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コーラスのミキシング②:各トラックのEQ&コンプ処理とパンニングをマスターしよう!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、コーラスを構成する各トラックのEQ&コンプ処理とパンニングについて解説していきます。

  • コーラス各トラックに使用するエフェクト
  • EQ&コンプレッサーのセッティング
  • コーラスのパンニング

コーラスは、ストリングスのように複数のパートが集合して初めて音楽的機能を果たすパート。

したがって、個々のパートではトラック固有の問題を対処するのみにとどめ、最終的な質感はバスで調整していくとよいでしょう。

今日はそのうち、個々のトラックのエフェクト処理、そして各トラックのパンニングについて解説していきます。

参考にしていただければ幸いです。

※本企画はデータ連動企画となっています。講師イナゲが作った楽曲のパラデータをダウンロードすることができますので、ぜひそちらも合わせてご活用ください!

データのダウンロードはこちら

今回の教材曲:プロスペロー『MOB 〜この街のありふれた一人〜』

 

コーラスのミキシング②:各トラックのEQ&コンプ処理とパンニングをマスターしよう!

コーラス各トラックに使用するエフェクト

まずは、コーラス各パートに使用するエフェクトを見ていきましょう。

といっても、全体的な調整はバスで行いますので、各トラックでの調整は以下の3つがあれば十分です。

  1. コンプレッサー
  2. イコライザー
  3. ディエッサー

1. コンプレッサー

ダイナミックレンジの調整に使用します。

曲中コーラスが出たり引っ込んだりすると聴きばえがよくありませんので、安定感のあるダイナミクスを目指して調整していきます。

また、各トラック最終段にリミッター代わりにさしてピークを抑制する目的でも使用します。

2. イコライザー

周波数バランスの調整に使用します。

他のパート同様、中低域のふくらみや高音のピークを除去してすっきりと聞きやすいサウンドにしていきましょう。

3. ディエッサー

歯擦音による鋭い高音の除去に使用します。

「サ行」と初めとした耳につく子音をリダクションすることで、聴きやすくマイルドな歌声に調整します。

ダイナミックEQを使ってイコライジングとディエッシング双方を同時に処理する形でも問題ありません。

コーラスのEQ&コンプのセッティング

それでは、実際のセッティングを見ていきましょう。

コーラス各トラックには以下のエフェクトをインサートしました。

コンプ① → ダイナミックEQ → コンプ②

ヴォーカルに比べてだいぶシンプルですが、その分バスでもしっかり音作りを行なうことになります。(バスエフェクトは次回の記事で解説します。)

今回の教材曲のコーラスパートは全部で12トラックありますが、いずれも全く同じ考え方で処理できますので、今回は字ハモの「Mid」パート(メインヴォーカルとのユニゾン)を例に解説していきます。

コンプ①のセッティング

初段はヴォーカル同様、オプトタイプ(光学式)のコンプレッサーでアナログの質感をプラスしながらダイナミックレンジを調整していきます。

今回もWAVESの「CLA-3A」を使用しました。

オプトコンプならではのゆるやかなかかり具合で、自然にダイナミクスをコントロールしてくれます。

かかり具合としては、最も音量の小さい部分で軽くリダクションメーターがふれるかふれないかくらいのポイントを狙いました。

これにより全体的にまんべんなくコンプがかかるため、音量のばらつきを最小限にとどめています。

コンプ①適用前

コンプ①適用後

ダイナミックEQ①のセッティング

つぎに、ダイナミックEQで細かい周波数バランスを調整していきます。

まずは例にもれず、中域のふくらみと高域の耳につくピークをリダクションしていきましょう。

今回は「216Hz」「299Hz」「416Hz」「805Hz」付近にある中域のモヤモヤと「4127Hz」付近のピークを抑えました。

高域に関しては、ヴォーカル同様「11000Hz」付近を2dBブーストしつつ、歯擦音が発生した場合のみディエッシングが行われるよう設定しています。

ダイナミックEQ①適用前

ダイナミックEQ①適用後

コンプ②のセッティング

最後に、リミッター代わりのコンプを入れていきます。

リミッターではなくレシオの高いコンプを使うことで、必要以上に音質を劣化させることなくピークを抑制することができます。

レシオは「20:1(20.05:1)」と強めに、アタックとリリースも最速に設定して、突発的に飛び出た部分がリダクションされるようセッティングしました。

コンプ②適用前

コンプ②適用後

コーラスのパンニング

最後に、コーラスのパンニングをみていきましょう。

コーラスはダブリングした各トラックを左右に振り分けるのが常套手段です。

原則として、以下のような考え方でパンニングするとよいでしょう。

音程の高いパートほど定位が明瞭になりますので、「Hi」を一番外側に配置して広い音像を確保しています。

そこから少し内側に「Mid」、さらに内側に「Lo」 を配置していきましょう。

具体的な数値としては以下の通りです。

  • Hi = L80、R80
  • Mid = L75、R75
  • Lo = L70、R70

また、今回の教材曲後半では字ハモとウーアーが同時に演奏される場所があります。

その場合、両者を棲み分ける目的でそれぞれの定位を変えるのもよいでしょう。

今回はウーアーを字ハモよりもさらに外側に配置しました。

  • ウーアーHi = L100、R100
  • ウーアーMid = L95、R95
  • ウーアーLo = L90、R90

全体をパンニングしたコーラス

 

まとめ

というわけで、コーラス各トラックのEQ&コンプ処理、およびパンニングについて詳しく解説しました。

いずれも特段変わったテクニックはなく、基本に忠実に処理されていることがお分かりいただけたと思います。

次回は、コーラス全体をまとめたバスエフェクトについて詳しく解説していきますので、そちらもぜひお楽しみに!

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