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EDMのMix実践編⑦:センドリバーブで自然な残響をプラス!

こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。

今日は、フューチャーベースを題材に、センドリバーブによる残響の表現について解説していきます。

  • センドリバーブの用法
  • 使用するリバーブの種類
  • 実際の使用例

センドリバーブは、リバーブの用法の中でも最も基本的なもの。

サウンドに美しく自然な残響をプラスしたり、トラック全体に一体感を出すためには欠かすことのできないテクニックです。

「リバーブ&ディレイの基本テクニック」を念頭におきつつ、それぞれの用法を学んでいきましょう!

※本企画はデータ連動企画となっています。講師イナゲが作った楽曲のパラデータをダウンロードすることができますので、ぜひそちらも合わせてご活用ください!

データのダウンロードはこちら

こちらの楽曲のパラデータをダウンロードできます。

 

EDMのMix実践編⑦:センドリバーブで自然な残響をプラス!

フューチャーベースのMix実践編⑦:センドリバーブで自然な残響をプラス!

自然な残響をプラスするなら「センドリバーブ」

「リバーブ&ディレイ」の基本テクニックの記事でもお伝えしたとおり、サウンドに自然な残響を付加する場合は、リバーブを「センドエフェクト」として使用するのが一般的です。

これを「センドリバーブ」といいます。

楽曲で使用する基本的なリバーブをあらかじめ立ち上げておき、各パートかけたい分だけセンドエフェクトとして送ってあげるわけです。

これにより以下のようなメリットがあります。

  • 1つのリバーブで複数のトラックを処理できるのでCPU負荷が軽い
  • 同じリバーブを共有することで、全体のまとまりが良くなる

前者に関しては、昨今のハイスペックなコンピュータではほぼ形骸化しているお作法ではありますが、後者の効能はやはり大きい。

同じリバーブを共有することで、同じ空間で演奏している雰囲気を再現できるわけです。

当然、サウンドの一体感も増しますのでオススメです。

使用するリバーブの種類

多くの場合、センドリバーブでは数種類のリバーブをあらかじめ用意しておきます。

というのも、各パートの役割によってリバーブを使い分ける必要があるからです。

よく使われるセンドリバーブは以下の3種類です。

  • プレートリバーブ
  • ホールリバーブ
  • ルームリバーブ(必要に応じて)

それぞれ詳しく解説していきます。

■ プレートリバーブ

プレートリバーブは、金属の板(プレート)を共鳴させて人工的に残響音を作り出すリバーブです。

ホールリバーブやルームリバーブなどのように特定の空間を再現しているものではなく、機械によって作り出しているという点がポイント。

(プレートの代わりにバネを利用した「スプリングリバーブ」というものもあります。)

これら、機械式リバーブの特徴は、原則としてプリディレイ(Pre Delay)が小さいという点。

簡単にいうと、原音が鳴ってからリバーブ音が鳴り始めるまでのタイムラグがないということです。

ドラムやヴォーカルなどリズム感をはっきり出したいパートに対して使うことで、リズムがぼやけることなく残響をプラスすることができるというメリットがあります。

主に、以下のパートに対して使います。

【プレートリバーブが合うパート】

  • ヴォーカル
  • ドラム
  • パーカッション
  • バッキングギター
  • リズミカルなシンセ

いずれも、リズム感や音像がボケると好ましくないパートばかりですね。

もちろん、どのような音作りをしたいかによって用法は異なりますが、基本は「リズム感をぼかしたくないパートはプレートリバーブ」という考え方を持っておくとわかりやすいと思います。

元のサウンド

プレートリバーブ

■ ホールリバーブ

コンサートホールのようなリッチな残響を再現するためのリバーブです。

大きな空間を再現したものですので、その分だけリバーブの成分もよりふくよかで豊かなサウンドになります。

ホールリバーブは、主にホールで演奏することが想定される楽器(ストリングスやピアノなど)に対して効果的です。

また、パッドなどアンビエントなパートにも良くマッチしますね。

ホールリバーブは、主に以下のパートで使用されます。

【ホールリバーブが合うパート】

  • ピアノ
  • ストリングス
  • ブラス
  • 木管
  • オーケストラ系パーカッション
  • パッドなど空間を表現したいシンセ

いずれも、リッチな響きが似合うパートばかりですね。

元のサウンド

ホールリバーブ

■ ルームリバーブ(必要に応じて)

ルームリバーブは、その名の通り部屋鳴りを再現するリバーブです。

ルームリバーブを使うことで、部屋の中にいるようなごく自然な空気感を得ることができます。

(同じような用途で、スタジオリバーブが使われることもあります。)

これがどんな時に役立つかというと、複数のパートが同じ部屋で演奏しているような一体感が欲しいときです。

アコースティックドラムを例に考えてみましょう。

アコースティックドラムは複数の太鼓およびシンバルが組み合わされた複合的な楽器ですが、それぞれのパーツは常に同じ空間で演奏されるものです。

このような場合、各パーツを同じルームリバーブへ送ることでドラム全体に一体感を出すことができます。

ドラムセットだけでなく、同じ部屋で演奏していることが想定されるバンド楽器は、一度全てルームリバーブへ送るのも良い方法ですね。

【ルームリバーブで一体感を出したい楽器群】

  • アコースティックギター
  • アコースティックベース
  • アコースティックドラム
  • アコースティックピアノ
  • etc…

さらに、ルームリバーブで同じ部屋にいるような空気感を作ってから、それぞれをプレートリバーブやホールリバーブへ送って色付けするという手段も考えられます。

これにより、各パートの一体感を保ったまま自然なリバーブ処理が行えます。

元のサウンド

ルームリバーブ

ルーム+ホール

実際のセッティング例

今回の教材曲はほぼ全てシンセで構成されていますので、プレートリバーブとホールリバーブの2種類を中心に使いました。

もちろん必要に応じてルームリバーブを活用するもの全然アリだと思います。

どのパートをどのリバーブへ送っているかは以下の通りです。

【プレートリバーブを使用したパート】

  • ヴォーカルチョップ
  • ドラム
  • パーカッション(リズムループ含む)

【ホールリバーブを使用したパート】

  • キーボード(ピアノ&チェレスタ)
  • シンセ
  • FX

今回はパートごとにまとめたバスからリバーブへ送っています。

上記はあくまで一例であり、各トラックごとに細かく送り先を変更してもOKです!

また、複数個のリバーブを併用するのももちろんOKです。

どのような響きが欲しいかをしっかりと見定めた上で、マッチするリバーブを適宜選択していきましょう!

 

まとめ

というわけで、センドリバーブの用法について詳しくお伝えしました。

冒頭でもお伝えしたとおり、自然な残響を付加したり、共通の空気感をまとわせて一体感をプラスしたりなど、ミックスを行う上では欠かすことのできないテクニックとなります。

リバーブの種類によって得られるサウンドも全く変わってきますので、さまざまなセッティングを試しながら楽曲にマッチしたリバーブを探していきましょう!

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