ジャンル別ビートメイク⑧:ブレイクスのビートをマスターしよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、ブレイクビーツの上級テクニックが満載の「ブレイクス」のビートについて解説していきます。
- ブレイクスとは?
- ブレイクスの特徴
- ブレイクスのリズムパターン
- ブレイクスの音選び
- ブレイクス制作5つのテクニック
「ブレイクス」とは、その名のとおり「ブレイクビーツ」が主役のジャンル。
ブレイクビーツそのものにフォーカスが当たっていることもあり、ヒップホップやドラムンベースよりも、よりテクニカルな素材の加工技術が求められます。
エレクトリック系ビートメイクの集大成として、しっかりマスターしていきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
ブレイクスの例:Daze Prism『Class』
ブレイクスの基本
ブレイクスとは?
「ブレイクス」とは、その名のとおりブレイクビーツを用いたビートが特徴のジャンル。
その手法をそのまま使って「ブレイクビーツ」というジャンル名で呼ばれることもあります。
手法そのものがジャンル名になっているのも珍しいですよね!
その成り立ちから、特定のリズムパターンを持つわけではなく、あくまで「ブレイクビーツ」の取り扱いこそがこのジャンルを特徴づける最大の要素といえるでしょう。
ブレイクスの特徴
同じくブレイクビーツを用いたジャンルとして、「ヒップホップ」や「ドラムンベース」が挙げられますが、それらとの大きな違いはテンポ感。
ヒップホップはBPM80〜100前後、ドラムンベースはBPM160前後で演奏されるのに対し、ブレイクスはBPM130前後で演奏されます。
また、ヒップホップはあくまで「ラップ」が主体であること、ドラムンベースは「ドラムとベースの重低音」が主体であるのに対し、ブレイクスは「ブレイクビーツそのもの」が主体になっていることも大きな特徴ですね。
元々はテープを切り貼りしたり、ターンテーブルを使ったテクニカルなDJプレイによって実現されていたビートですが、昨今では波形編集やドラムサンプラーを用いた制作スタイルが主流となっています。
- BPM130前後の落ち着いたテンポ
- ブレイクビーツそのものが主役
- 波形編集やドラムサンプラーを用いたビート作りが主流
ブレイクスのビート例
BPM130前後の落ち着いたテンポ
アップテンポで疾走感のあるドラムンベースに対し、ブレイクスはBPM130程度と比較的落ち着いたテンポで演奏されます。
これはブレイクビーツを加工した複雑なビートを聞かせる上で程よいテンポ感。
ビートそのものを主体とする本ジャンルには最も適したテンポかと思います。
また、ハウスと同程度のBPMということもあり、ダンスを目的としたクラブシーンでの使用にも適していますね。
ブレイクビーツそのものが主役
ブレイクスは、その手法がジャンル名にもなっていることからも分かるとおり、ブレイクビーツそのものが主役。
元となる素材を使って、いかにクールでカッコいいビートを作り出すかがポイント。
同じ素材を使っても、クリエイターによって多様なビートが生まれる点こそがこのジャンル最大の醍醐味かもしれませんね。
波形編集やドラムサンプラーを使ったビート作りが主流
以前は特殊な技術が必要だったブレイクス作りですが、DAWが普及した現代ではだれでも簡単にチャレンジすることができます。
とくに波形編集を使う場合、DAW以外の機材を一切必要としないという点でも非常にお手軽になりましたよね。
初心者にとっては少し難しく感じるかもしれませんが、お手軽な加工方法もありますので後ほど詳しく解説します。
ブレイクスのリズムパターン
これまでお話したことからも分かるとおり、ブレイクスは特定のリズムパターンを持ちません。
むしろ、元となる素材をどう調理するかがポイント!
