メロディアスなキーボードアレンジ①:トップノートの動かし方をマスターしよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日からは、よりメロディアスなキーボードアレンジについて解説していきます。
まずは、最も基本となるトップノートの動かし方から。
- メロディアスなキーボードを実現するには?
- トップノートを動かすテクニック
- トップノートの動かし方実践例
単なる伴奏にとどまらない、音楽的なキーボードパートを作るにはどうすれば良いのか?
各種テクニックを詳しく解説していきますので、ぜひご活用ください!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
メロディアスなキーボードアレンジ①:トップノートの動かし方をマスターしよう!
よりメロディアスなキーボードを実現するには?
以前、キーボードの役割には以下の3つがあることをお伝えしました。
- コードの演奏
- リズムの演奏
- メロディの演奏
このうち、「コードの演奏」と「リズムの演奏」に関しては、これまでに解説した各種アレンジテクニックを使うことで実現可能です。
単なる伴奏として機能させるだけならば、最悪コードとリズムが揃っていれば問題ありませんからね。
しかし、より魅力的なキーボードアレンジに仕上げるという意味においては、やはりメロディ要素を取り入れたアレンジテクニックをマスターしておきたいところ。
では、どうすればメロディアスなキーボードアレンジに仕上がるのでしょうか?
そのヒントは「トップノート」にあります。
「トップノート」、すなわちキーボードで演奏する最も高い音の動きがメロディアスであれば、より音楽的なアレンジを実現できるというわけです。
試しに、トップノートに動きを持たせることでメロディアスに仕上げたピアノを聞いてみましょう。
単なる伴奏ではない、音楽的なアレンジに仕上がっていることがお分かりいただけると思います。
このように、よりメロディアスなキーボードアレンジをする上では、トップノートに動きを出していくことが重要になります。
トップノートを動かすテクニック
トップノートを動かす方法は、主に以下の3つに分かれます。
- 転回形の活用
- コードトーンの活用
- コードスケールの活用
ここでは、大きく「転回形の活用」と「コードトーン&コードスケールの活用」の2つに分けてご説明していきます。
転回形の活用
トップノートを動かすといっても、闇雲に動かしたのでは音楽的とはいえません。
キーボードには「コードの演奏」という大事な役割がある以上、コード感を損なわない状態で動かす必要があるからです。
それを実現する最も基本的なテクニックが「転回形の活用」です。
コードの構成音を変えることなくトップノートに動きを出すことができるため、安心して使うことができます。
試しに、通常のコード弾きと転回形を使って動きを出したアレンジを聴き比べてみましょう。
通常のコード弾き
転回形を使って動きを出した例
これだけでも大分メロディアスな印象になったのがお分りいただけるかと思います。
このように、転回形を駆使してトップノートに動きを出すテクニックはキーボードアレンジにおいては常套手段となります。
また、以下の例のように転回形を使って音域を上げていくことで、楽曲が徐々に盛り上がるようなアレンジにすることもできます。
通常のコード弾き
転回形を使って動きを出した例
コードトーン&コードスケールの活用
次にご紹介するのが、コードトーンとコードスケールの活用です。
コードトーンやコードスケールを使って、ところどころに簡単なアルペジオやフレーズを追加することでよりメロディアスな仕上がりにすることができます。
それぞれの例を聞いてみましょう。
前者はコードトーンを使ってアルペジオをちりばめた例、後者はコードスケールを使ってより旋律的なフレーズをちりばめた例です。
転回形のみ使ったアレンジ
コードトーンによるアルペジオの追加
コードスケールによる旋律の追加
単なる伴奏とは一味違う、音楽的な表現になっているのがお分りいただけると思います。
このうち、コードトーンを使ったアルペジオについてはそもそもコードトーンのみを使っているのでコード感を損ねることはありませんよね。
一方コードスケールについては、使い方を間違えるとコード感を阻害する可能性がありますので注意しましょう。
コードの演奏を阻害しないよう、各コードのトップノート同士をつなぐイメージでコードスケールを配置するとうまくいきます。
メロディアスなキーボードアレンジ実践例
ここからは、メロディアスなキーボードアレンジの実践例を2パターンご紹介します。
トップノートの動かし方実践①
ステップ①:シンプルなコード弾きを作る
まずはシンプルなコード弾きを作りましょう。
ステップ②:転回形を使って動きを出す
次に、転回形を使って動きを出してみましょう。
今回は、3小節目の4拍目のみ高めのボイシングに切り替えてみました。
1箇所変えるだけでも単調さが薄れるのがお分かりいただけると思います。
ステップ③:合間にコードトーンによるアルペジオを入れる
最後に、白玉部分にコードトーンによるアルペジオを挿入してみます。
簡単なアルペジオが入るだけでも、接続が滑らかになり音楽的な印象に仕上がります。
以下の楽曲の冒頭部分では、上記のピアノパターンを様々な転回形やアルペジオを駆使して演奏していますのでぜひ聴いてみてください。
プロスペロー『Summer Sprint』
トップノートの動かし方実践②
ステップ①:シンプルなコード弾きを作る
こちらもまずはシンプルにコードを並べてみましょう。
ステップ②:合間にコードトーンによるアルペジオを入れる
次に、合間にコードトーンによるアルペジオを入れてみます。
これだけでもだいぶメロディアスになりますね。
ステップ③:コードスケールによるフレーズをちりばめる
さらに、コードスケールによるフレーズをちりばめてみましょう。
ピアノがメインメロディを取っていてもおかしくないくらいメロディアスなアレンジになりました。
まとめ
というわけで、メロディアスなキーボードアレンジに仕上げるためのトップノートの動かし方について解説しました。
トップノートを動かすだけで、驚くほど音楽的な印象になることがお分かりいただけたと思います。
シンプルなテクニックですが実用性抜群。
今日の記事を参考に、バッチリマスターしていただければ幸いです!
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