の鍵盤双方に適用しています。
これにより厚みのあるオルガンサウンドを実現していますが、パキっとしたコンピングがお好みの場合はコーラスをオフにしても構いません。
パーカッション
上図右上のパーカッション機能は、オフになっています。
パーカッション機能は、ドローバーのうち最も高い倍音(第8倍音)を使って打音を生成するため、この機能がオンになっていると第8倍音が減衰してしまい、フル・オルガンのセッティングが活きてきません。
とにかく明るいサウンドを目指すのであれば、パーカッションをオフにしておくと良いでしょう。
ちなみに、パーカッションは上鍵盤にのみ作用する機能であるため、左手でバッキングを行い、右手でメロディを演奏する場合などは、下鍵盤のドローバーを「フル・オルガン」にした上で、上鍵盤にパーカッション機能を適用すると良いでしょう。
レスリー・スピーカー&アンプの設定
次に、レスリー・スピーカーの設定をみていきます。
今回も、軽く歪みを加えたサウンドにしていきます。
ほんのりと歪みを加えることで、他のパートに馴染みやすくなります。
例によって、ゲインを上げて軽く歪ませた状態から、ボリュームツマミで出力レベルを調整しましょう。
レスリー・スピーカーの設定
スカ・レゲエのオルガンアレンジ例
ここからは、スカ・レゲエにおけるオルガンのアレンジ例をご紹介していきます。
パターン①
オルガン&ベース&ドラム
オルガンのみ
フレーズの特徴
こちらはゆったりとしたレゲエのリズムにのせて演奏したパターンです。
ウラ拍でスタッカート気味にコードを刻むだけのシンプルなスタイル。
非常にシンプルなアレンジですが、しっかりとレゲエらしい雰囲気に仕上がっていることがお分かりいただけると思います。
打込みのポイント
終始スタッカートでの演奏となりますので、デュレーションを調整して歯切れよく打込みましょう。
刻み部分ではエクスプレッションは不要ですが、最後の白玉+グリッサンド部分のみアクセントとフェードアウトをつけておくと良いですね。
パターン②
オルガン&ベース&ドラム
オルガンのみ
フレーズの特徴
こちらは、スカのリズムにのせて演奏したパターンです。
といってもやることはレゲエと同じ。
各拍ウラのタイミングで、コードをスタッカートで刻みましょう。
打込みのポイント
こちらもレゲエと同じポイントを意識しましょう。
スタッカートは歯切れよく刻んでいきます。
テンポが早い分、レゲエよりもデュレーションを長めに設定する必要がありますので、その点のみ注意してください。
最後の白玉+グリッサンド部分は、エクスプレッションでアクセントとフェードアウトをつけておきましょう。
まとめ
というわけで、スカ・レゲエのオルガンアレンジ&打込みテクニックについて解説しました。
極めてシンプルながらも、ジャンルの特徴が色濃く現れた面白い事例でしたね。
純粋なスカ・レゲエはもちろん、ポップスの楽曲に取り入れてももマッチしますので、色々チャレンジしてみてください!
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