基本ビートその②:テクニカルな表現が魅力!「16ビート」を理解しよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、昨日に引き続き基本ビートのひとつ「16ビート」をご紹介していきます。
- 16ビートとは?
- オルタネートスティッキング
- 16ビートの基本パターン
- 16ビートの応用パターン
8ビート同様、16ビートもまた、さまざまなジャンルで使われる基本中の基本となります。
とくに、ファンクなどのテクニカルなドラムパートにはぴったりのビート。
考え方は8ビートと大きく変わりませんので、しっかりとマスターしていきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
基本ビートその②:16ビートの基本
16ビートとは?
16ビートは16分音符の刻みを基調とするリズムパターンです。
海外では「16 Feel(シックスティーンフィール)」と呼ばれます。
16ビートの特徴は以下の通りです。
ハイハットやキックの位置が16分音符単位になっただけで、それ以外は8ビートとなんら変わりませんね。
オルタネートスティッキング
16ビートではハイハットを16分音符で刻む都合上、両手で(左右の手で交互に)演奏されるのが一般的です。
これを「オルタネートスティッキング」と呼びます。
オルタネートスティッキングでハイハットを演奏している間は、ハイハットとスネアを同時に演奏することが難しくなります。
よって、16ビートにおいては、スネア演奏時に自動的にハイハットがお休みになることを覚えておきましょう。
【参考】テンポが遅い曲であれば、片手でハイハットを刻むことも可能です。その場合はハイハットとスネアの同時演奏も可能になります。
16ビートの基本パターン
というわけで、16ビートの基本パターンを見ていきましょう!
パターン①
強拍(1拍目)と中強拍(3拍目)にキックを配置したシンプルなパターンです。
パターン②
2拍目ウラにキックを配置することでノリをプラスしたパターンです。
パターン③
パターン②のキックを、さらに16分音符1個分ずらして16ビートのノリを強めたパターンです。
パターン④
パターン③をベースに、3拍目のキックを8分音符で連打したパターンです。
パターン⑤
パターン④の3拍目キックを16分音符1個分ずらして、16ビートのノリを強めたパターンです。
パターン⑥
パターン⑤をベースに、1拍目のキックをあえて半拍ずらすことで意表をついたパターンです。
パターン⑦
ハイハットの刻みを「8分音符1個+16分音符2個」に変形させたパターンです。
この形であれば、片手でのハイハット演奏も可能になります。
パターン⑧
ハイハットの刻みを「16分音符2個+8分音符1個」に変形させたパターンです。
パターン⑦同様に、片手でのハイハット演奏も可能です。
16ビートの応用パターン
先ほどご紹介した基本パターンをベースに、より応用的な16ビートのパターンをご紹介していきます。
16ビートの応用パターン
① 基本パターンを組み合わせた2小節パターン
8ビート同様、基本パターンを2つ組み合わせて2小節パターンを作ることもできます。
譜例上段は「パターン③」と「パターン④」の組み合わせ、譜例下段は「パターン⑤」と「パターン⑥」の組み合わせとなります。
譜例上段(パターン③+④)
譜例下段(パターン⑤+⑥)
② 2拍目のスネアを抜いたパターン
通常1小節に2回演奏されるスネアのうち、2拍目のスネアを抜くことでゆったりとしたグルーヴ感を作ることもできます。
ちなみに、このパターンのスネアはフロアタムへ置き換えるのも効果的です。
さまざまな楽器を用いた8ビート
16ビートもまた、16分音符の刻みをハイハット以外の楽器に担当させることもできます。
オープンハイハットを用いた16ビート
クローズドハイハットで刻んでいる16分音符を、一部(または全て)オープンハイハットに置き換えることも可能です。
オープンハイハットを用いることでリズムにメリハリがつくほか、オープンハイハットのサウンドによるアクセントやシンコペーションの強調も効果的な手段です。
譜例上段(シンコペーションを強調)
譜例中段(4拍目スネア前にメリハリ)
譜例下段(16分音符2個+オープン8分1個)
ライドシンバルを用いた16ビート
16ビートにおいても、ハイハットの代わりにライドシンバルを用いることができます。
ただし、ハイハットと違ってオルタネートスティッキングしにくい場所にあるため、よほどテンポの遅い楽曲でない限りは、譜例のように8分音符1つと16分音符2つの組み合わせで演奏することが多いです。
また、譜例下段のようにライドのカップを用いたアクセントづけもとっても効果的。
ほしいサウンドに合わせて適宜選択すると良いでしょう。
譜例上段(ライドへの置き換え)
譜例下段(カップを用いた演奏)
まとめ
というわけで、基本ビートのひとつ「16ビート」について解説しました。
16ビートは、16分音符単位の細かいビートが最大の特徴。
それゆえ、アクセントをつける位置やシンコペーションの位置などにおいて、8ビートよりも幅広いビートメイクが可能となります。
冒頭でもお伝えしたとおり、ファンクなどではテクニカルな16ビートをたくさん聞くことができますので、ぜひ研究してみてください!
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