どんなリズムが生まれるかは、すべてあなたのアイディア次第。
このあとご説明するテクニックを使って、思いおもいにビートを組み上げてください。
ブレイクスの打込み
ブレイクスの音色選び
例によって、リズムループ素材を選定するところから始めていきましょう。
ブレイクスではどんな素材を用いてもビートを組み立てることができるため、その選択肢は無限大。
とはいえ、最初はどんな素材を選んだらよいのか迷ってしまう方も多いと思いますので、完成形をイメージしやすいBPM130前後の素材を選ぶとよいでしょう。
(例によって、サンプリングCDもしくはSplice Soundsなどの素材販売サイトで探すのがGood!)
サンプリングCDや素材販売サイトについては「ヒップホップ」の解説記事で詳しくお話ししていますので、そちらもぜひご参照くださいね。
単発素材による補強
リズムループを用いたその他のジャンル同様、ループ素材に単発素材やMIDI打込みをプラスしてリズムを補強するのも良い方法です。
昨今のブレイクスでは、キック、スネア、ハイハットなどの3点はMIDIで置き換えられていることも少なくありませんので、ぜひチャレンジしてみましょう。
どんなキットを選ぶかはループ素材次第ですが、今回もドラムンベースの時に使用した「Sharp Shooter Kit」を使ってみました。
ブレイクビーツにマッチするサウンドが多数収録されています。
キック
スネア
ハイハット
ブレイクス制作のテクニック
ここからは、ブレイクス制作のテクニックについて詳しくお話していきます。
リズムループの基礎的な加工方法は以下の記事で詳しくまとめておきましたので、合わせてご活用ください。
ブレイクス制作に使える代表的なテクニックは以下の5つです。
- 素材の一部分を置きかえる
- くりかえす
- 細かく連打する
- 単発素材を切り出して組み替える
- MIDIをプラスする
今回は、以下の素材を使って上記5つのテクニックを解説していこうと思います。
加工前の素材
1.素材の一部を置き換える
ブレイクビーツの加工方法として最も簡単なものが、素材の一部を別なパーツで置き換える方法です。
上記の例では、2拍目16分ウラのスネアをより強いスネアに置きかえて、シェイク感を強調してみました。
加えて、最後にスネアを16分で連打することで軽めのフィルインもつけています。
2.くりかえす
元素材の特定の部分を何度もくりかえすだけでも結構サマになります。
上の例では、1小節目4拍目のフレーズをそのまま4回繰り返してみました。
3.細かく連打する
キックやスネアなどの目立つ音を細かく連打するのも、面白い効果が得られてオススメです。
この際、波形をバッサリ切り落としてスキマをあけたり、超高速で連打してスタッター効果を得るなどすると、よりアグレッシブなサウンドが作れるでしょう。
4.単発素材を切り出して組みかえる
元となる素材からキック、スネア、ハイハットの3点を切り出し、それらを並べ替えて新しいビートを作るというのも常套テクニックです。
上の画像は、元素材から単発素材を切り出してパーツごとに個別のトラックへ配置した例です。
それぞれ、以下のようなサウンドになっています。
キック
スネア
ハイハット
これらをならべ変えて、まったく別のリズムパターンを組んでみました。
それがこちら↓
単発素材をならべ変えて新しいリズムパターンを組んだ例
サウンドの質感はそのままに、全く新しいリズムに生まれ変わったのがおわかりいただけたかと思います。
5.MIDIをプラスする
リズムループのサウンドを補強するために、MIDIをプラスするのも良い方法です。
今回は、オリジナルのキックをミュートした上で、新たにキック、スネア、ハイハットの3点を加えてみました。
プラスしたMIDIの部分は以下のとおりです。
打ち込んだMIDI部分
それを、リズムループとプラスすることで以下のようなサウンドになります。
MIDIプラスリズムループ
もはやオリジナル素材とは全く別モノに仕上がりましたね。
まとめ
というわけで、ブレイクスのビートについて詳しく解説しました。
ブレイクビーツの加工は、ハマればハマるほど楽しいもの!
最初はむずかしく感じるかと思いますが、繰り返し練習していくうちにどんどん上達していくと思います。
ぜひ楽しみながらチャレンジしてみてください!
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