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音色がリアルになるだけじゃない?生演奏がなぜ音楽を魅力的にするのかを考えてみた。

こんにちは、作曲家・稲毛謙介(@Ken_Inage)です。

今日は「生演奏をレコーディングすると、なぜ楽曲がより魅力的になるのか?」その秘密を考えてみたいとおもいます。

生演奏の魅力は「音色がリアルになる」こと?

生演奏の魅力は「音色がリアルになる」こと?

生演奏レコーディングのひとつの魅力として、まっさきに思い浮かぶのは「音色がリアルになること」ではないでしょうか?

確かに、生演奏は打込みの音源と比べて、音色がグッとリアルになって、豊かな響きがしますよね。(ホンモノを録音してるんだから当たり前っちゃ当たり前なんだけど…)

とはいえ、音色のリアルさだけでいったら、昨今のソフトウェア音源だって負けてません。

音色そのものはもちろん、レガート感や各種アーティキュレーションなど、生演奏を忠実に再現するためのギミックがたくさん搭載されてる上に、最近はマイキングまで調整できたりするわけですから、打込みでも相当リアルな表現ができます。

でも、やっぱり生演奏のほうが圧倒的に存在感が出てくるんだよなぁ。

その違いはどこにあるのか?

少なくとも、「音色」だけでは片付けられない何かがそこにはあるってことですよね。

 

生演奏は音の「情報量」が圧倒的!

生演奏は音の「情報量」が圧倒的!

打込み音源と生演奏には、音色のリアルさ以外にもとある決定的な差があります。

それは、音の「情報量」!

同じパート数&同じ音数でも、打込みと生演奏では生演奏のほうが圧倒的に情報量が多く聞こえるんです。

実際、ぼくも今回の新作を作る過程で用意していたトラックを、レコーディング終了後にいくつか削除しちゃいました。生演奏によって音の情報量が増えたので、もともと用意していた打ち込みのトラックがなくてもアレンジが十分成立するようになったからです。

では、なんで生演奏だと情報量が増えるんでしょうか?

パート数も一緒、音数も一緒なのに不思議ですよね。

 

その答えは「ズレ」にあった!

その答えは「ズレ」にあった!

なぜ生演奏だと音の「情報量」が圧倒的に増えるのか?

その秘密は「ズレ」にありました。

人間、どんなに正確に演奏しようと思っても、機械のように正確な演奏はできません。

ピアノやギターなど、1人で複数の音を演奏する楽器の場合、1音1音を機械的にぴったり揃えて演奏することはまず不可能ですし、それが複数人のアンサンブルになればなおのこと。

さらには、ドラムのようにマルチマイクで収録するような楽器になれば、各マイク間のズレもまで発生するわけです。

そんな「ズレ」が、楽曲全体を通して

  • 音符ごと
  • パートごと
  • マイクごと

に頻発するわけですから、機械的に揃えた演奏よりも圧倒的に情報量が増していくのは当然っちゃ当然ですね!

 

「ズレ」はリズムだけではない!

「ズレ」はリズムだけではない!

「ズレ」がもたらす情報量の増加は、なにもリズムのズレだけに限った話ではありません。ストリングスのように1パートを複数人で演奏するアンサンブルの場合には、ピッチ(音程)のズレも大きく影響してきます。

ソロヴァイオリンやソロヴォーカルに比べて、ストリングスアンサンブルやコーラスの方が情報量多く聞こえるのは、一人ひとりの微細なピッチのズレによるものです。

シンセでぶっとい音を作るときには、オシレータをたくさんユニゾンさせて「デチューン」するじゃないですか?あれと全く同じ原理です。

ストリングスやコーラスなどのアンサンブルでは、常に自然の「デチューン」が発生しているので、厚みのあるサウンドになっていくわけですね。

 

打込みにも応用できるのでは?

打込みにも応用できるのでは?

リズムやピッチの「ズレ」が、音の情報量を増加させ、魅力的かつ充実したサウンドを作り上げていることがわかりました。

ならば、この原理を打込みに応用したら、もっとクォリティの高いモックアップができるのでは?

そう考えたあなたはすばらしい!

DAWに搭載されている「ヒューマナイズ」機能なんて、まさにこの人間的な「ズレ」を再現してくれる機能ですよね。

音符ごと、パートごと、マイクごとのリズム&ピッチのズレを細かく再現することができれば、可能な限り生演奏に近づけていくことができるはずです。

そのためには相当な手間と労力が必要にはなりますが、試してみる価値は大いにあるのではないでしょうか?

 

まとめ

というわけで、打ち込みに比べて生演奏のほうが魅力的にきこえる理由は、「音色がリアルになること」そのものよりも、リズムやピッチの「ズレ」に起因する情報量の増加だよね!というお話でした。

ぼくのLINE@(公式LINEアカウント)では、実際に生演奏を収録したマルチトラックデータも無料配布しています。

ストリングスセクションは、生演奏と打込みのデータ両方入れてあるので、その違いを聴き比べるのもまた楽しいかとおもいます!

ぜひこの機会にゲットしてみてください。

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