その秘密は「〇〇」にアリ!まるで生演奏のような打込みサウンドを実現するヒケツ!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介(@Ken_Inage)です。
今日は、打込みでリアルなサウンドを実現していくためのヒケツをご紹介していきます。
リアルな打込みを実現するには、その再現元となる生演奏について研究するのがイチバン。
生演奏が持つ圧倒的情報量のウラに隠された秘密を理解することで、リアルな打込みサウンドを実現するための糸口となります!
ぜひ一緒に考えてみましょう。
生演奏の魅力を考える
まずは、なぜ生演奏が魅力的に感じるのかを考えていきたいと思います。
生演奏の魅力①:音色がリアルになる
生演奏をレコーディングすることの魅力としてまっさきに思い浮かぶのは「音色がリアルになること」ではないでしょうか?
生演奏と打込み音源とを比べた場合、前者の方が断然リアルで豊かな響きがします。
(ホンモノを録音しているのだから当たり前ですが。)
とはいえ、音色のリアルさだけでいったら、昨今のソフトウェア音源だって負けてません。
音色そのものはもちろん、ベロシティレイヤーやレガート機能、各種アーティキュレーションなどなど、生演奏を忠実に再現するためのギミックがたくさん搭載されています。
最近ではマイキングまで細かく調整できたりするわけですしね。打込みでも相当リアルな表現ができることは間違いないでしょう。
ですが、やっぱり生演奏のほうが圧倒的に存在感が出てくる。
その違いはどこにあるのでしょう?
少なくとも、「音色」だけでは片付けられない何かがそこにはあるってことですよね。
生演奏の魅力②:音の「情報量」が圧倒的!
打込み音源と生演奏には、音色のリアルさ以外にもとある決定的な差があります。
それは、音の「情報量」!
同じパート数&同じ音数でも、打込みと生演奏では生演奏のほうが圧倒的に情報量が多く聞こえるんです。
実際ぼくも、打込みで用意していたトラックを、レコーディング終了後にいくつか削除したりすることが多々あります。
生演奏によって音の情報量が増えたため、もともと用意していた打ち込みのトラックがなくても十分アレンジが成立するようになるからですね。
では、そもそもなぜ生演奏だと情報量が増えるんでしょうか?
パート数も一緒、音数も一緒なのに不思議ですよね。
生演奏が持つ圧倒的情報量の正体
生演奏が持つ圧倒的情報量の正体は「ズレ」
なぜ生演奏だと音の「情報量」が圧倒的に増えるのか?
その秘密は「ズレ」にありました。
クオンタイズやトラックディレイの解説記事でもお話しましたが、どんなに正確に演奏しようと思っても、人間は機械のように正確な演奏はできません。
ピアノやギターなどのコード楽器は1人で複数の音を同時に演奏しますが、1音1音を機械的にぴったり揃えて演奏することはまず不可能。
ましてやそれが複数人のアンサンブルになればなおのこと。
さらには、ドラムのようにマルチマイク(複数のマイク)で収録するような楽器になれば、各マイク間のズレまで発生するわけです。
そんな「ズレ」が、楽曲全体を通して
- 音符ごと
- パートごと
- マイクごと
に頻発するわけですから、機械的に揃えた演奏よりも圧倒的に情報量が増していくのは当然っちゃ当然ですね!
生演奏と打ち込みでは圧倒的に情報量が違うわけですが、
その要因のひとつに「ズレ」が大きく影響しているってのが凄く大事なポイント!
同じ一発をならすにしても、機械的にぴったり揃えて鳴らすのと、
すこしズレるのとでは1度に聞こえる音数(=情報量)が変わってくるわけです。(続く)
— 作曲家・稲毛謙介(イナゲケンスケ) (@Ken_Inage) February 13, 2020
「ズレ」はリズムだけではない!
「ズレ」がもたらす情報量の増加は、なにもリズムだけに限った話ではありません。
ストリングスのように1パートを複数人で演奏するアンサンブルの場合には、ピッチ(音程)のズレも大きく影響してきます。
ソロヴァイオリンやソロヴォーカルに比べて、ストリングスアンサンブルやコーラスの方が情報量多く聞こえるのは、一人ひとりの微細なピッチのズレによるものです。
シンセでぶっとい音を作るときには、オシレータをたくさんユニゾンさせて「デチューン」させますが、あれと全く同じ原理です。
ストリングスやコーラスなどのアンサンブルでは、常に自然の「デチューン」が発生しているので、厚みのあるサウンドになっていくわけですね。
生演奏の特徴を打込みに反映させる
リズムやピッチの「ズレ」が音の情報量を増やし、魅力的かつ充実したサウンドを作り上げていることがわかりました。
ならば!
この原理を打込みに応用したら、もっとクォリティの高い打込みサウンドが実現できるのでは?
そう考えたあなたはすばらしい!
DAWに搭載されている「ヒューマナイズ」機能などは、まさにこの人間的な「ズレ」を再現してくれる機能ですよね。
音符ごと、パートごと、マイクごとのリズム&ピッチのズレを細かく再現することができれば、可能な限り生演奏に近づけていくことができるはずです。
そのためには相当な手間と労力が必要にはなりますが、リアルな打込みサウンドを目指すうえで非常に効果的な手段となります。
ぜひ、積極的にチャレンジしていきましょう!
まとめ
というわけで、打ち込みに比べて生演奏のほうが魅力的にきこえる最大の理由は、
リズムやピッチの「ズレ」に起因する情報量の増加である!
というお話をお届けしました。
このような「ズレ」を意識的に打込みに取り入れることで、より生演奏に近い充実したサウンドが得られることでしょう。
今日の記事を参考に、ぜひいろんな「ズレ」を試してみてはいかがでしょうか?
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