ジャンル別ビートメイク⑦:ドラムンベースのビートをマスターしよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、疾走感あふれるリズムが魅力の「ドラムンベース」のビートについて解説していきます。
- ドラムンベースとは?
- ドラムンベースの特徴
- ドラムンベースのリズムパターン
- ドラムンベースの音選び
- ドラムンベースの打込みのポイント
ドラムンベースは、ヒップホップとならんでリズムループを用いたビートメイクの代表格。
アップテンポでエキサイティングなビートは、クラブミュージックの中でも独特の存在感を放っています。
使いこなせると非常にかっこいいビートですので、ぜひマスターしてくださいね!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
ドラムンベースの例:LTJ Bukem『Logical Progression』
ドラムンベースの基本
ドラムンベースとは?
ドラムンベースの原型となったのは、1990年代はじめにイギリスで誕生した「ジャングル」と呼ばれるビート。
33回転のレコードを45回転で再生(=早回し)することで面白い効果が得られる
ということに気づいたレゲエDJたちが、そのテクニックを利用した曲作りを始めたのがきっかけだったようです。
偶然から生まれたジャンルだったんですね〜。
そんな「ジャングル」の手法を取り入れつつ、元となる素材によりシンプルなビートを取り入れたり、単発素材を追加したりなどと、様々な創意工夫をへて誕生したのが「ドラムンベース」。
現在では、両者を明確に切り分けることは少なくなっており、いずれのビートも「ドラムンベース」として扱われるケースが多いようです。
OTOxNOMAでも、同様の手法を用いたビートを全て「ドラムンベース」としてご紹介していきます。
ドラムンベースの特徴
「ドラムンベース」の特徴は、やはりその疾走感。
回転数をあげたターンテーブルでブレイクビーツを再生することによる、アップテンポなビートこそがその魅力です。
「ジャングル」「ドラムンベース」ともに、BPM160前後で演奏されることが多く、数あるダンスミュージックの中でもアップテンポな部類のビートとなります。
また、手数の多い複雑なリズムもドラムンベースの大きな特徴といえるでしょう。
加えて、キックやベースによる「ずーん」とした重低音も特徴のひとつで、まさに「ドラムンベース」の名にふさわしいサウンドとなっています。
- BPM160前後のアップテンポなビート
- 手数の多い複雑なリズム
- キックやベースによる重低音
ドラムンベースのビート例
BPM160前後のアップテンポなビート
ブレイクビーツを本来のテンポより高速再生するこのジャンル。
無理やりテンポアップすることによる疾走感あふれるサウンドを得ることができます。
実際に聞いていただいた方がイメージしやすいと思いますので、一度お聞きいただきましょう!
元のループはBPM100のもの。それをBPM160までアップさせています。
元のテンポ(BPM100)
テンポアップ(BPM160)
かなり疾走感がでたことがおわかりいただけると思います。
手数の多い複雑なリズム
前項の例のとおり、「ドラムンベース」では元となる素材に「シェイク・ビート」を用いることが多いです。
「シェイク・ビート」は2&4拍以外に16分音符単位で細かく刻まれるスネアが特徴。
それをアップテンポで再生することでさらに複雑なリズムへと進化します。
加えて、シンコペーションを多用したキックもテンポアップによる複雑化を後押ししていますね。
キックやベースによる重低音
「ジャングル」「ドラムンベース」では、音程の低いどっしりしたキック&ベースがよく用いられます。
ダンスフロアに響きわたる独特の重低音も、このジャンルの大きな特徴のひとつといえるでしょう。
ドラムンベースのリズムパターン
それでは、ドラムンベースのリズムパターンをみていきます。
ヒップホップ同様、いずれもリズムループのビートですので譜例はありませんが、ドラムンベースのビートの雰囲気を掴んでいただければ幸いです。
パターン①
ドラムンベースの中でも最もシンプルな部類のパターン。
疾走感あるビートにキックの重低音が特徴的ですね。
パターン②
こちらもドラムンベースらしい軽快なビートとズッシリしたキックが良い味を出しています。
パターン③
こちらは「ジャングル」のビート。
パターン①&②よりもワイルドな雰囲気が漂っておりますが、まさしくジャングルらしいビートですね。
パターン④
シンコペーションを多用することでより複雑さを増したパターンです。
リズムだけでなく、SEが入っていることでよりアジのあるサウンドになっています。
ドラムンベースの打込み
ドラムンベースの音色選び
ドラムンベースにおいても、リズムループ選びが最大のキモとなります。
市販のサンプリングCDではBPM160前後のループはおおよそドラムンベースのビートが収録されていることが多く、それらを使うのが最も簡単な方法です。
(もちろんSplice Soundsなどの素材販売サイトで探してもOK!)
一方で、本来の作り方同様に、BPM80~100前後のループをBPM160までテンポアップさせて使用するのも良いでしょう。
楽曲の雰囲気に合わせて、ぴったりな方法を選んでみてください!
サンプリングCDや素材販売サイトについては「ヒップホップ」の解説記事で詳しくお話ししていますので、そちらもぜひご参照くださいね。
また、ドラムンベースにおいても、ループ素材に加えて単発素材やMIDI打込みをプラスしてリズムを補強することができます。
今回は、Native Instruments社「Battery」に収録されている「Sharp Shooter Kit」というプリセットを選んでみました。
ドラムンベースのループになじみやすいサンプルが多数収録されています。
キック
スネア
ハイハット
ドラムンベースの打込みのコツ
ドラムンベースの打込み方法も、
- リズムループを単体で使用する場合
- 単発素材orサンプラーで補強する場合
の2種類が考えられます。
それぞれ詳しくみていきましょう。
リズムループを単体で使用する場合
こちらはシンプルに、楽曲にマッチしたリズムループを選定して貼り付ければ一応事足ります。
が、やはりそれだけでは面白くないという方も多いのではないでしょうか。
そんな時は、ブレイクビーツの王道テクニック。
素材を切り貼りしながらビートを組み替えてあげましょう!
元の素材は以下のようなものを選んでみました。
加工前のリズムループ
これを組み替えることで、かなりトリッキーなビートを作ることができます。
加工後のリズムループ
- リズムを組み替えたり
- 高速連打したり
- バッサリ切り落としたり
様々な加工を施すことで、ブレイクビーツならではのアグレッシブなビートを作ることができます。
ぜひチャレンジしてみてください!
リズムループの加工方法については、以下の記事で詳しく解説しておりますので合わせてご参照ください。
単発素材orサンプラーでリズムを補強する場合
ヒップホップ同様、単発素材やサンプラーを使ってリズムを補強することができます。
その際に使用できるテクニックは、いずれもヒップホップの解説記事でご紹介したものと同様となります。
- ローカットでキックのダブりを解消する
- 波形編集でキックのダブりを解消する
- グルーヴを揃える
詳しくは以下の記事をご覧ください。
今回は以下のような形で仕上げてみました。
まとめ
というわけで、ドラムンベースのビートについて詳しく解説しました。
リズムループも、使い方次第で多用なサウンドに変化することがお分かり頂けたとおもいます。
たかが素材、されど素材。何事も調理の方法が大事なんですね!
今日の記事を参考に、リズムループの攻めた使い方をマスターしていただければ幸いです。
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