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オーケストラのモックアップ実践⑨:弦楽器(ストリングス)の打込みテクニック・ショートノート編

こんにちは、OTOxNOMA認定講師・作曲家の吉岡竜汰です。

今日は、前回に引き続き弦楽器のショートノート系フレーズのモックアップについて解説していきます。

  • ショートノート系フレーズのモックアップ5ステップ
  • モックアップ5ステップのポイント

じつに多彩な奏法が存在する弦楽器のショートノート。

フレーズに合わせて適切な奏法を選択し、自然なニュアンスを付与していくためのポイントを丁寧にご紹介していきます。

前回ご紹介したロングノート系フレーズのモックアップと合わせてマスターすることで、あらゆるフレーズをリアルに打込めるようになりますので、バッチリマスターしていきましょう!

 

オーケストラのモックアップ実践⑨:弦楽器の打込みテクニック・ショートノート編

ショートノート系フレーズのモックアップ5ステップ

弦楽器のショートノート系フレーズにおいても、以下の5つのステップで進めていきましょう。

  • フレーズをベタ打ちする
  • 必要に応じてショートノート専用音色に置き換える
  • ベロシティで音量とアタック感を調整
  • 必要に応じてエクスプレッションを調整
  • 必要に応じてレイヤーしてサウンドを充実させる

まずは恒例のベタ打ちと完成形との違いを聴き比べてみましょう。

ベタ打ち

モックアップ済み

ベタ打ちと比べて躍動感が格段にアップしましたね!

このような完成形に至るまでに流れを順を追って解説していきます。

ステップ1:フレーズをベタ打ちする

早速ベタ打ちからスタートしていきましょう。

例によって、淡々と入力していけばOKです。

ロングノート系フレーズの解説記事でもお伝えしましたが、弦楽器は1パートを複数人で演奏することからヒューマナイズによるタイミングの調整はなし

基本はグリッドジャストで打込んで問題ありません。

ステップ2:必要に応じてショートノート専用音色に置き換える

次に、ショートノート専用音色に置き換えていきましょう。

とくに弦楽器においては、ロングノートとショートノートとではアタックの質感が大きく異なります。

ロングノート音色はアタックが遅い場合が多く、いくらデュレーションを短くしてもそれだけで歯切れの良いショートノートを表現するのは至難のワザ。

とくに「f(フォルテ)」以上の強いニュアンスではその傾向は顕著に現れます。

したがって、スピッカートなどを活用した歯切れの良いフレーズを表現したい場合は、積極的に専用音色へと置き換えていきましょう。

ロングノート系音色を短く切って作ったショートノートと、専用音色に差し替えたものを聞き比べてみましょう。

ロングノート系音色を短く切って打ち込んだ例

スタッカート専用音色を使って打ち込んだ例

歯切れの良さ、音の勢い、いずれも後者の方が格段にアップしていることがお分かりいただけると思います。

なお、弦楽器のショートノート系音色には、スピッカート、マルカート、スタッカートなどさまざまな音色が用意されていることも珍しくありません。

それぞれ全く異なる印象を持ったサウンドなので、フレーズにマッチしたものをチョイスしていきましょう。

弦楽器の各種奏法については以下の記事をご覧ください。

ステップ3:ベロシティで音量とアタック感を調整

弦楽器のショートノートにおいても、ベロシティの設定がモックアップの要となります。

ロングノート編ではベロシティを統一してサウンドの質感を揃えることをオススメしましたが、ショートノート系の場合は、1音1音弾き直す(=弓を擦り始める)のが前提となりますので、通常通りベロシティで強弱をつけていくことになります。

ショートノート系音色のベロシティも、原則として値が高くなるほどアタックが強くなっていきます。

したがって、どのくらいの鋭さで演奏したいのか?

それをよく吟味した上で、適切なベロシティを選択していくようにしましょう。

ベロシティ調整前

ベロシティ調整後

ステップ4:必要に応じてエクスプレッションを調整

次に、必要に応じてエクスプレッションを調整していきましょう。

ショートノート系音色が充実している弦楽器音源ではありますが、必ずしもフレーズにマッチした音色が用意されているとは限りません。

長すぎたり短すぎたり、あるいはアタックが強すぎたり弱すぎたりしてうまくハマらないこともしばしば。

そんな時は、管楽器同様「ロングノート系音色+エクスプレッション」で調整することになります。

やはりキモとなるのは歌いながらイメージを膨らませること。

音を伸ばすというより、余韻をエクスプレッションでコントロールするような感覚で書いていきましょう。

エクスプレッション処理前

エクスプレッション処理後

アクセントやマルカートなど、余韻を伴うショートノートを「ロングノート+エクスプレッション」で表現するためのテクニックについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

合わせてご活用ください!

ステップ5:必要に応じてレイヤーしてサウンドを充実させる

ショートノート系専用音色だけでは表現しきれないニュアンスの音は「ロングノート+エクスプレッション」で表現することは先ほどご説明した通りです。

ここからさらに音色をレイヤーして、よりリアルなニュアンスを作り出すこともできます。

例えば、ショートノート系音色とロングノート系音色、それぞれを以下の役割でブレンドします。

  • ショートノート系:アタックの明瞭さを担当
  • ロングノート系:エクスプレッションと合わせて自然な余韻を実現

それぞれの音色の長所を掛け合わせるイメージですね。

このテクニックを使ったものとそうでないものを聴き比べてみましょう。

ロングノート系音色+エクスプレッションのみ

ショートノートとロングノートのレイヤー

ショートノート系音色がもつ明瞭なアタック感と、ロングノート系とエクスプレッションによる自然な余韻が組み合わされて、よりリアルな表現が可能になったことを感じていただけると思います。

まとめ

というわけで、弦楽器のショートノート系フレーズの打ち込みテクニックについて詳しく解説しました。

前編でご紹介したロングノート系フレーズのモックアップと合わせてマスターすることで、オーケストラ全体の聴き映えがより一層レベルアップすることでしょう。

今日ご紹介したテクニックも繰り返し練習することでどんどん打込みが上達していきますので、ぜひご活用くださいね!

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