ジャンル別ビートメイク③:ファンク・ビートを理解しよう!
こんにちは、作曲家・稲毛謙介です。
今日は、クールで大人なグルーヴが魅力の「ファンク・ビート」について解説していきます。
- ファンク・ビートの特徴
- シェイクビートについて
- ファンク・ビートのリズムパターン
- ファンク・ビートの音色選び
- ファンク・ビート打込みのポイント
ファンクは、アフリカ系アメリカ人(黒人)を起源とする「ブラック・ミュージック」の1つ。
さまざまなブラックミュージックのビートを理解するための基本がつまったジャンルでもありますので、しっかりとマスターしていきましょう!
※こちらの内容は動画でも学習することができます。
ファンク・ビートの基本
ファンク・ビートの特徴
ファンク・ビートとは、その名の通り「ファンク」というジャンルで使われるビート。
ファンクにおける最も代表的なミュージシャンといえば「ジェームス・ブラウン」ですね。
ホーンセクションの解説記事でもご紹介した「SEX MASHINE」はあまりにも有名。
そんなファンク・ビートの特徴は以下のとおりです。
- ウラ拍にアクセントを感じる「裏ノリ」
- レイドバック気味の演奏
- シェイクビートを用いたディープなグルーヴ
- タイトで歯切れの良い音色
それぞれ詳しく解説します。
ウラ拍にアクセントを感じる「裏ノリ」
ファンクはもちろん、黒人発祥の音楽は原則として全て「裏ノリ」となります。
ウラ拍にアクセントを感じながら演奏するスタイルで、ディスコをはじめとしたダンスミュージックにも多く用いられます。
レイドバック気味の演奏
ロックとは対照的に、ファンクのリズムはレイドバック気味に演奏されることが多いです。
落ち着いたクールなグルーヴを演出する上で大事なテクニックですので、しっかり意識していきましょう。
シェイクビートを用いたディープなグルーヴ
通常の8ビートや16ビート同様に、ファンクにおいても2拍目&4拍目でスネアを演奏するのが基本スタイル。
それに加えて、細かい16分音符単位のスネアを随所にちりばめたビートを「シェイクビート」といいます。
ファンクはもちろん、R&Bやヒップ・ホップでも多用される独特のビートです。
タイトで歯切れの良い音色
こちらについては、後述の「ファンク・ビートの音色選び」で詳しくご説明します。
ファンク・ビートのリズムパターン
それでは、早速ファンク・ビートのリズムパターンをみていきましょう!
ファンク・ビートは、いずれも16ビートであると考えて問題ありません。
16分音符のフィールを感じながら打込んでいきましょう。
パターン①
キックだけで16分音符のフィールを表現した、最もシンプルなパターンです。
ウラ拍ハイハットにアクセントを感じながら演奏するのがポイントです。
パターン②
こちらは2小節目のキックが特徴的なバリエーションです。
パターン③
2&4拍目のスネアのほか、16分音符のスネアを組み込んだシェイクビート。
各小節最後のゴーストノートはさりげなく入れるのがポイントです。
パターン④
パターン③をベースに、オープンハイハットでシンコペーションを強調したパターンです。
パターン⑤
パターン④のハイハットをライドシンバルに置き換えたバージョンです。
ライドのカップを使って、ウラ拍のアクセントを表現しています。
パターン⑥
オルタネートスティッキングによるハイハットの16分打ちを組み込んだパターンです。
より16ビート感が強まりますね!
パターン⑦
2拍目のスネアを16分音符1個分前倒しして、勢いをプラスしたビートです。
このように、スネアの位置を変えることでさまざまなパターンを作ることができます。
パターン⑧
パターン⑦同様、スネアの位置を変えたバリエーションです。
ゴーストノートによる装飾
ファンクでは、ゴーストノートを積極的に用いて繊細なグルーヴをプラスしていくとそれらしくなります。
ゴーストノートによる装飾例をいくつかご用意しましたので、ご紹介します。
パターン①
先ほどもご紹介した、各小節の最後にゴーストノートを配置した基本パターンです。
スネアのヘッド(打面)をスティックが跳ねる力を利用して、脱力しながら叩きます。
パターン②
より積極的にスネアのゴーストノートを取り入れたパターンです。
ハイハットとオルタネートスティッキングで演奏します。
パターン③
スネアの代わりに、ハイハットを用いて装飾をするのもファンクらしいアプローチです。
ファンク・ビートの打込み
ファンク・ビートの音色選び
前述のとおり、ファンク・ビートでは「タイトで歯切れの良い音色」が決め手。
具体的には、
- 比較的高めのピッチ(音程)
- 粒立ちの良いアタック(打音)
- 短めのテール(余韻)
などを意識すると良いでしょう。
ファンク用のキットをお持ちの方はそちらを使うのも良いでしょうし、ポップ・キットのピッチや余韻を調整して加工するのもオッケーです。
場合によっては、「ジャズ・スティック・キット」からも作ることができるでしょう。
今回は、以下のような音色を選んでみました。
キック
スネアドラム
タムタム
ハイハット
ライドシンバル
クラッシュシンバル
ファンク・ビート打込みのコツ
ファンク・ビートのベロシティ
ファンクビートでは、裏ノリ感を強調する意味でも、ハイハットのウラ拍にアクセントをつけてあげましょう。
上記のピアノロールでは、アクセント部分を強めのハイハットの音色を用いて打ち込んでいます。
また、歯切れのよさを重視する意味で、粒立ちの良い音色がえられるベロシティ帯を吟味してあげると良いでしょう。
多くの場合は、あまり強すぎない中くらいの強さになるかと思います。
ファンク・ビートのクオンタイズ
ファンク・ビートでは、やや強めのスウィングでレイドバック気味の演奏を表現してあげましょう。
とくにハイハットやキックの16分ウラ、シェイクビートの16分スネアなどはジャストよりもかなり遅めに配置してあげると良い感じのグルーヴになります。
加えて、スネアや1拍目以外のキックは、丸ごと20ティックほどレイドバックさせてあげるのも有効なテクニックです。
まとめ
というわけで、ファンク・ビートについて詳しく解説しました。
ファンク・ビートは、さまざまなブラックミュージックのリズムを打込む上でもっとも基本となるビートです。
とにもかくにも、「裏ノリ感」と「レイドバック感」がポイントとなりますので、そこを意識してかっこいいグルーヴを目指していきましょう!
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